【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に移行されたことに伴い、経済活動の正常化による個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかな回復を続けております。一方で、原燃料高騰や円安進行による物価の上昇など引き続き予断を許さない状況となっております。当社グループの主な事業領域である建設・建材業界では、公共投資の堅調な推移、首都圏の再開発や生産、物流関係などの民間投資の建設需要が増加傾向にあります。一方で、建設資材高騰や慢性的な施工員不足による建設延期や工期遅延が懸念され、動向を注視する必要があります。工業製品・エンジニアリング事業領域では、船舶、保温・築炉、環境・エネルギーの分野で省エネやカーボンニュートラルといった環境を見据えた設備投資計画が増加しております。このような環境の下、当社グループは、サステナブルな事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を目指し、新たな未来像を描いた長期経営構想「Vision2033」を策定しました。当社グループは、サステナビリティ課題への取り組みと成長戦略を相乗的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいります。当第2四半期連結累計期間の売上高は19,556百万円(前年同期比1.5%増収)、営業利益778百万円(前年同期比45.7%増益)、経常利益864百万円(前年同期比39.4%増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,634百万円(前年同期比393.8%増益)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
建設・建材事業材料販売につきましては、国内では主力商品である けい酸カルシウム板「ハイラックフネン」及び高付加価値商品である内装不燃化粧板は、工場・物流施設、商業施設、医療福祉施設等の非住宅市場の回復とともに出荷が堅調に推移いたしました。また、曲面施工が可能なオリジナル商品「エフジーボード」は、首都圏の再開発物件の稼働の活発化により出荷を伸ばしております。海外輸出につきましては、台湾向け けい酸カルシウム板が前期からの繰越物件を含め出荷が順調に推移したことに加え、中国市場においても「エフジーボード」の大口受注が継続しており、海外輸出全体で出荷が好調に推移いたしました。材料販売全体の売上高は5,384百万円(前年同期比13.7%増収)となりました。工事につきましては、東京・大阪を中心に再開発物件の稼働が継続しているほか、九州地区の半導体施設や中小物件の積極的な工事受注により堅調に推移いたしました。しかしながら、全国的に大型物件の工程遅延が散見されており、工事の完成時期がずれ込むなどの採算性の低下が懸念されます。また、仕入材料の高騰を踏まえ、継続して適正価格による工事受注ができるよう注力してまいります。工事全体の売上高は3,002百万円(前年同期比9.2%増収)となりました。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた建設・建材事業全体の売上高は8,387百万円(前年同期比12.1%増収)となりました。
工業製品・エンジニアリング事業材料販売につきましては、船舶関連では、自動車運搬船等の建造により防熱材や副資材の出荷が伸長しましたが、急速に進行したユーロ高により防熱材の仕入価格に影響を受けました。プラント関連では、電力会社でのメンテナンス計画の縮小や火力発電事業の予算削減の影響により低調に推移いたしました。環境・エネルギー関連では、新規顧客から海外新設プラント向けAPコネクターを受注したほか、国内ごみ焼却処理施設や大口メンテナンス需要を背景に、APコネクター受注拡大と周辺製品の拡販に取り組み、売上は好調に推移しております。また、保温・築炉関連では、大口工事が少なく厳しい中、高利益商材の拡販と利益率改善に努めました。一方で、世界的なアルミ需要急落の影響を受け、海外向けアルミ溶融設備向け断熱材「レセパルHS」の出荷が減少いたしました。自動車関連では、車載用半導体をはじめ自動車部品の供給制約が緩和されたことで自動車各社の生産活動は正常化しつつありますが、海外向けの受注は各社在庫調整による需要回復の遅れにより出荷は低迷いたしました。また、産業機械分野では、中国景気の減速やサプライチェーンの混乱などのマイナス要因はあったものの、工場自動化(FA)の流れが維持されており、工作機械需要が堅調に推移いたしました。材料販売全体の売上高は、4,055百万円(前年同期比3.7%増収)となりました。工事につきましては、前年度末より顧客からの引き合いは回復傾向にあり、中小物件を積極的に受注いたしましたが、プラント工事と物流施設外壁断熱パネル工事で大型工事の受注が減少し、前年同期より売上高は低調に推移いたしました。一方で、大型石綿除去工事が完工したことと京浜地区のメンテナンス現場の利益率が改善したことで利益確保に貢献いたしました。重点顧客に対する深耕営業や提案営業による他社との差別化を図り、更なるグループ各社の連携強化のうえ工事受注拡大に努めてまいります。工事販売全体の売上高は7,083百万円(前年同期比9.6%減収)となりました。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた工業製品・エンジニアリング事業全体の売上高は11,139百万円(前年同期比5.2%減収)となりました。
その他不動産賃貸収入につきましては、売上高は29百万円(前年同期比9.7%増収)となりました。
(当社グループの四半期業績の特性について)当社グループは不燃建材の製造、販売と共に建設・建材関連工事及び工業製品・エンジニアリング関連工事の設計、施工を主な事業としており、それら工事部門の売上高は全売上高のおおよそ5割を占めております。工事契約については一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には、原価回収基準により収益を認識しております。わが国では、事業年度を4月から翌3月までと定めている企業が多いため、工事の検収が年度の節目である第2四半期及び第4四半期に集中する傾向があり、なかでも工事期間の長い工業製品・エンジニアリング関連工事においては第4四半期への集中が顕著であります。このため、当社グループの業績には季節的変動があります。
(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ637百万円増加し38,817百万円となりました。この主な要因は、完成工事未収入金及び契約資産、土地が減少した一方で電子記録債権、商品及び製品が増加したこと等によるものです。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ882百万円減少し20,795百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等、支払手形及び買掛金が増加した一方で、短期借入金が減少したこと等によるものです。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,520百万円増加し18,021百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し、2,166百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、546百万円(前年同四半期は635百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産売却損益により資金が減少した一方で、税金等調整前四半期純利益により資金が増加したこと等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の増加は、1,437百万円(前年同四半期は215百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出により資金が減少した一方で、有形固定資産の売却による収入により資金が増加したこと等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、1,871百万円(前年同四半期は282百万円の増加)となりました。この主な要因は、短期借入金の純減により資金が減少したこと等によるものです。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、ウクライナ情勢等による原材料・エネルギーコストへの影響も含めて重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、216百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
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