【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響があったものの、徐々に経済活動の制限が緩和され、景気は持ち直しの兆しが見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安による原燃料の市況上昇、部品調達難による生産活動の停滞などが継続しました。
こうした経済環境の中、当社グループにおいては原燃料価格の市況上昇に対して販売価格の改善やコストダウンに取り組みました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高339億8千8百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益10億2百万円(前年同期比167.2%増)、経常利益10億2千4百万円(前年同期比148.3%増)となりました。一方、子会社である高周波精密㈱の事業整理損を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は3千6百万円(前年同期比72.0%減)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
[特殊鋼]
工具鋼、特殊合金、軸受鋼等の売上数量が減少したものの販売価格の改善等により、売上高は247億6千万円(前年同期比9.1%増)となりました。損益面では、原燃料等の市況上昇の影響があるものの、販売価格の改善、コストダウン、在庫影響等から営業利益は10億5千7百万円(前年同期比159.5%増)となりました。
[鋳鉄]
トラック等商用車向け売上数量が減少したものの販売価格の改善等により、売上高は82億2百万円(前年同期比16.8%増)となりました。損益面では、原燃料等の市況上昇の影響や固定費増加等があるものの、販売価格の改善等により、営業利益は39百万円(前年同期は3千5百万円の営業損失)となりました。
[金型・工具]
自動車向け金型の売上高が減少し、売上高は10億2千5百万円(前年同期比9.5%減)となりました。損益面でも、売上高の減少により、94百万円の営業損失(前年同期は3百万円の営業利益)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ31億7千万円増加し、425億5百万円となりました。
負債合計は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ31億2千万円増加し、271億9千6百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により前連結会計年度末に比べ5千万円増加し、153億9百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、123百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。