【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)における経済環境は、国内においては新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限が大幅に緩和されウィズコロナの新たな社会規範への移行が進む中、外国人観光客の受け入れ再開や行動制限のないイベントの増加等により、社会経済活動は正常化に向けて回復が進みました。反面、国内外において、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰による物価上昇や世界的な金融引き締めに伴う為替変動等が、各国の景気に影響を及ぼし先行き不透明な状況が継続しております。このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では訪日客の増加や消費者の購買マインドの回復により市場が活性化しつつあり、また海外では、昨年後半以来停滞感が強かった先進国の主要マーケットの需要増加や新興国の伸長等もあり、全体的に市場は回復基調となりました。加えて昨年末に発売した「フリクションボールノックゾーン」が各種広告等の効果もあり大きな話題となったほか、業界関係者が選ぶ「文房具屋さん大賞2023」において当社新製品が多くのカテゴリーで第1位となる等、当社の商品開発・企画力が評価を受け、グループパーパス「人と創造力をつなぐ。」の理念に基づいた市場ニーズを捉えた高付加価値の商品開発が進んでいます。また本年3月には「気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)提言」に賛同し、気候変動関連リスクと機会に関する開示を充実させ、サステナブルな社会の実現への取組みも着実に進めております。この結果、当期間の連結売上高は274億7百万円(前年同期比104.5%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は67億11百万円(前年同期比101.0%)、海外市場における連結売上高は206億95百万円(前年同期比105.7%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は251億円(前年同期比105.2%)、非筆記具事業における連結売上高は23億7百万円(前年同期比97.0%)となりました。また、損益につきましては連結営業利益が48億92百万円(前年同期比105.3%)、連結経常利益が52億51百万円(前年同期比98.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億22百万円(前年同期比107.7%)となりました。(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)
各セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。また、当第1四半期連結会計期間より、管理体制の変更に伴い報告セグメントの区分方法を見直し、従来「アジア」の区分に含めていた連結子会社であるPilot Pen Australia Pty.Ltd.を「欧州」の区分に含めております。前年同四半期連結累計期間との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(日本セグメント)国内のステイショナリー用品事業においては、昨年末に発売した次世代のフリクション「フリクションボールノックゾーン」を中心として、新学期に向けての新製品群が話題を集め好調に推移しました。また店頭連動型ネット広告をはじめとした各種キャンペーン等を通じ、当社の独自の技術力によって生み出された「フリクション」や「ジュースアップ」等の高付加価値商品群の拡販に努め、本格的な市場の回復に備えました。ステイショナリー用品事業の輸出においては、東南アジアを中心にコロナ禍からの復調が続き、売上が伸長しました。玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「おふろのおもちゃ」シリーズが堅調でありましたが、その他知育玩具が苦戦しました。コレクタブルドールのカテゴリーを切りひらくべく開発された「ポケットメルちゃん」シリーズは市場での定着が進み、シリーズの拡充を図っております。産業資材事業においては、産業機械向けのセラミックス部品が順調な推移を続けております。当社固有の微細な形状の押出成形・焼成といった技術が高い評価を受けており、需要が拡大しております。利益面では、原材料価格の上昇等の売上原価増加により減益となりました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は90億49百万円(前年同期比106.9%)、セグメント利益は36億80百万円(前年同期比68.6%)となりました。また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は78億27百万円(前年同期比108.6%)、玩具事業は5億86百万円(前年同期比84.6%)、産業資材事業は6億35百万円(前年同期比112.3%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が70億84百万円(前年同期比110.7%)、文具・その他が7億43百万円(前年同期比92.1%)となりました。
(米州セグメント)米州地域につきましては、米国市場で「G-2(ジーツー)」や「フリクション」シリーズの販売が堅調に推移しました。ブラジル市場においてはホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長が続いています。利益面では、従業員数増加に伴う労務費増加等により減益となりました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は80億70百万円(前年同期比111.2%)、セグメント利益は3億47百万円(前年同期比58.1%)となりました。
(欧州セグメント)欧州地域につきましては、いまだ購買マインドが回復しない国も多く苦戦しましたが、北欧等の一部の地域では「フリクション」シリーズをはじめとした主力商品が伸長しました。利益面では、売上高減少に加え労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は53億85百万円(前年同期比90.8%)、セグメント利益は2億94百万円(前年同期比68.5%)となりました。
(アジアセグメント)アジア地域につきましては、中国市場は回復傾向にありますが動きは緩やかであり、反面その他の国が好調に推移しました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は49億1百万円(前年同期比107.1%)、セグメント利益は3億1百万円(前年同期比96.7%)となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比11億41百万円増加し、1,576億83百万円となりました。流動資産は、2億65百万円減少し1,063億40百万円となり、固定資産は、14億6百万円増加し513億42百万円となりました。流動資産につきましては、「受取手形及び売掛金」が11億46百万円、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」)が19億47百万円それぞれ増加した一方、「現金及び預金」が16億35百万円、「その他」に含まれる未収入金が21億11百万円それぞれ減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末比15億36百万円減少し、370億16百万円となりました。流動負債は、25億77百万円減少し342億15百万円となり、固定負債は、10億41百万円増加し28億1百万円となりました。流動負債につきましては、「短期借入金」が20億19百万円増加した一方、「支払手形及び買掛金」が25億51百万円、「未払法人税等」が29億80百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債につきましては、「長期借入金」が8億69百万円、「繰延税金負債」が1億89百万円それぞれ増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末比26億77百万円増加し、1,206億66百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が16億48百万円、「為替換算調整勘定」が5億74百万円それぞれ増加したことによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4億83百万円であります。
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