【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかに回復しております。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果により緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、資材価格の高騰、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループの市場環境は引き続き競争激化の状況にありますが、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据え、コア領域における高収益事業の拡大及びサービスビジネスの成長や新事業・新ビジネスモデルの創出を図っております。
具体的には、クラウドサービス&サポートセグメントでは、MSPサービスの拡大及びクラウド型サービス等の新たな市場開拓や保守サービスの拡大を図っております。
システムセグメントでは、主要商品である商品監視システム、CCTVや入退室管理システムの付加価値強化、クラウド型無線LANやクラウドセキュリティ商品の販売強化、RFIDシステム、省人化システムなどのリテールソリューションの拡大を図っております。
他方、デバイスセグメントでは、エレクトロニクス事業においては主に通信インフラ市場・通信機器市場、IoTを主とした産業機器市場、アミューズメント市場への拡販及びソリューションビジネスの拡大、またメカトロニクス事業では、半導体製造装置等の産業機器市場や通信機器市場、アミューズメント市場、北米、ASEAN諸国、中国への住宅設備向け機構部品の販売、国内外における自動車内装部品市場の開拓やユニット商品の開発などに注力しております。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は、エレクトロニクス商品類で受注残の取り込みが進み、産業機器向け電子部品の販売が好調に推移したこと等により、前年同期比22.2%増の60億80百万円となりました。
損益につきましては、営業利益は上記理由により、前年同期比52.3%増の3億14百万円、経常利益は前年同期比33.1%増の5億74百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比24.0%増の3億93百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(クラウドサービス&サポートセグメント)
クラウドサービス&サポートセグメントは、売上高は前年同期比6.9%増の5億40百万円、営業利益は前年同期比26.6%減の79百万円となりました。これは、MSPサービスは契約数が順調に積み上がり好調に推移したものの、円安によるメーリングシステム保守部品の仕入れコスト増加が営業利益に影響したことによるものです。
(※MSPサービス:クラウド製品の保守運用・稼働監視をサブスクリプション型で行う当社独自のサービス)
(システムセグメント)
システムセグメントの売上高は、前年同期比1.0%減の20億25百万円、営業利益は前年同期と比較して56百万円減少し、マイナス1億3百万円となりました。
リテールソリューション商品類は、GMS向けの顔認証システムや、家電量販店向けの商品監視システム等が好調に推移し、売上高は前年同期比9.0%増の8億24百万円となりました。
ビジネスソリューション商品類は、メーリングシステムの販売が部品不足による機器調達遅延の影響から、第2四半期以降にスライドしたことにより、売上高は前年同期比18.3%減の4億75百万円となりました。
グローバル商品類は、防火システムがタイの発電所建設計画の遅延の影響を受けて減速したものの、タイのアパレル店舗向けのセキュリティシステムが好調に推移したことや、海外子会社の円換算収益がプラスに影響し、売上高は前年同期比2.7%増の7億25百万円となりました。
(デバイスセグメント)
デバイスセグメントの売上高は、前年同期比45.0%増の35億14百万円、営業利益は前年同期比132.6%増の3億38百万円となりました。
エレクトロニクス商品類では、前期末の受注残の取り込みが進み、産業機器向け等の電子部品の販売が好調に推移しました。加えて、2021年に代理店契約を締結したNTCJ社製品の販売が好調に推移したことや、商材拡充によってアミューズメント向けに新規採用が増加したことにより、売上高は前年同期比72.2%増の24億73百万円となりました。
(※NTCJ:ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社)
メカトロニクス商品類では、新商材「スパイラルシャフト」等の直動製品がスマート遊技機に採用されたことによりアミューズメント向けの販売が好調に推移し、売上高は前年同期比5.4%増の10億41百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ4億32百万円減少し、217億円となりました。これは現金及び預金が6億85百万円増加した一方で、売掛金が8億78百万円、商品及び製品が3億11百万円減少したことなどによるものです。
他方、負債は、前連結会計年度末と比べ92百万円減少し、56億8百万円となりました。これは繰延税金負債が64百万円増加した一方で、賞与引当金が1億77百万円減少したことなどによるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ3億40百万円減少し、160億91百万円となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から0.1ポイント下降し、74.1%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、11百万円(売上高比0.2%)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの事業運営は、特定の分野や顧客、サプライヤーに依存しているのが実情です。従って、そうした特定の分野や顧客の市況・業況や、サプライヤーとのパートナーシップ如何によっては、当社の業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第1四半期連結累計期間における資金状況は、当第1四半期連結会計期間末の現金及び預金が、前連結会計年度末と比べ6億85百万円増加し、51億94百万円となりました。
これは、売掛金が8億78百万円、商品及び製品が3億11百万円減少し、四半期純利益が3億93百万円となった一方で、配当金の支払いが9億94百万円あったことなどによるものです。商品及び製品の増加や配当金の支払いなどによる運転資金の需要増については手元流動資金(現預金)で賄っております。
商社活動の中では、一時的にまとまった運転資金が必要となる場合がありますが、現在の資金残高は、当面の事業活動を考慮しても、流動性が確保できております。