【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績当第2四半期連結累計期間における経済情勢は、行動制限緩和によるコロナ禍からの持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の悪化・長期化や中国での新型コロナウイルス感染症対策の継続などに伴う、資源価格をはじめとする世界的な物価上昇の深刻化にくわえ、海外主要国での金融引き締めによる景気減速が懸念されるなど、先行き不透明かつ厳しい状況にありました。このような状況のもと、当社グループは、原材料価格上昇に応じた適切な価格転嫁やコスト削減施策による収益性の改善に注力するとともに、液晶ディスプレイ分野をはじめとする既存事業領域における収益基盤の維持・拡大を図っております。また、持続的成長と企業価値向上を果たすために、自動車、情報・電子など成長分野での新たな事業機会の創出による成長基盤の構築、医療ヘルスケア・環境・エネルギー分野での研究機関やスタートアップ企業との連携による社会課題解決を志向した新規事業開発体制の確立に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、第2四半期における液晶ディスプレイ関連分野での急激な生産調整の影響を受けてケミカルズの販売が落ち込みましたが、価格改定の効果や円安に伴う中国子会社売上高の為替換算額の増加などにより、売上高は194億54百万円(前年同期比9.6%増)となりました。利益面では、原材料価格が高騰するなかで価格転嫁のタイムラグが継続したことや、第2四半期における顧客の生産調整に伴う工場稼働率の低下などにより、営業利益は10億87百万円(前年同期比18.7%減)となり、経常利益は為替差益の計上などにより14億52百万円(前年同期比2.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億80百万円(前年同期比8.4%減)となりました。セグメントの状況は、以下のとおりです。<ケミカルズ>ケミカルズについては、売上高は179億87百万円(前年同期比15.0%増)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。粘着剤関連製品は、液晶ディスプレイ関連用途向けの販売数量が生産調整の影響を受けて減少に転じましたが、価格改定の効果などにより、売上高は113億72百万円(前年同期比13.6%増)となりました。微粉体製品は、中国市場での光拡散用途向けの在庫調整が長期化するなかで販売数量が減少し、売上高は14億42百万円(前年同期比4.0%減)となりました。特殊機能材製品は、中国市場での電子材料用途向けの販売数量が減少したものの、円安に伴う為替換算額の増加により、売上高は16億57百万円(前年同期比3.9%増)となりました。加工製品は、中国市場を中心に機能性粘着テープの販売が自動車内装部材や情報電子機器用途向けで増加したことなどにより、売上高は35億14百万円(前年同期比39.0%増)となりました。<装置システム>装置システムについては、国内設備投資が回復傾向にあるなか、受注高及び受注残高は伸びているものの、設備関連の工事完成高が前年同期に比べ減少し、売上高は14億66百万円(前年同期比30.2%減)となりました。
② 財政状態当第2四半期連結会計期間末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて8億87百万円増加し、464億70百万円となりました。流動資産は、棚卸資産が増加したものの、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券が減少したことなどにより、前期末に比べ8億12百万円減少し、270億61百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期末に比べ16億99百万円増加し、194億8百万円となりました。一方、負債については長期借入金が増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより、前期末に比べ11億38百万円減少し、160億95百万円となりました。当期末における純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前期末に比べ20億25百万円増加し、303億74百万円となりました。この結果、自己資本比率は前期末62.2%から3.2ポイント増加し65.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べ13億41百万円減少し、98億62百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、1億18百万円(前年同期は17億7百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益13億71百万円、減価償却費9億22百万円、売上債権及び契約資産の減少9億13百万円などによる増加と、仕入債務の減少18億53百万円、たな卸資産の増加5億13百万円、法人税等の支払額4億9百万円などに伴う減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、17億17百万円(前年同期は16億20百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得17億94百万円などによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、1億91百万円(前年同期は4億8百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入金の借入れ4億52百万円による増加と、配当金の支払額6億18百万円などに伴う減少によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6億81百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備当四半期報告書提出日現在における主要な設備の新設の計画は次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
着手年月
完了予定年月
総額
既支払額
綜研高新材料(南京)有限公司
中国江蘇省南京市
ケミカルズ
粘着剤生産設備
187百万元
143百万元
2018年11月
2022年12月
綜研高新材料(南京)有限公司
中国江蘇省南京市
ケミカルズ
粘着剤生産設備
64百万元
24百万元
2021年9月
2023年12月