【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)における経済環境は、国内においては新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限が撤廃され、外国人観光客や行動制限のないイベントの増加等もみられ、社会経済活動は概ねコロナ以前に回復しました。反面、国内外において、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰による物価の高止まりや世界的な金融引き締めに伴う為替変動等が、各国の景気に影響を及ぼし消費活動が停滞する等、先行き不透明な状況が継続しております。このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では訪日客の増加や消費者の購買マインドの回復により市場が活性化しつつあり、また海外では、緩やかではあるものの、停滞感が強かった先進国の主要マーケットの需要増加の気配や新興国の伸長等もあり、全体的に市場は回復基調となりました。加えてグループパーパス「人と創造力をつなぐ。」の理念に基づく市場ニーズを捉えた高付加価値商品である「フリクションボールノックゾーン」等の次世代の製品群も好評をいただいております。また本年3月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言」に賛同し、気候変動関連リスクと機会に関する開示を充実させ、サステナブルな社会の実現への取組みも着実に進めております。(参考URL 当社気候変動対応 https://www.pilot.co.jp/company/ir/csr/environment/climate.html)
この結果、当期間の連結売上高は614億2百万円(前年同期比106.8%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は133億82百万円(前年同期比106.4%)、海外市場における連結売上高は480億20百万円(前年同期比106.9%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は562億71百万円(前年同期比107.3%)、非筆記具事業における連結売上高は51億30百万円(前年同期比102.0%)となりました。また、損益につきましては連結営業利益が120億91百万円(前年同期比102.8%)、連結経常利益が141億12百万円(前年同期比102.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は98億41百万円(前年同期比104.1%)となりました。(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)
各セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。また、第1四半期連結会計期間より、管理体制の変更に伴い報告セグメントの区分方法を見直し、従来「アジア」の区分に含めていた連結子会社であるPilot Pen Australia Pty.Ltd.を「欧州」の区分に含めております。前年同四半期連結累計期間との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(日本セグメント)国内のステイショナリー用品事業においては、昨年末に発売した次世代のフリクション「フリクションボールノックゾーン」やアパレルブランドの「ANNA SUI(アナ・スイ)」、コスメブランドの「PAUL&JOE(ポール&ジョー)」等とのコラボ商品の限定品が話題を集めました。また店頭連動型ネット広告をはじめとした各種キャンペーン等を通じ、当社の独自の技術力によって生み出されたシナジーチップを使用した「フリクションポイントノック04」や「ジュースアップ」等の高付加価値商品群の拡販に努めました。ステイショナリー用品事業の輸出においては、アセアン諸国や東アジアを中心にコロナ禍からの復調が続き、売上が伸長しました。玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「おふろのおもちゃ」シリーズが前期の価格改定前の需要増による実績対比で苦戦しました。産業資材事業においては、当社のセラミックスにおける微細な形状の押出成形・焼成といった技術が高い評価を受けております。また、本年7月より新たにIS部(IS=Innovative Solutions)として組織を強化し、当社固有の技術を生かした事業展開を図ってまいります。利益面では、一時的な在庫調整に伴う連結子会社向けの売上高減少と生産数量減少による原価率の上昇に加え販管費増加等の原因により減益傾向が続いています。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は185億84百万円(前年同期比112.1%)、セグメント利益は67億85百万円(前年同期比58.9%)となりました。また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は158億67百万円(前年同期比114.7%)となり、玩具事業は12億89百万円(前年同期75.5%)、産業資材・その他事業は14億27百万円(前年同期比136.4%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が142億27百万円(前年同期比114.6%)、文具・その他が16億39百万円(前年同期比115.7%)となりました。
(米州セグメント)米州地域につきましては、米国市場で「G-2(ジーツー)」や「フリクション」シリーズの販売が堅調に推移しました。ブラジル市場においてはホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長が続いています。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は195億15百万円(前年同期比120.3%)、セグメント利益は12億89百万円(前年同期比115.7%)となりました。
(欧州セグメント)欧州地域につきましては、各国で筆記具需要に温度差があり、特に南欧を中心にいまだ購買マインドが回復しない国も多く、苦戦しています。利益面では、売上高減少に加え労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は136億65百万円(前年同期比94.1%)、セグメント利益は14億21百万円(前年同期比85.9%)となりました。
(アジアセグメント)アジア地域につきましては、中国市場は緩やかに回復しているもののいまだ不透明な状況が続きました。その他の国につきましては概ね好調に推移し、「ジュースアップ」シリーズ等を中心に伸長しました。利益面では、売上高減少に加え労務費等の販管費増加により減益となりました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は96億37百万円(前年同期比94.9%)、セグメント利益は4億68百万円(前年同期比76.0%)となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比114億69百万円増加し、1,680億12百万円となりました。流動資産は、83億83百万円増加し1,149億89百万円となり、固定資産は、30億86百万円増加し530億22百万円となりました。流動資産につきましては、「受取手形及び売掛金」が92億16百万円、「商品及び製品」が13億39百万円それぞれ増加した一方、「現金及び預金」が15億3百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末比5億12百万円減少し、380億40百万円となりました。流動負債は、15億67百万円減少し352億24百万円となり、固定負債は、10億55百万円増加し28億15百万円となりました。流動負債につきましては、「支払手形及び買掛金」が22億32百万円、「短期借入金」が16億14百万円それぞれ減少した一方、「その他」が27億4百万円増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末比119億81百万円増加し、1,299億71百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が78億68百万円、「為替換算調整勘定」が32億75百万円それぞれ増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前年同四半期連結会計期間末に比べ、148億34百万円減少し、339億18百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、64億42百万円(前年同四半期は72億70百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前四半期純利益」145億85百万円、「減価償却費」20億70百万円であり、支出の主な内訳は、「売上債権の増加額」67億15百万円、「仕入債務の減少額」26億93百万円、「法人税等の支払額」46億81百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、132億57百万円(前年同四半期は15億10百万円の減少)となりました。これは主に、「定期預金の預入による支出」100億円、「有形固定資産の取得による支出」40億24百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、38億54百万円(前年同四半期は16億55百万円の減少)となりました。これは主に、「短期借入金の純減少額」19億48百万円、「配当金の支払額」19億70百万円によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9億73百万円であります。
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