【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照ください。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における経済環境については、世界各地でエネルギーや資源価格高騰によるインフレ傾向が強まり、加えて日本においては急激な為替の変動が各種産業に影響を及ぼし、先行きが不透明な状況が続きました。このような環境の下、当社グループにおきましては、日本国内や中国等で筆記具需要へのコロナ禍の影響が残り、またその他の国や地域においてもインフレによる景気悪化の影響が顕在化し、コロナ禍からの販売回復傾向に水を差す状況になってきております。日本国内においては環境配慮のニーズに応える「スーパーグリップGオーシャンプラスチック」や“バイオマスプラスチック”を使用した製品群が関心を集めており、また当社独自の“シナジーチップ”を採用した商品拡販のためのキャンペーン等も好評を博し、次第に市場回復傾向が強まっております。海外においては「フリクション」シリーズや「G-2(ジーツー)」、「ジュース」シリーズといった定番商品が各市場で堅調に推移し、市場シェアを固めております。また、本年3月に新たに定めたグループパーパス「人と創造力をつなぐ。」及びその理念に基づく「2030年ビジョン」、「2022-2024中期経営計画」の下、更なる発展のために組織や体制を再構築することにより、一層の経営の効率化とガバナンスの向上に努めております。加えて、サステナブルな社会の実現に向けての取組みも着実に進めております。この結果、為替の影響も受け、当期間の連結売上高は841億6百万円(前年同期比111.1%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は181億60百万円(前年同期比107.0%)、海外市場における連結売上高は659億45百万円(前年同期比112.3%)となりました。また、損益につきましては連結営業利益が157億37百万円(前年同期比107.8%)、連結経常利益が180億79百万円(前年同期比117.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は126億3百万円(前年同期比119.2%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当第3四半期連結累計期間の売上高が1億32百万円増加し、営業利益が45百万円減少しておりますが、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益に与える影響はありません。(参考URL 当社中期経営計画 www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)
各セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本セグメント)国内のステイショナリー用品事業においては、年初のコロナ対策の実施による個人消費の減退やインバウンド需要の喪失の影響が残り、各種制限が解除された後も依然として厳しい状況が続いております。その中においても定番品の「ドクターグリップ4+1」の新色“大人色~アッシュメタルカラー”を代表とする顧客嗜好を取り込んだ商品がヒットする等、確実に市場の回復傾向も強まっております。ステイショナリー用品事業の輸出においては、東南アジア、中東、南米等各地でコロナ禍からの復調が継続し、売上が伸長しました。玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「スイスイおえかき」シリーズが、価格改定の影響を受けながらも堅調に推移しました。その他事業においては、産業装置向けのセラミックス部品が製造業の生産設備の需要拡大を受け、順調な推移を続けております。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は240億27百万円(前年同期比113.9%)、セグメント利益は海外子会社向けの出荷の拡大の効果や為替の影響も受け、164億21百万円(前年同期比134.8%)となりました。また、当セグメントにおける主要な事業の売上高に関して、ステイショナリー用品事業は198億22百万円(前年同期比112.9%)となり、玩具事業は26億14百万円(前年同期比101.7%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、日本セグメントにおける売上高は1億32百万円増加し、セグメント利益は45百万円減少しております。
(米州セグメント)米州地域につきましては、米国市場で「G-2(ジーツー)」や「フリクション」シリーズの販売が堅調に推移しました。ブラジル市場についても回復傾向が続きました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は244億96百万円(前年同期比117.8%)、セグメント利益は8億4百万円(前年同期比93.1%)となりました。
(欧州セグメント)欧州地域につきましては、各地で「フリクション」シリーズをはじめとした主力商品が堅調に推移しました。また、環境配慮商品や環境を意識した販売政策によりブランドイメージの向上に努めました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は189億93百万円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は18億66百万円(前年同期比94.3%)となりました。
(アジアセグメント)アジア地域につきましては、中国においてゼロコロナ政策による都市封鎖等の影響が残るものの、セグメント全体としては「ジュース」シリーズ等の販売好調が続き、堅調に推移しました。以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は165億88百万円(前年同期比105.3%)、セグメント利益は9億63百万円(前年同期比88.1%)となりました。
(2) 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比142億28百万円増加し、1,573億83百万円となりました。流動資産は、82億10百万円増加し1,071億26百万円となり、固定資産は、60億18百万円増加し502億57百万円となりました。流動資産につきましては、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」)が65億74百万円増加したことによるものです。負債は、前連結会計年度末比3億50百万円減少し、404億57百万円となりました。流動負債は、5億10百万円減少し386億16百万円となり、固定負債は、1億60百万円増加し18億40百万円となりました。流動負債につきましては、「短期借入金」が11億35百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が15億91百万円、「未払法人税等」が16億70百万円それぞれ減少した一方で、「その他」が41億47百万円増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末比145億78百万円増加し、1,169億26百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が98億41百万円、「為替換算調整勘定」が45億87百万円それぞれ増加したことによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13億64百万円であります。
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