【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討結果は、次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況① 定性的成果当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症と社会経済活動の両立(ウィズコロナ)が浸透する中、内需の回復、及び日本政府による水際対策の緩和や円安の影響などによるインバウンド消費の回復もあり、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しの動きがみられました。情報サービス産業においては、引き続き企業のIT投資意欲は高く、基幹システムのモダナイゼーションや成長分野への対応、気候変動への対応などを背景とした顧客のDX関連への投資需要の増加がみられました。このような状況下、当社グループでは、企業理念であるMission(使命)「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する。」を目指す姿とした、中期経営計画(2021年4月から2024年3月までの3か年)「Beyond the Horizons~その先の未来へ~」を掲げています。基本方針とする「Accelerate:これからの豊かさを創る」「Expand:今の豊かさを拡げる」「Upgrade:実現可能性を高める」を着実に実行し、2024年3月期の目標達成を目指すとともに、社会課題の解決に貢献してまいります。セグメントごとの具体的な取り組みは次のとおりであります。
a.エンタープライズ事業・昨今、短期間で変化するビジネス環境に合わせた迅速なITサービスの提供が求められており、機能追加や改修が適切なタイミングで実施できる柔軟なモダンアプリケーションの開発の仕組みが必要です。-APIの設計、開発、各種システムとの連携や運用管理を含めたシステム全体の構築支援-既存システムや連携先のシステムの環境調査、コネクタの設計や実装、動作確認などを実施し、検証や商用環境の構築支援 これらの設計・開発サービスの拡充を通じ、お客様のビジネス拡大やDXの推進に貢献していきます。 《Accelerate》
b.流通事業・社内外にある様々なデータを収集、分析し経営判断に利用するデータ活用基盤の構築支援サービス「D-Native」の提供を開始しました。「D-Native」は、データ活用に必要な「収集・整備」、「加工・分析・AI開発」、「蓄積・処理」、「運用・監視」というフェーズに対応したクラウドネイティブなサービスをパッケージ化、更にビジネス面の課題整理につながる機械学習やデータ分析のベストプラクティスをテンプレート化しております。「D-Native」を中心に据えた、データドリブン経営等をサポートし、お客様の DX に貢献していきます。また、アマゾン ウェブ サービス上でデータ活用プラットフォーム「D-Native on AWS」の提供を開始し、少額の投資で開始できるエントリーモデルとして製造業や流通分野など、様々なデータを用いて簡単にデータ活用を始めたいお客様のニーズにもお応えできるようになりました。《Accelerate》
c.情報通信事業・5Gネットワークによる低遅延の通信環境で、メタバース(仮想空間)での複数ユーザーによる共同開発を可能にする「Omniverse on MEC」の提供を開始しました。これは、株式会社NTTドコモとNTTコミュニケーションズ株式会社が連携して提供する低遅延・高セキュリティな通信ネットワークサービス「docomo MEC™」にメタバースの開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse™ Enterprise」を組み合わせたサービスです。ネットワークの高速化や端末性能の向上とともに、メタバース活用は、製造、物流、医療、スマートシティなど様々な分野に広がりをみせています。実用的なメタバース環境を効率的に構築するためには、複数のエンジニアによる共同作業が必要で、異なる場所からの効率的な共同作業を実現するため、遅延の少ない通信環境が求められています。これまでに導入した実績で培ったノウハウを基にメタバースを利用した業務改善の提案、システム構築、ユーザートレーニング、運用や保守までをトータルで支援していきます。《Accelerate》
d.広域・社会インフラ事業・環境省の職員が情報共有や行政事務などの業務で利用する環境省ネットワークシステムの更改業務を担いました。更改したシステムでは全職員のリモートワークが可能で、業務の効率化につながるITインフラを整備し、情報セキュリティについても強化しています。更改業務においては、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドのシステムを提供し、DR(ディザスタリカバリ)対策を含むシステムの設計・構築・移行から、保守・運用までを行っています。今後も、リモートワーク環境で安心して業務を行うためのサービスを拡充し、お客様の業務効率向上や新しい働き方の推進などの取り組みに貢献していきます。《Accelerate》
e.金融事業・アセットマネジメントOne株式会社に対し、業務変革につながる社内システムの設計をはじめ、ビジネスの効率化や強化・伸長をサポートするデータマネージメントプラットフォームの構築、DX人材育成サービスの提供などにより、同社のDX推進を支援しました。迅速かつセキュアに社内外のデータを利活用できる環境を整え、同社が掲げる、新たなビジネスモデルを創造するデータドリブン経営の実現を引き続き支援していきます。《Accelerate》
f.ITサービス事業・ハイブリッドクラウド支援サービス「OneCUVIC」のサービス拡充に向け、様々な取り組みを行っております。
クラウドネイティブ領域については、クラウドネイティブ化の技術支援サービスである「C-Native」の強化として、「コンテナ環境の自動構築」、「マルチクラウドに対応したシークレット管理」、「AIによるオブザーバビリティ(可観測性)」の3つの機能を追加しました。「C-Native」は、Red Hat社のコンテナ管理プラットフォーム「Red Hat OpenShift」を中心とするクラウドネイティブ化の技術支援サービスであり、国内で期待が高まるハイブリッドクラウドサービスの高度化・多様化に応えることを目的に機能を強化しました。
セキュリティ領域については、高度化・巧妙化するサイバー攻撃への対策として当社のサイバーセキュリティ運用サービス「CTC-MSS(Managed Security Service)」で提供するサービスを拡充しております。具体的には、お客様のエンドポイントに導入したサイバーリーズン合同会社のサイバー攻撃対策プラットフォーム「Cybereason EDR」を監視する「CTC-MDR(Managed Detection and Response)」、インターネット上のお客様に関わる脅威情報を監視する「脅威インテリジェンスモニタリングサービス」、セキュリティ・オペレーション・センター(SOC)のお客様自社での構築や運営を支援する「プライベートSOC構築支援サービス」などの提供を開始し、サービスを拡充しました。また、複数のクラウドで構成されるシステム環境に、閉域網やSD-WANなど目的や用途に応じ最適な接続環境と運用サービスを提供する「MSP for Open Hybrid Network」を開始し、CTC-MSSと組み合わせることで、より柔軟でセキュアなアクセスが可能となります。これらのサービスを通じ、お客様の安全なシステム運用とセキュリティ強化を実現します。
マネージドサービス領域では、ハイブリッドクラウド環境の全体最適化を支援するマネージドサービス「CTC-OHCC(Open Hybrid Control Center)」の提供を開始しました。CTC-OHCCは複雑化するハイブリッドクラウド環境の運用業務を全体的に最適化・効率化して、システムの安定稼働につなげるものです。
今後も複雑化するハイブリッドクラウド環境に対し、特定の製品やサービスに制限されずにオープンでシンプル、かつセキュアなDX基盤に変革する取り組みを、OneCUVICブランドのもと推進していきます。《Expand》
g.その他・ビジネスモデルの変革やサービスの高度化を目的とした、DXのリスタートを支援するアセスメントとプランニングのサービス「DX Pit-In」を開始しました。DX支援を専業とした株式会社プロジェクトカンパニーと共同で開発したサービスで、DX推進での課題の整理を通して、ITソリューション提供の知見に基づく実現可能性が高い事業戦略を提案します。「DX Pit-In」は、現在進めているDXの再検討やリスタートを行う企業に向けたアセスメントとプランニングのサービスです。4~6週間で、ヒアリングやインタビュー、レポーティング、提案などを実施します。DXを進めるビジネス分野に応じて、「DXへの取り組み」、「事業状況」、「ITシステム」の観点で、企業の優先すべき事業課題を特定し、実現可能な解決策を提案します。今後、両社は本サービスの提供を進め、戦略提案後の新規事業の開発やAI・IoT活用のためのプラットフォーム構築、データ分析などを含めた付加価値の向上につながる施策を支援することで、お客様のDXに貢献していきます。《Accelerate》
h.全社・企業競争力の源泉である社員の成長促進や優秀人材の獲得を目的に、等級制度や報酬制度、新卒社員の初任給などに関する人事制度を改定し、2023年4月から運用を開始しました。当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の一つとして「明日を支える人材の創出」を掲げており、多様性と人材育成を重視した人材マネジメントに取り組んでいます。また、2021~2023年度を計画期間とする中期経営計画「Beyond the Horizons ~その先の未来へ~」においても、基本方針の一つとして人材育成と経営基盤の強化について定めており、今後も人的資本経営を推進し企業価値の向上を目指します。 《Upgrade》
・CTCひなり株式会社は、障がい者雇用の促進及び雇用の安定に関する取り組みが優良な事業主として厚生労働省の「もにす認定」を取得しました。当社グループ神谷町オフィス内の「HINARI CAFE」の運営のほか、社内の事務代行サービスやAI分析のためのデータ準備業務、浜松市での農福連携事業なども実施し、障がいのある社員の職域の拡大や働きがいの創出に取り組んでいます。《Upgrade》
・2023年4月に徳島県神山町で開校した私立高等専門学校「神山まるごと高等専門学校(通称 神山まるごと高専)」の学費無償化を目的とした「スカラーシップパートナー」に参画し、奨学金基金へ10億円を拠出しました。スカラーシップパートナーでは、企業名を冠した奨学金を受け取る奨学生が各学年4名ずつ輩出されるほか、共同研究や新事業の創造の取り組みといった連携を通して学生をサポートしていきます。《Upgrade》
・「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する」という使命のもと、公平で透明性の高い、信頼できるAIシステムの提供を目的として、AIの利活用における企業姿勢をまとめた「AI倫理原則」を策定しました。CTCは社会環境の変化を踏まえ、社員一人ひとりが、高い倫理観をもって社内外の法令・規則・社会規範に則った活動を実施し、お客様のビジネスへの貢献、企業価値の向上及び持続可能な社会の実現に努めていきます。《Upgrade》
・地球温暖化対策への更なる貢献のため、2019年に策定した中長期の環境目標「2050 CTC環境宣言」を改定し、「2050 CTCグループ環境宣言」を策定しました。温室効果ガス(Greenhouse Gas、GHG)の排出量の削減について、対象の範囲を当社グループ全体とし、Scope1,2,3の範囲に応じて、短期目標として2030年度までにScope1,2を2021年度比で50%削減、Scope3を同22.5%削減、長期目標として2040年度までにScope1,2のネットゼロ、2050年度までにScope3のネットゼロと定めました。
また、パリ協定が求める水準と整合し、科学的に根拠ある目標設定を認定する「SBT(Science Based Targets)認定」の取得を目指し、認定機関の「SBTイニシアチブ」にコミットメントレターを提出しました。当社グループは、「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する。」という使命のもと、「気候変動対応への貢献」をマテリアリティ(重要課題)の一つに掲げており、地球温暖化対策への継続的な寄与を図っていきます。《Upgrade》
② 業績の状況当社グループの当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。
(金額単位は百万円。%表示は、対前期増減率。)
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
売上収益
479,879
522,356
570,934
△1.5%
8.9%
9.3%
売上総利益
121,466
134,678
139,077
2.9%
10.9%
3.3%
その他の収益及び費用
△77,841
△84,196
△92,604
△1.9%
△8.2%
△10.0%
営業利益
43,625
50,482
46,473
4.7%
15.7%
△7.9%
税引前利益
43,952
51,875
46,924
5.8%
18.0%
△9.5%
当社株主に帰属する当期純利益
30,486
35,373
34,208
7.2%
16.0%
△3.3%
(売上収益)当連結会計年度の売上収益は、製造、情報サービス、運輸、製薬、エンターテインメント、公共、自動車、社会インフラ、地方自治体、金融向けなど様々な分野で増加したことに加え、国内外事業会社の増収により、前連結会計年度と比べて48,578百万円(前期比9.3%)増加し、570,934百万円となりました。(売上総利益)当連結会計年度の売上総利益は、主に増収により、前連結会計年度と比べて4,399百万円(同3.3%)増加し、139,077百万円となりました。売上総利益率は、ビジネスモデル別では開発・SIの利益率が改善したものの、製品の利益率が低下したことなどにより、前連結会計年度の25.8%から1.4ポイント減少の24.4%となりました。(その他の収益及び費用)当連結会計年度のその他の収益及び費用は、人件費の増加や前連結会計年度におけるデータセンター資産の譲渡による一過性の売却益の反動などにより、前連結会計年度に比べて8,408百万円(同10.0%)悪化し、92,604百万円(損失)となりました。
(営業利益)営業利益は、前連結会計年度と比べて4,009百万円(同7.9%)減少し、46,473百万円となりました。また、売上収益営業利益率は前連結会計年度の9.7%から1.6ポイント減少の8.1%となりました。(税引前利益)当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度と比べて4,951百万円(同9.5%)減少し、46,924百万円となりました。(当社株主に帰属する当期純利益)法人所得税は、前連結会計年度に比べて4,254百万円減少し、13,155百万円となり、非支配持分に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて467百万円増加し、439百万円(損失)となりました。以上の結果、当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて1,164百万円(同3.3%)減少し、34,208百万円となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ セグメント別業績セグメント別の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しているため、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分方法に基づいております。
(金額単位は百万円。%表示は、対前期増減率。)
エンタープライズ
流通
情報通信
広域・社会インフラ
金融
ITサービス
その他
売上収益
128,530
64,874
194,254
104,181
49,961
129,721
61,551
19.9%
10.4%
△5.2%
16.7%
25.1%
5.8%
35.1%
税引前利益
9,483
6,034
11,280
9,211
5,348
13,757
△1,480
38.0%
54.7%
△41.3%
45.5%
62.6%
△24.0%
―
資産
63,220
25,725
120,782
38,702
18,131
71,578
53,195
12.5%
10.7%
1.6%
8.0%
46.7%
1.5%
8.5%
a. エンタープライズ事業顧客経営環境の改善やDXの進展によるデジタルシフト案件の増加により、売上収益は128,530百万円(前期比19.9%増)となりました。増収による売上総利益の増加などにより、税引前利益は9,483百万円(同38.0%増)となりました。セグメント資産は、営業債権及びその他の債権の増加などにより、63,220百万円(同12.5%増)となりました。
b. 流通事業流通向け開発やエンターテインメント向けインフラなどが増加し、売上収益は64,874百万円(同10.4%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前利益は6,034百万円(同54.7%増)となりました。セグメント資産は、営業債権及びその他の債権の増加などにより、25,725百万円(同10.7%増)となりました。
c. 情報通信事業通信事業者向けインフラなどが減少し、売上収益は194,254百万円(同5.2%減)となりました。減収に加え売上総利益率の低下などにより、税引前利益は11,280百万円(同41.3%減)となりました。セグメント資産は、棚卸資産の増加などにより、120,782百万円(同1.6%増)となりました。
d. 広域・社会インフラ事業公益向けインフラなどが増加し、売上収益は104,181百万円(同16.7%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前利益は9,211百万円(同45.5%増)となりました。セグメント資産は、営業債権及びその他の債権の増加などにより、38,702百万円(同8.0%増)となりました。
e. 金融事業メガバンク、政府系金融機関、系統金融機関向けインフラ及びアプリケーション開発などの増加により、売上収益は49,961百万円(同25.1%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前利益は5,348百万円(同62.6%増)となりました。セグメント資産は、営業債権及びその他の債権の増加などにより、18,131百万円(同46.7%増)となりました。
f. ITサービス事業クラウド、セキュリティ関連ビジネスの増加により、売上収益は129,721百万円(同5.8%増)となりました。前連結会計年度におけるデータセンター資産の譲渡による一過性の売却益の反動などにより、税引前利益は13,757百万円(同24.0%減)となりました。セグメント資産は、その他の流動資産の増加などにより、71,578百万円(同1.5%増)となりました。
g. その他海外子会社における増収の影響などにより、売上収益は61,551百万円(同35.1%増)となりました。のれんの減損損失の認識などにより、税引前損失は1,480百万円(前期は2,995百万円の税引前損失)となりました。セグメント資産は、海外子会社における資産の増加などにより、53,195百万円(同8.5%増)となりました。
(注)上記セグメントの売上収益及び税引前利益は、セグメント間の内部売上収益等を含めて表示しております。
(2) 財政状態の状況(単位:百万円)
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
増減
資産
507,721
528,045
20,324
負債
219,237
222,446
3,209
資本
288,484
305,600
17,115
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて20,324百万円増加し、528,045百万円となりました。これは、主に神谷町オフィスの賃借に係る使用権資産の償却が進んだこと等により有形固定資産が4,737百万円、海外子会社ののれんの減損損失等によりのれんが2,854百万円減少したものの、受注及び売上収益の拡大を背景に営業債権及びその他の債権が7,303百万円、棚卸資産が12,247百万円、その他の流動資産が6,587百万円、それぞれ増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べて3,209百万円増加し、222,446百万円となりました。これは、主に長期金融負債が6,294百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が8,716百万円、その他の流動負債が3,047百万円増加したことによるものであります。資本は、前連結会計年度末に比べて17,115百万円増加し、305,600百万円となりました。これは、主に剰余金の配当による減少が21,322百万円あったものの、当期純利益による増加が33,769百万円、その他の包括利益による増加が4,542百万円あったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
36,061
31,791
投資活動によるキャッシュ・フロー
3,462
△5,881
財務活動によるキャッシュ・フロー
△27,413
△27,891
現金及び現金同等物の期末残高
94,078
92,530
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べて1,548百万円減少し、92,530百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は31,791百万円となりました。これは、税引前利益が46,924百万円、減価償却費及び償却費が15,637百万円となり、また、営業債務及びその他の債務が7,940百万円の増加となった一方、営業債権及びその他の債権が12,127百万円の増加、棚卸資産が12,038百万円の増加、法人所得税の支払額が16,280百万円となったことによるものであります。前連結会計年度において営業活動により得られた資金は36,061百万円でありました。前期との比較では、棚卸資産の増加による支出が増加し、営業債務及びその他の債務の増加による収入が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は5,881百万円となりました。これは、海外子会社における営業用資産の取得等のため有形固定資産の取得による支出が4,007百万円となったことに加え、主に神山まるごと高専への奨学金基金の拠出のため投資有価証券等の取得による支出が1,751百万円となったことによるものであります。前連結会計年度において投資活動により得られた資金は3,462百万円でありました。前期との比較では、データセンター資産の譲渡等による有形固定資産の売却による収入が減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は27,891百万円となりました。これは、セール・アンド・リースバックによる収入が5,908百万円となったものの、リース負債の返済による支出が12,393百万円となったことに加え、当社株主への配当金の支払額が20,920百万円となったことによるものであります。前連結会計年度において財務活動により使用した資金は27,413百万円でありました。前期との比較では、セール・アンド・リースバックによる収入が増加したことに加え、リース負債の返済による支出が減少したものの、当社株主への配当金の支払による支出が増加しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報① 当社グループにおける財務資本戦略の基本的な考え方当社グループは、中期経営計画(2021年4月から2024年3月までの3か年)における3つの基本方針(Accelerate、Expand、Upgrade)を着実に実行することで、顧客、社会に対する価値領域を拡大し、収益力と資本効率を向上させ、2024年3月期においては、「営業利益率9.3%」、「当社株主に帰属する当期純利益400億円」、「ROE13.0%」の達成を目指しております。この中期経営計画期間の事業活動で得た資金を、高い水準の株主資本比率や流動比率による強固な財務体質を背景に、重点分野への成長投資、安定的かつ業績に応じた株主還元、及び内部留保に総合的なバランスを勘案して適正配分することで、企業価値の最大化に繋げていくことを財務資本戦略の基本的な考え方としております。なお、当社グループの株主資本比率及び流動比率は次のとおりであります。
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
株主資本比率
55.1%
55.4%
56.6%
流動比率
204.7%
219.4%
221.3%
(注)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
a.成長投資について当社グループは、ITインフラやクラウドなどの当社グループの強みを発揮し、リカーリングビジネスの拡大を加速するために必要な事業用資産への投資、新たな地域やビジネス領域の拡張のために海外事業の買収、加えて技術と技を高め続ける多彩な人材の創出のために人的資本への投資を進め、ITサービスに対するニーズの高度化、多様化、かつ技術の急速な進歩による変化への対応を図ってまいりました。中期経営計画期間においては、従来から注力しているAI・IoT、アジャイルなど新たなアプリケーションの開発、次世代ネットワークに関する技術の獲得に加え、DXコンサル、デザインコンサルなどの高付加価値サービスの提供を加速させるため、先進技術の獲得や顧客基盤の強化等を目的とした事業開発に関連する新たな分野への投資やM&Aを進め、また、人的資本への投資も引き続き進めてまいります。これらの投資にあたっては、資本コストを意識し、将来の投資に対するリターンを注意深く見極めながら進めてまいります。また、M&Aにおいては、その投資効果を高めるための投資後の融合作業が重要であり、その点も考慮した慎重な判断を行ってまいります。
b.株主還元について当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題として認識し、安定的な配当に努めるとともに、業績に応じた利益還元を重視し、内部留保金とのバランスを考慮しながら、配当水準を高めることを基本方針としております。なお、連結配当性向は45%程度を目安としております。
② 流動性の確保当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末と比べて1,548百万円減少し、92,530百万円となりました。主な資金の内訳といたしましては、現金及び預金(預入期間が3か月を超える定期預金を除く)63,401百万円、預入期間が3か月以内の預け金29,129百万円となっております。当社グループでは、キャッシュマネジメントサービスを導入し、グループ会社間の資金を集中管理することにより、効率的かつ安定的な運用を行っております。また、資金運用に際しては、信用リスクが低く安全性の高い金融資産に限定して運用を行っております。
③ 資金需要の状況当社グループにおきましては、運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローに加えて、上述した内部資金を中心に賄っております。また、緊急の資金需要に際しては、金融機関等に対して当座貸越枠を確保することにより、流動性リスクに備えております。なお、当連結会計年度における設備投資額は10,535百万円(使用権資産を含む)であり、主な投資内容に関しましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。
(5) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
エンタープライズ事業
10,003
111.3
流通事業
4,737
96.8
情報通信事業
11,422
89.9
広域・社会インフラ事業
7,635
107.0
金融事業
6,877
117.4
ITサービス事業
1,614
123.9
その他
274
188.4
合計
42,563
103.7
(注)金額は外注費を除くシステム開発にかかる発生原価によっております。
② 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
エンタープライズ事業
33,268
108.1
流通事業
6,388
157.7
情報通信事業
73,673
110.6
広域・社会インフラ事業
25,634
124.0
金融事業
7,494
132.2
ITサービス事業
816
120.0
その他
42,136
145.8
合計
189,410
120.4
(注)金額は仕入価格によっております。
③ 受注状況当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
エンタープライズ事業
120,197
121.0
70,167
116.7
流通事業
65,802
108.9
37,635
105.7
情報通信事業
174,558
92.0
111,942
101.1
広域・社会インフラ事業
107,129
112.4
73,011
105.6
金融事業
76,271
196.7
55,449
191.6
ITサービス事業
12,025
104.9
5,153
105.9
その他
72,404
139.4
43,662
144.6
合計
628,387
114.9
397,019
116.9
(注)金額は販売価格によっております。
④ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
エンタープライズ事業
128,530
119.9
流通事業
64,874
110.4
情報通信事業
194,254
94.8
広域・社会インフラ事業
104,181
116.7
金融事業
49,961
125.1
ITサービス事業
129,721
105.8
報告セグメント計
671,521
107.9
その他
61,551
135.1
調整額
△162,138
111.2
合計
570,934
109.3
(注) 1.セグメント間の取引については、調整額において消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自
2021年4月1日至
2022年3月31日)
当連結会計年度(自
2022年4月1日至
2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
日本電信電話㈱及びそのグループ会社
73,225
14.0
79,871
14.0
KDDI㈱及びそのグループ会社
58,140
11.1
45,549
8.0
(6) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)
連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)
連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
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