【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善から緩やかに回復しました。
海外経済においても緩やかな持ち直しが続いておりますが、インフレの進行による各国の金融引締めの継続、中国の不動産市場の停滞と個人消費の鈍化、ウクライナ紛争の長期化と、依然先行きが不透明となっております。
当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、車載市場においては半導体や部材の調達難の解消から堅調に推移しました。半導体関連の設備投資は調整局面が続き、産業機器市場においても調整の動きが強まり、先行きが不透明な状況が続いております。
このような環境の下、売上高は142億60百万円(前年同期比10.9%減)となりました。売上高が減少したことにより、営業利益は7億72百万円(同39.3%減)となりました。為替の円安に伴う為替差益により、経常利益は11億6百万円(同35.3%減)となりました。前年同期に発生しました固定資産売却益5億64百万円(特別利益)、為替換算調整勘定取崩額1億44百万円(特別損失)は無くなり、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億77百万円(同52.9%減)となりました。
主なセグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(電線・加工品)
半導体検査装置用ケーブルは半導体関連の設備投資抑制の動きが続き減少となり、半導体製造設備関連をはじめとした産業機器用ケーブル、その他ケーブル全般も減少しました。また、北米のエネルギー産業関連ケーブルは予定していた案件の失注や延伸があり大幅減少となりました。車載用ケーブルは自動車メーカーによる在庫調整の解消により前年同期水準まで回復し、医療用ケーブルは各医療機器向けが伸び増加、アミューズメント用は前年同期水準となりました。以上により、売上高は120億19百万円(前年同期比13.8%減)となりました。売上の減少等により、セグメント利益は8億7百万円(同39.6%減)となりました。
(電子・医療部品)
電子の分野において、ネットワーク機器は専門用途品の売上が前年同期同様に好調な水準で推移し、EV用普通充電器の売上が伸長しました。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上は前年同期水準にて推移しました。以上により、売上高は22億24百万円(前年同期比8.7%増)となりました。売上の増加等により、セグメント利益は4億26百万円(同13.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億33百万円増加し、463億3百万円となりました。主な増加は、現金及び預金21億45百万円、機械装置及び運搬具3億7百万円、建物及び構築物2億46百万円であり、主な減少は、受取手形、売掛金及び契約資産6億61百万円であります。
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ3億30百万円減少し、98億3百万円となりました。主な増加は、長期借入金1億97百万円、賞与引当金1億61百万円であり、主な減少は、支払手形及び買掛金10億91百万円であります。 当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ23億64百万円増加し、364億99百万円となりました。主な増加は、為替換算調整勘定18億97百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益6億77百万円であり、主な減少は、利益剰余金の配当3億9百万円であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億22百万円増加し、90億22百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、18億38百万円の資金の獲得(前年同期は37百万円の資金の獲得)となりました。主な増加は、売上債権の減少12億27百万円、税金等調整前四半期純利益が11億15百万円であり、主な減少は、仕入債務の減少額が13億62百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、6億19百万円の資金の支出(同10億52百万円の資金の獲得)となりました。主な増加は、定期預金の払戻しによる収入が11億8百万円であり、主な支出は、定期預金の預入による支出が15億1百万円、有形固定資産の取得による支出3億30百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、2億42百万円の資金の支出(同6億54百万円の資金の支出)となりました。主な増加は、長期借入れによる収入が9億円であり、主な支出は、長期借入金の返済による支出が8億1百万円、配当金の支払額が3億9百万円であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は69百万円であります。電線・加工品事業における研究開発費は43百万円であり、電子・医療部品事業における研究開発費は26百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。