【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス蔓延下においても行動制限が課されないなど政府による感染症対策により景気は緩やかに回復基調にありました。しかしながら、資源価格高騰や円安による物価上昇、世界的な金融引き締め政策やウクライナ情勢の長期化などによる不安定な国際情勢によって、国内及び世界経済の回復ペースが鈍化し、先行き不透明な状況が続いております。このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は4年目を迎え、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。当連結会計年度の当社グループの業績は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したこと、また、半導体の供給不足による生産活動の制約などにより昨年の実績を下回りました。物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。中国における売上については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海市の都市封鎖(ロックダウン)の解除後も、政府のゼロコロナ政策継続による行動制限などによる先行き不透明感から小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回りました。利益については、国内は原材料価格や光熱費の高騰に対して販売価格への転嫁が進まなかったこと、顧客の設備投資の抑制、工場操業度の低下などが響き、前年同期に比べて減益となりました。中国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響などにより前年同期に比べて減益となりました。その結果、売上高は275億34百万円(前年同期比50億72百万円、15.6%減)、経常利益は10億11百万円(前年同期比10億42百万円、50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億50百万円(前年同期比6億55百万円、46.6%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は17百万円増加し、経常利益及び税金等調整前当期純利益は18百万円増加しております。詳細については、51ページ「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。「中長期経営計画N-ExT 2023」に基づく事業分野別売上は次のとおりであります。単位:百万円(百万円未満切捨て)
事 業 区 分
2021年売上高
構
成
比(%)
2022年売上高
構
成
比(%)
対前年同期比(%)
ショーケース・倉庫事業
25,509
78.2
21,151
76.8
△17.1
メンテナンス事業
4,323
13.3
4,796
17.4
11.0
海外事業
2,774
8.5
1,586
5.8
△42.8
合 計
32,606
100.0
27,534
100.0
△15.6
「ショーケース・倉庫事業」は、ショーケース事業売上が原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。その結果、前年同期比17.1%減となりました。「メンテナンス事業」は、継続的に提案メンテナンス等を実施しており、需要を掘り起こした結果、前年同期比11.0%増となりました。「海外事業」は、中国国内において新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していたことなどの影響により、前年同期比42.8%減となりました。
なお、当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造・販売並びにこれらの付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント情報の記載をしておりませんが、所在地別の業績の概況は次のとおりであります。
<日本>国内の売上高は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。その結果、259億48百万円(前年同期比38億84百万円、13.0%減)となり、営業利益は11億12百万円(前年同期比8億39百万円、43.0%減)となりました。
<中国>中国の売上高は、中国国内において新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回ることとなりました。売上高は17億76百万円(前年同期比11億51百万円、39.3%減)となりましたが、利益の面では厳しい状況となり営業損失は2億5百万円(前年同期は12百万円の営業損失)となりました。
② 財政状態
資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の総資産は330億18百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億77百万円の減少となりました。
(流動資産)当連結会計年度末の流動資産の残高は240億3百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億50百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金が前連結会計年度末と比較して24億70百万円減少、原材料及び貯蔵品が2億43百万円増加したことなどによります。
(固定資産)当連結会計年度末の固定資産の残高は90億14百万円となり、前連結会計年度末と比較して26百万円の減少となりました。これは主に機械装置及び運搬具が1億58百万円減少したことによります。
(流動負債)当連結会計年度末の流動負債の残高は41億22百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億22百万円の減少となりました。これは主に支払手形及び買掛金が前連結会計年度末と比較して2億61百万円減少、未払法人税等が3億86百万円減少したことなどによります。
(固定負債)当連結会計年度末の固定負債の残高は32億68百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億37百万円の減少となりました。これは主に退職給付に係る負債が1億28百万円減少し、役員株式給付引当金が81百万円減少したことなどによります。
(純資産)当連結会計年度末の純資産の残高は256億27百万円(非支配株主持分15億38百万円を含む。)となり、前連結会計年度末と比較して7億18百万円の減少となりました。これは主に配当金の支払などにより利益剰余金が7億57百万円減少したことなどによります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して2億3百万円減少し、67億74百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動による資金は、5億86百万円の減少(前年同期は25億99百万円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益10億10百万円及び減価償却費4億80百万円、工事損失引当金の増加が1億99百万円あったのに対し、仕入債務の減少が2億93百万円、棚卸資産の増加が1億83百万円、法人税等の支払額が7億35百万円あったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動による資金は、18億50百万円の増加(前年同期は4億46百万円の減少)となりました。この主な要因は、定期預金の解約が22億86百万円あったことにより資金が増加したことに対し、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出が合計4億35百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動による資金は、15億17百万円の減少(前年同期は15億50百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払が14億17百万円あったことによります。
④ 生産、受注及び販売の状況当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造、販売を事業内容とする単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
a.生産実績当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。
製品
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
ショーケース(千円)
10,466,272
70.8
冷凍機(千円)
2,895,023
106.3
工事・その他(千円)
13,989,160
92.1
合計(千円)
27,350,456
83.6
b.受注状況当社グループの生産のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載を省略しております。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。
製品
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
ショーケース(千円)
10,595,972
71.5
冷凍機(千円)
2,844,457
103.1
工事・その他(千円)
14,093,886
93.7
合計(千円)
27,534,315
84.4
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン
11,773,681
36.7
8,727,876
31.7
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積について過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。ア.工事請負契約におけるインプット法による売上高ショーケースや冷凍機等の設置工事事業、物流センター等の冷凍・冷蔵設備設置工事事業に係る工事請負契約については、顧客との合意により定められた仕様等に基づき、設備工事を完成させ、引渡しを行う義務を負っており、当該履行義務は、一定の期間にわたり充足される取引であるため、履行義務の充足につれて進捗度を測定して収益を認識しております。なお、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、工事原価総額に対する発生原価の割合によるインプット法を採用しております。工事原価総額は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容に基づいて算定しております。工事請負契約は、顧客からの契約仕様の変更要求や当初見積りに対する原価の増加や当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって工事原価総額が変動することがあります。その工事原価総額の変動により、収益認識時期が変わる可能性があります。イ.工事損失引当金当社グループは受注物件の損失発生に備えるため、手持物件のうち将来損失発生が見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることができる物件について、その損失見込み額を工事損失引当金として計上しております。工事損失引当金は見積り特有の不確実性があるため、工事竣工までの仕様変更や原材料価格の高騰などのため見積りの前提が変わり、不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。わが国経済におきましては、新型コロナウイルス蔓延下においても行動制限が課されないなど政府による感染症対策により景気は緩やかに回復基調にありました。しかしながら、資源価格高騰や円安による物価上昇、世界的な金融引き締め政策やウクライナ情勢の長期化などによる不安定な国際情勢によって、国内及び世界経済の回復ペースが鈍化し、先行き不透明な状況が続いております。このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は4年目を迎え、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。当連結会計年度の当社グループの業績は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したこと、また、半導体の供給不足による生産活動の制約などにより昨年の実績を下回りました。物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。中国における売上については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海市の都市封鎖(ロックダウン)の解除後も、政府のゼロコロナ政策継続による行動制限などによる先行き不透明感から小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回りました。
(売上高)国内では、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。その結果、259億48百万円(前年同期比38億84百万円、13.0%減)となりました。中国では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回ることとなりました。その結果、売上高は17億76百万円(前年同期比11億51百万円、39.3%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価率は、原材料価格や光熱費の高騰に対して販売価格への転嫁が進まなかったこと、顧客の設備投資の抑制、工場操業度の低下などが響き、前連結会計年度より2.8ポイント悪化して89.5%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より4億23百万円減少して19億76百万円となりました。
(営業利益)営業利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高が前年と比べて減収となったことにより、前連結会計年度より10億30百万円減少して9億9百万円となりました。
(営業外収益及び費用)営業外収益は、前連結会計年度より13百万円減少して1億9百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より0百万円減少して6百万円となりました。
(経常利益)経常利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高が前年と比べて減収となったことにより、前連結会計年度より10億42百万円減少して10億11百万円となりました。
(特別利益及び損失)特別利益及び損失は、固定資産除却損が0百万円あったことなどにより、損失純額として0百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より6億55百万円減少して7億50百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用によるもののほか、2019年度から2023年度までの5か年を対象期間とする中長期経営計画の実行によるものを予定しております。当該中長期経営計画では事業基盤強化に向けた投資として60億円、成長投資として10億円を予定しており、同対象期間に研究開発活動にも16億円を予定しております。これらの資金需要に対しては、取引金融機関からの調達は行わず、現在自己資金で賄っております。なお、当連結会計年度末における借入金及び有利子負債の残高は6億29百万円になっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は67億74百万円になっております。