【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、景気は緩やかに回復基調を維持したものの、ロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格の高騰や金融資本市場の変動など、景気の先行き不透明感は依然として高く、予断を許さない状況となっております。当社グループの主な事業領域である建設・建材業界では、首都圏の再開発案件や物流施設の建設増加などを背景に、国内の建設投資額は拡大傾向にあります。一方で、建設資材の高騰や人手不足により建設コストは大幅に上昇し、厳しい事業環境は続いております。工業製品・エンジニアリング事業領域では、環境・エネルギー事業の分野において大口案件が少なく需要が減少いたしましたが、船舶、プラント、保温・築炉の3事業の分野においては、需要は堅調に推移いたしました。このような事業環境の下、当社グループは2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画(2021年度~2023年度)」を策定し、「次への飛躍を目指し、あらゆる生産性を向上する」をグループスローガンに掲げ、コロナ禍前の利益水準への早期回復に取り組んでおります。また、最終年度となる2023年度には売上高43,000百万円、営業利益3,000百万円の達成を目指しております。当第2四半期連結累計期間の売上高は19,258百万円(前年同期比14.2%増収)、営業利益534百万円(前年同期比35.8%増益)、経常利益619百万円(前年同期比46.2%増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益330百万円(前年同期比699.2%増益)となりました。大幅な増収の主な要因は、仕掛工事物件の増加(前年同期比50.7%増加)によるものとなります。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
建設・建材事業材料販売につきましては、原材料・燃料価格の高騰に対し、生産性の向上及び経費節減などに取り組む一方、昨年12月より進めた商品価格の値上げが浸透し、概ね前期並みの利益を確保いたしましたが、直近では急激な円安により原材料・燃料価格は更に高騰しており、もう一段階の商品価格の値上げに取り組むべく検討しております。国内では主力商品である けい酸カルシウム板「ハイラックフネン」は、コロナウイルス感染症の再拡大による景気回復の遅れや工期遅延等により出荷が減少いたしましたが、高付加価値商品である内装不燃化粧板及び曲面施工が可能なオリジナル商品「エフジ―ボード」は、病院、製薬会社などの医療関係施設や学校、給食センター等の教育施設への出荷が堅調に推移し、けい酸カルシウム板の出荷の減少を補完いたしました。また、テープのみで施工可能な新工法「ステンドSpeed工法」は着実に市場に定着し、販売数量を押し上げる効果となっており、市場のニーズに応えるべく新商品・新工法の研究開発に取り組んでおります。材料販売全体の売上高は4,734百万円(前年同期比7.5%減収)となりました。工事につきましては、耐火被覆工事では前工程の遅れ等による工程の遅延が懸念されるものの、首都圏の大型再開発物件の稼働が続いており、需要は堅調に推移いたしました。工事全体の売上高は仕掛工事物件の収益認識も含め2,748百万円(前年同期比17.0%増収)となりました。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた建設・建材事業全体の売上高は7,483百万円(前年同期比0.2%増収)となりました。
工業製品・エンジニアリング事業材料販売につきましては、国内では、原材料の価格高騰や供給制約、また、足元で急速に進行する円安等により今後設備投資動向への影響が懸念されます。また、海外では、世界情勢で経済活動が短期で変転する等、不透明感が強く予断を許さない状況にありますが、より一層の製品開発に取り組み、当社独自の特長のある製品群を構成してまいります。環境・エネルギー関連では、ごみ焼却処理施設の大口案件が少なく減収減益となりましたが、主力製品である「APコネクター」の総合的な利益率改善の効果も出始めていることから、プラントメーカーや現場への営業強化による受注拡大に加え、他の環境製品の開発も含め多角的な取組みを継続してまいります。船舶関連では、国内各造船所の新造船受注が低水準に留まり、更には各種資材や輸送費の高騰で厳しい事業環境が続いておりますが、販売品目の多様化及び4月に実施した価格改定が浸透したことで増収増益となりました。プラント関連は、電力会社のメンテナンス計画の延期・変更の影響を受けましたが、その他の補修工事案件を精力的に受注し、増収増益となりました。保温・築炉関連は、海外のアルミ業界の好況を背景にアルミ溶融設備向け断熱材「レセパルHS」の販売が大きく伸長しました。また、国内では複数の大型保温工事案件向け販売が増加した結果、大幅な増収増益となりました。材料販売全体の売上高は、3,912百万円(前年同期比13.0%増収)となりました。工事につきましては、プラント建設工事、石綿除去工事、物流施設外壁断熱パネル工事等の複数の大型物件が完工し、増収増益となりましたが、コロナウイルス感染症の再拡大により、工事の縮小や延期、工期短縮による外注費の増加等の影響が出始めており、更なる利益率改善及び利益確保のため工事管理を徹底してまいります。工事全体の売上高は、仕掛工事物件の収益認識も含め7,835百万円(前年同期比32.7%増収)となりました。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた工業製品・エンジニアリング事業全体の売上高は11,748百万円(前年同期比25.5%増収)となりました。
その他不動産賃貸収入につきましては、売上高は27百万円(前年同期比3.7%増収)となりました。
(当社グループの四半期業績の特性について)当社グループは不燃建材の製造、販売と共に建設・建材関連工事及び工業製品・エンジニアリング関連工事の設計、施工を主な事業としており、それら工事部門の売上高は全売上高のおおよそ5割を占めております。工事契約については一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には、原価回収基準により収益を認識しております。わが国では、事業年度を4月から翌3月までと定めている企業が多いため、工事の検収が年度の節目である第2四半期及び第4四半期に集中する傾向があり、なかでも工事期間の長い工業製品・エンジニアリング関連工事においては第4四半期への集中が顕著であります。このため、当社グループの業績には季節的変動があります。
(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ811百万円増加し37,042百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が減少した一方で完成工事未収入金及び契約資産、商品及び製品が増加したこと等によるものです。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ609百万円増加し21,164百万円となりました。この主な要因は、退職給付に係る負債が減少した一方で支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したこと等によるものです。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ201百万円増加し15,877百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ559百万円減少し、1,764百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の減少は、635百万円(前年同四半期は904百万円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前四半期純利益により資金が増加した一方で売上債権の増加、損害賠償金の支払額により資金が減少したこと等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、215百万円(前年同四半期は837百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出により資金が減少したこと等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の増加は、282百万円(前年同四半期は442百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払額により資金が減少した一方で短期借入金の純増額により資金が増加したこと等によるものです。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、ウクライナ情勢等による原材料・エネルギーコストへの影響や新型コロナウイルス感染症等の影響も含めて重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、209百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
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