【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する中、緩やかな回復基調にあります。しかし、世界的な物価の上昇や金融引締め、中国や欧州経済の停滞による海外経済の下振れリスクが、その先行に不透明感を増加させています。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、需要の伸び悩みによる生産調整や、供給ひっ迫の緩和による積み上がった在庫の調整が、家電・PC・スマートフォン等の個人消費に依存している電子機器を中心にみられます。それに伴い、特にメモリ及びディスプレイ市況の悪化が継続しており、予断を許さない状況です。その一方で、データセンタやAI(Artificial Intelligence:人工知能)等をはじめとするデジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)の進展や、グリーン・トランスフォーメーション(以下、GXという)、いわゆる脱炭素化社会へ向けたインフラ等への社会的投資拡大による市場成長に伴う需要増への期待が高まっています。
このような情勢の下、当社グループは、2023年度を開始年度とする3か年の新中期経営期間を、前年度まで推進してきた「収益構造改革」の総仕上げとして、既存のお客様への供給責任を果たしつつ、DX及びGX関連市場を重点市場とし、優良商品の発掘や、優良顧客の開拓を積極的に推進して、中期経営目標の達成に努めてまいります。また、第1四半期連結会計期間において、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生手続開始の申立てに伴う当該売掛債権及びその他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額として引当処理した(以下、特殊要因という)ために、販売費及び一般管理費が大幅に増加し、営業損益以下の指標に影響が出ました。つきましては、短期的な取組みとしても、この一時的な特殊要因のリカバリーに努めてまいります。
当第2四半期連結累計期間における販売面は、従来の当社の屋台骨であった半導体製品分野及びディスプレイ分野が減少した一方で、システム製品分野及びバッテリ&電力機器分野が増加し、下表に記載のとおり、前年同四半期に対し販売構成比率に変化が見られました。具体的には、システム製品分野の大幅な増加に対して、メモリ市況の悪化継続の影響を受けた半導体製品分野と、ディスプレイ市況の悪化・主要取引先の民事再生の影響を受けたディスプレイ分野の両分野における汎用品のボリュームビジネスの減少の影響が大きく、売上高が減少しました。利益面は、前中期経営期間における「収益構造改革」の重要分野であり、比較的利益率の高いシステム製品分野が増加したものの、外貨販売比率が減少したことで、為替の円安効果が前年同四半期に対して弱くなり、売上総利益が減少しました。さらに、特殊要因によって販売費及び一般管理費が大幅に増加したため、営業損益は、当第2四半期連結累計期間において黒字に転換したものの大幅に減少しました。また、財政面におけるドル建資産と同負債のバランスの差異が小さくなったため、営業外損益における為替差損が大幅に減少しておりますが、引続き為替差損を計上していることと、ドル金利の高進による支払利息の増加、そして営業利益の減少によって、経常損失及び親会社株主に帰属する四半期純損失となりましました。
その結果、売上高は201億59百万円(前年同四半期比11.5%減)、営業利益は2億6百万円(前年同四半期比83.5%減)、経常損失は1億78百万円(前年同四半期は4億97百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億34百万円(前年同四半期は3億41百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
品目別売上高は、次のとおりであります。
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
品目別
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
(自 2023年4月1日
至 2023年9月30日)
増減率
(%)
金額(千円)
構成比(%)
金額(千円)
構成比(%)
半導体製品
17,013,421
74.7
12,803,030
63.5
△24.7
ディスプレイ
2,782,202
12.2
2,003,642
10.0
△28.0
システム製品
2,269,070
10.0
4,556,396
22.6
100.8
バッテリ&電力機器
533,961
2.3
712,983
3.5
33.5
その他
172,706
0.8
83,671
0.4
△51.6
合計
22,771,361
100.0
20,159,723
100.0
△11.5
(注)当連結グループの事業は、半導体製品等の電子部品や電子機器の販売という単一事業であるため、品目別の売上高を記載しております。
(半導体製品分野)
非メモリ商品ビジネスは堅調に推移しているものの、メモリ市況の悪化継続による汎用品ボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
(ディスプレイ分野)
主に個人消費に依存する製品向けのディスプレイ市況の悪化継続及び主要顧客の民事再生によって汎用品ボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
(システム製品分野)
検査用等の装置向けは堅調に推移したこと、前年度に一部部品の供給不足継続による生産調整の影響の反動によって、EMS(Electronics Manufacturing Service:製品の開発・生産を受託するサービス)が大幅に増加したこと、サーバ機器ビジネスの新規獲得等により、売上高は大幅に増加しました。
(バッテリ&電力機器分野)
主力の家庭用蓄電システム向けリチウムイオンバッテリビジネスが増加したため、売上高は増加しました。
(その他分野)
上表のとおり、売上高は減少しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当第2四半期連結累計期間は、半導体製品分野においてはメモリ、ディスプレイ分野においては液晶モジュール等の汎用品ボリュームビジネスが減少したため、売上高は186億51百万円(前年同四半期比11.9%減)、第1四半期連結会計期間における特殊要因によって販売費及び一般管理費が大幅に増加したため、セグメント利益は1億81百万円(前年同四半期比85.7%減)となりました。
(海外)
当第2四半期連結累計期間は、世界的なインフレによる需要減及び中国市場の停滞により、売上高は15億8百万円(前年同四半期比6.0%減)、セグメント損失は6百万円(前年同四半期は16百万円のセグメント利益)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産は190億36百万円(前連結会計年度末比12.9%増)、負債は123億55百万円(前連結会計年度末比24.6%増)、純資産は66億80百万円(前連結会計年度末比3.8%減)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
総資産は190億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億79百万円(12.9%)増加しました。主な要因は、現金及び預金が5億40百万円(12.9%)減少しましたが、商品が19億78百万円(37.6%)、受取手形、売掛金及び契約資産が9億18百万円(14.3%)増加したことによるものであります。
② 負債
負債は123億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億41百万円(24.6%)増加しました。主な要因は、買掛金が17億89百万円(75.7%)、有利子負債が9億95百万円(15.7%)増加したことによるものであります。
③ 純資産
純資産は66億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億61百万円(3.8%)減少しました。主な要因は、利益剰余金が3億98百万円(9.2%)減少したことによるものであります。
④ 経営指標
流動比率は、買掛金、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ25.6ポイント減少し156.6%となりました。自己資本比率は、買掛金、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ6.1ポイント減少し35.0%となりました。有利子負債対純資産比率は1.1倍となり、前連結会計年度末と比べ0.2ポイント増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは6億39百万円の資金の減少となりました。主な要因は、貸倒引当金の増加7億円、仕入債務の増加17億13百万円を計上しましたが、売上債権の増加8億7百万円、棚卸資産の増加19億32百万円、固定化営業債権の増加5億30百万円があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、65百万円の資金の減少となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出50百万円があったことによるものであります。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは7億4百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億49百万円の資金の減少となりました。主な要因は、短期借入金の純増額4億6百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出2億90百万円、配当金の支払額2億62百万円があったことによるものであります。
さらに、現金及び現金同等物に係る換算差額3億14百万円を計上した結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は36億32百万円となりました。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発費の総額は、0百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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