【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたサービス消費の復調を中心に緩やかに回復しました。一方、電力などエネルギー価格の高騰に加え、海外経済の減速や半導体市場の低迷などによる経済活動への影響が懸念され、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
こうした経済環境の中、当社グループにおいては、引続き販売価格の改善に取り組んだ一方、厳しい需要環境が続き売上数量が減少しました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高97億3千2百万円(前年同期比13.6%減)、営業損失1億2千8百万円(前年同期は2億7千6百万円の営業利益)、経常損失1億9百万円(前年同期は3億4百万円の経常利益)となりました。また、高周波精密株式会社の土地売却益を見込んだ繰延税金資産の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億8千6百万円(前年同期比174.8%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当社連結子会社である高周波精密株式会社の事業再構築に伴い、従来の「金型・工具セグメント」を「特殊鋼セグメント」に集約して、前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間のセグメント情報を比較しております。
[特殊鋼]
販売価格の改善を行ったものの、工具鋼、特殊合金、軸受鋼等の売上数量が減少し、売上高は72億6千4百万円(前年同期比15.6%減)となりました。損益面では販売価格の改善の一方、エネルギー・原材料コストの上昇や売上数量の減少等により、1億4千4百万円の営業損失(前年同期は2億8千2百万円の営業利益)となりました。
[鋳鉄]
販売価格の改善を行ったものの、建設機械向け、産業機械向けの売上数量が減少し、売上高は24億6千8百万円(前年同期比7.1%減)となりました。損益面では、売上数量の減少やエネルギー価格上昇の影響があるものの、主に販売価格の改善により、営業利益は1千5百万円(前年同期は6百万円の営業損失)となりました。
② 財政状態の状況
当第1四半期連結累計期間末の総資産は、売上債権が減少したものの、高周波精密株式会社の土地売却益を見込んだ繰延税金資産の計上により、前連結会計年度末に6億7千9百万円増加し、426億7千8百万円となりました。
負債合計は、借入金が増加したものの仕入債務や退職給付債務等の減少により、前連結会計年度末に比べ9千2百万円減少し、267億7千万円となりました。
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べ7億7千1百万円増加し、159億8百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結会計期間の繰延税金資産の計上に際しては、当社の連結子会社である高周波精密株式会社が保有する土地の売却益が計上できるものとして将来課税所得の見積りを行っております。なお、当該土地の売却の詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、29百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。