【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績当第2四半期連結累計期間における経済情勢は、コロナ禍での行動規制緩和に伴う経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、ウクライナ情勢の長期化や資源・エネルギー価格の高騰による物価上昇、主要国での金融引締めの長期化に伴う景気減速が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中国シフトが進む液晶ディスプレイ関連の需要拡大に応じた生産・供給体制の強化・合理化を推進するとともに、自動車や情報・電子デバイスなど成長分野での新たなニーズ獲得に注力し、安定収益基盤の拡大と収益性の向上を図っております。また、環境変化に強い事業構造への転換に向けて、バイオマス材料・製品や革新的生産プロセスの開発、新規事業開発体制の強化などに取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、スマートフォンなど情報・電子分野の需要低迷が続いておりますが、液晶ディスプレイ関連分野での生産調整が一巡し、需要の回復が進んだことにより、売上高は前年同期並みの192億54百万円(前年同期比1.0%減)となりました。利益面では、液晶ディスプレイ関連用途の粘着剤の増産効果やコスト削減、採算是正の効果などにより、営業利益は16億70百万円(前年同期比53.7%増)となり、経常利益は17億77百万円(前年同期比22.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億74百万円(前年同期比27.3%増)となりました。セグメントの状況は、以下のとおりです。
<ケミカルズ>ケミカルズの売上高は180億11百万円(前年同期比0.1%増)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。粘着剤製品は、液晶ディスプレイ関連分野での需要回復を受けて、中国市場を中心に販売数量が増加したことなどにより、売上高は131億79百万円(前年同期比15.9%増)となりました。微粉体製品は、中国市場での需要低迷が続く光拡散用途の販売数量が減少したことなどにより、売上高は11億67百万円(前年同期比19.0%減)となりました。特殊機能材製品は、中国市場でのスマートフォン市況低迷の影響を受けて電子材料用途の販売数量が減少したことなどにより、売上高は11億19百万円(前年同期比32.4%減)となりました。加工製品は、中国市場でのスマートフォン市況低迷に伴う価格競争の激化や電子表示用途での在庫調整の影響を受けて機能性粘着テープの販売が減少したことなどにより、売上高は25億44百万円(前年同期比27.6%減)となりました。<装置システム>装置システムについては、設備関連の一部案件の工期変更や熱媒体油の受注が低調であったことなどにより、売上高は12億43百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
② 財政状態当第2四半期連結会計期間末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて16億69百万円増加し、489億44百万円となりました。流動資産は、現金及び預金、棚卸資産が減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券が増加したことなどにより、前期末に比べ10億67百万円増加し、283億55百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期末に比べ6億1百万円増加し、205億88百万円となりました。一方、負債については賞与引当金が減少したものの、支払手形及び買掛金、電子記録債務、契約負債等のその他流動負債が増加したことなどにより、前期末に比べ3億38百万円増加し、176億36百万円となりました。当期末における純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前期末に比べ13億30百万円増加し、313億8百万円となりました。この結果、自己資本比率は前期末63.4%から0.6ポイント増加し64.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べ10億23百万円増加し、110億36百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、29億65百万円(前年同期は1億18百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益17億62百万円、減価償却費10億82百万円に伴う増加などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、13億27百万円(前年同期は17億17百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得12億25百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、8億18百万円(前年同期は1億91百万円の減少)となりました。これは、主に配当金の支払額7億円によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6億89百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備①
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画中であった主要な設備の新設について完了したものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資額
完了年月
綜研高新材料(南京)有限公司
中国江蘇省南京市
ケミカルズ
粘着剤生産設備
187百万元
2023年4月
②
当四半期報告書提出日現在における主要な設備の新設の計画は次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
着手年月
完了予定年月
総額
既支払額
綜研高新材料(南京)有限公司
中国江蘇省南京市
ケミカルズ
粘着剤生産設備
83百万元
59百万元
2021年9月
2024年4月