【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着き、行動制限が緩和されたことから、緩やかに持ち直しております。先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果により、景気の持ち直しが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、資材価格の高騰、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループの市場環境は引き続き競争激化の状況にありますが、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据え、コア領域における高収益事業の拡大及びサービスビジネスの成長や新事業・新ビジネスモデルの創出を図っております。
具体的には、クラウドサービス&サポートセグメントでは、MSPサービスの拡大及びクラウド型サービス等の新たな市場開拓や保守サービスの拡大を図っております。
システムセグメントでは、主要商品である商品監視システム、CCTVや入退室管理システムの付加価値強化、クラウド型無線LANやクラウドセキュリティ商品の販売強化、RFIDシステム、省人化システムなどのリテールソリューションの拡大を図っております。
他方、デバイスセグメントでは、エレクトロニクス事業においては主に通信インフラ市場、IoTを主とした産業機器市場、アミューズメント市場やオートモティブ市場への拡販及びソリューションビジネスの拡大、またメカトロニクス事業では、引き続き成長が見込まれる半導体製造装置等の産業機器市場、北米、ASEAN諸国、中国への住宅設備向け機構部品の販売、国内外における自動車内装部品市場の開拓やユニット商品の開発などに注力しております。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は、半導体製造装置向け、及び家庭用プリンタ向け電子部品などのエレクトロニクス商品類や、タイの防火システム事業などのグローバル商品類が好調に推移し、前年同期比14.5%増の169億34百万円となりました。
損益につきましては、営業利益は上記理由により前年同期比49.5%増の9億30百万円、経常利益は外貨建て取引の為替差益を計上したことなどから前年同期比57.3%増の11億73百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比56.0%増の8億23百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、従来「システムセグメント」に分類していた「サービス&サポート商品類」を「クラウドサービス&サポートセグメント」として切り分けています。これは、「成長性」と「収益性」の観点から、クラウド型のサブスクリプション型サービスビジネス、保守事業を『成長事業』として位置づけたことによるものです。
また、「システムセグメント」のうち、「オフィスソリューション商品類」はオフィスにとどまることなく、データセンターや物流市場等の幅広い市場に向けて展開していくため「ビジネスソリューション商品類」へ、「デバイスセグメント」のうち、「電子商品類」は従来の単品販売から付加価値の高い技術力を持ったエレクトロニクス商品全般に注力するため「エレクトロニクス商品類」へ、「デバイスセグメント」のうち、「産機商品類」は機械と電子を融合したユニット商品開発に幅を拡げるため「メカトロニクス商品類」へそれぞれ名称を変更しております。いずれも内容については変更ありません。
(クラウドサービス&サポートセグメント)
クラウドサービス&サポートセグメントの売上高は、MSPサービスが好調に推移し、前年同期比8.8%増の16億43百万円、営業利益は前年同期比9.9%増の3億44百万円となりました。
(※MSPサービス:クラウド製品の保守運用・稼働監視をサブスクリプション型で行う当社独自のサービス)
(システムセグメント)
システムセグメントの売上高は、前年同期比0.5%減の68億15百万円、営業利益は前年同期から4百万円増益となったものの、マイナス40百万円となりました。
リテールソリューション商品類は、前年好調だったCCTVや顔認証システムといった大型案件の反動減に加え、小売業のセキュリティ投資が延伸したことにより案件が後ろ倒しとなり、売上高は前年同期比19.7%減の23億83百万円となりました。
ビジネスソリューション商品類は、外資系企業のオフィス向け入退室管理システムの販売が好調に推移し、売上高は前年同期比11.9%増の22億36百万円となりました。
グローバル商品類は、タイの防火システム事業が堅調で、売上高は前年同期比16.4%増の21億95百万円となりました。
(デバイスセグメント)
デバイスセグメントの売上高は、前年同期比32.0%増の84億75百万円、営業利益は前年同期比77.1%増の6億25百万円となりました。
エレクトロニクス商品類では、5G基地局向けや半導体製造装置向け、テレワーク需要増加による家庭用プリンタなどの電子部品の販売が好調に推移したことに加え、前期に代理店契約を締結したNTCJ社製品の販売が好調に立ち上がり、売上高は前年同期比60.3%増の51億79百万円となりました。
(※NTCJ:ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社)
メカトロニクス商品類では、海外複写機向けスライドレール、新紙幣改刷の特需による銀行端末向け機構部品の販売が好調だったことなどにより、売上高は前年同期比3.3%増の32億95百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ2億79百万円増加し、208億73百万円となりました。これは現金及び預金が21億10百万円、契約資産が2億52百万円減少した一方で、商品及び製品が14億3百万円、投資有価証券が4億18百万円、売掛金が3億48百万円、受取手形が1億94百万円、前払費用が1億80百万円増加したことなどによるものです。
他方、負債は、前連結会計年度末と比べ3億13百万円減少し、52億54百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が2億86百万円減少したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比べ5億93百万円増加し、156億18百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益8億23百万円、配当金の支払6億3百万円などにより、利益剰余金が2億20百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が1億96百万円、為替換算調整勘定が1億61百万円増加したことなどによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末から1.9ポイント上昇し、74.8%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、37百万円(売上高比0.2%)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの事業運営は、特定の分野や顧客、サプライヤーに依存しているのが実情です。従って、そうした特定の分野や顧客の市況・業況や、サプライヤーとのパートナーシップ如何によっては、当社の業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第3四半期連結累計期間における資金状況は、当第3四半期連結会計期間末の現金及び預金が、前連結会計年度末と比べ21億10百万円減少し、45億98百万円となりました。これは商品及び製品が14億3百万円、売掛金が3億48百万円、受取手形が1億94百万円、前払費用が1億80百万円増加したことなどが主な要因であります。運転資金の需要増については手許流動資金(現預金)で賄っております。
商社活動の中では、一時的にまとまった運転資金が必要となる場合がありますが、現在の資金残高は、当面の事業活動を考慮しても、流動性が確保できております。