【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策が進み経済活動の制限が緩和され、緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、世界的なインフレや円安の進行及び地政学リスク等もあり、先行き不透明な状況が続きました。CM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)業界に影響を与える建設投資、設備投資については、公共投資は従来通りに推移し、民間投資においては景気の先行きが不透明な中で慎重な姿勢が続く状況となりました。当社は、「フェアネス」と「透明性」の経営理念に基づき、顧客側に立つプロとして、顧客の建設プロジェクトの目標達成を支援しております。当社のCM(コンストラクション・マネジメント)は、プロジェクトの早期立ち上げを支援し、数多くのプロジェクトで品質の適正化・スケジュール短縮・コスト縮減を実現しております。公共分野としては、国土交通省の2022年度入札契約改善推進事業の支援業務について9年連続で受託した他、経済産業省のデジタル行政に対応した本省庁舎執務環境整備(働き方改革)に関する業務について4年連続で受託しました。顧客における経営課題として、従来からの品質確保、工期短縮やコスト縮減に加え、最近では脱炭素化やSDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)のニーズが急激に高まり、その中で千葉市が実施した「千葉市新庁舎の脱炭素化に資する電力調達方法に係る調査及び提案業務委託」のプロポーザルに当社が応募し、支援事業者として選定されました。また、外務省のオフィス改革に関するコンサルティング業務の受託の他、渋谷区(東京都)、仙台市(宮城県)、千葉市(千葉県)、和泉市(大阪府)や国立大学法人の筑波大学等における庁舎や施設建設に関するプロポーザルに当社が応募し、発注者支援事業者として選定されました。民間企業からは、数多くの事業業種をグループ内に持つ大企業を中心に新規引き合い及びリピートオーダーが継続しており、プロジェクト情報の可視化による公正な調達環境の構築でコスト縮減や工期短縮に加え、プロジェクト早期立ち上げ支援や事業化支援といった、上流工程からの引き合い案件が増えております。
発注者における課題解決に必要な専門性と対応力が当社内で益々高度化する中で、発注者からの当社に対する期待が高まり、当第2四半期累計期間における受注粗利益(※1)は過去最高を記録しました。当社はメーカーや資本系列に一切とらわれることなく独立・中立性を保ち、顧客要求水準を満たす最適なCM手法で、発注者にCMの価値を提供してまいります。当社の従業員数は、前事業年度末から6名増加の249名となりました。今後も優秀な人材の採用を継続し、会長をトップとした社員教育を継続的・計画的に実施し、顧客本位の「明豊のCM」を徹底して推進して参ります。
これらの結果、当第2四半期累計期間の売上高は2,175百万円(前年同期比7.9%増)、売上総利益は1,189百万円(同10.3%増)、営業利益は462百万円(同14.8%増)、経常利益は463百万円(同14.6%増)、四半期純利益は319百万円(同13.9%増)となり、期間中の従業員増による経費の増加を吸収した生産効率向上を実現しました。当第2四半期累計期間の売上総利益、営業利益、経常利益、四半期純利益は、建設投資の実行に関する様々な課題が発生する中で、発注者を支援する当社への期待が更に高まり、前年同四半期を上回り過去最高を記録しました。
事業のセグメントの業績は次のとおりです。当社では、次の4つのセグメントを設けておりますが、プロジェクト管理システム等の自社開発システムの活用によって、顧客の期待に応えられる人材が所属セグメントに縛られることなくマルチにプロジェクトに対応することで、サービス品質の向上と、セグメント間の負荷の調整を両立させ、全体としての業務効率を向上させています。
① オフィス事業当社のCM手法によるプロジェクト立ち上げ支援及び、PM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、オフィス移転の可否や働き方改革の方向性を検討する構想段階およびビルの選定から引越しまで高度な専門性を有し、ワンストップで支援することが可能であります。企業がアフターコロナへの働き方を模索する中で、働き方改革及びDX(デジタルトランスフォーメーション)に自ら取り組む先進企業として当社の認知度が高まり、大企業のグループ統合や中央官庁におけるリモート環境整備をはじめとした働き方改革支援及びオフィス再編プロジェクトの引き合いが増加しました。当第2四半期累計期間のオフィス事業の売上高は、456百万円(前年同期比10.2%減)、セグメント利益37百万円(同49.4%減)となりました。
② CM事業数多くの地方自治体庁舎や国立大学を始めとする公共施設において当社のCMサービスが評価されました。民間企業においては、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、生産工場、商業施設及び私立学校法人施設の再構築や、日本最大の鉄道会社による大規模商業施設や各地方拠点施設、大手IT会社等の保有施設の電気・空調・衛生設備更新等の実績を重ね、既存顧客から継続的に引き合いをいただくと共に、新規顧客からの引き合いも増加しております。CM事業においては、同時にZEBやLEEDなど脱炭素化や環境施策も強く求められるようになり、基本計画段階から当社内の専門技術者チームが顧客の高い要求水準に対応しています。また、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2022」において当社がCM業務を行った「中野区みなみの小学校他2校校舎新築工事に伴うCM業務」「株式会社資生堂那須工場新築工事CM業務」「タカノフーズ株式会社水戸第三工場新築計画CM業務」の3件で「CM選奨」を受賞し、6年連続の受賞となりました。当第2四半期累計期間のCM事業の売上高は、1,321百万円(前年同期比19.7%増)、セグメント利益341百万円(同54.9%増)となりました。
③ CREM事業顧客保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業は、当社技術者集団による透明なプロセス(CM手法)とデジタル活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設同時進行の新築・改修・移転や基幹設備のLCC、脱炭素を考慮した機能最適化更新支援等を行っております。具体的には、大企業や自治体、金融機関向けを中心に、個別プロジェクト毎の進捗状況を可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とデータ活用によって効率的なプロジェクト管理を実現しています。発注者支援事業として顧客の多拠点施設整備を効率化し、「明豊のCMの価値」を提供しております。当第2四半期累計期間のCREM事業の売上高は、347百万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益74百万円(同28.8%減)となりました。
④ DX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業
当社が自社開発し、10年以上の運用実績がある独自システムを活用して顧客のDX化を推進するDX支援事業を前期より開始しました。DX化による働き方改革に取り組む企業や団体が増えている中、働く人が自らのアクティビティを可視化して生産性向上につなげるシステムMeihoAMS(※2)や、建設プロジェクトや施設の維持保全業務を可視化・一元管理することでDX化を支援するシステムMPS(※3)への関心が高まっております。DXサービス販売2期目となる当第2四半期累計期間のDX支援事業の売上高は、50百万円(前年同期比54.1%増)、セグメント利益9百万円(同126.9%増)となりました。
※1 粗利益は、顧客との契約金額から外注費を控除したもの。※2 MeihoAMS(Meiho Activity Management System)は、個人のアクティビティの可視化・定量化・気づきの確認、そして一人ひとり及び全社員の生産性や働き方向上を目的とするマンアワーシステム。※3 MPS(Meiho Project Management System)は、新設プロジェクト管理情報や施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全及び「過去からの学び」を目的とする、情報の一元管理システム。
・新たなCM事業創造について世界的なインフレや円安の進行及び地政学リスク等もあり、先行き不透明な状況が続く中、発注者は、新規建設プロジェクトや施設の維持保全において、より複雑且つ高度な課題に直面しています。社会的リスクが増大する中で、年間約500件の発注者支援実績をもつ当社への一層高い期待をいただいていることを実感する中、より広い視野で発注者支援事業の可能性を追求し、直面する社会の課題に応え、顧客の変化を支える次の新たなCM事業創造に取り組んでおります。1.建設プロジェクトにおける採算性、工期、品質確保等「顧客の事業目的実現を支援」2.「顧客の働き方改革をDXで支援」3.当社システムの活用による「施設維持保全の可視化やデータベース化等DX化推進」で、計画的維持保全や大幅なコスト縮減を支援4.CMとして発注者側に立つソリューション提供や脱炭素化プロジェクト支援5.調達の透明性等、「顧客のESG/SDGsを支援」
・ESG/SDGsの取組みについて
当社では発注者支援事業を「明朗経営」と称し、各プロジェクトに関するプロセスや成果等及び当社企業業績等に関する情報を可視化し、自ら「隠し事」が出来ない仕組みの構築及び各種法令を遵守するための体制や規程等を整備し、内部統制システムを構築しております。その中で、社内研修や社内教育コンテンツを展開し、「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の企業理念を企業風土として定着させ、社員一丸となって行動しております。当社は「環境CM方針」を定め、建築や設備のプロがオフィスやビルの環境負荷の低減や環境に配慮した技術の導入・運用等に関する支援を、顧客側に立って行う発注者支援事業を通じて、顧客の脱炭素化やSDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)の実現に貢献しております。このような取り組みの中で、我が国初のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やオフグリッドシステム(電力会社などの送電網につながっていない、独立型電力システム)を実現したプロジェクトのマネジメントに取り組みました。東京都発行の環境施策に貢献する「東京グリーンボンド」等へ投資の他、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った取り組みを行い、気候変動に伴うリスクを適切に管理し、環境と成長の好循環を実現しております。当事業年度は新たに「自然エネルギー大学リーグ」に支援団体会員として加盟し、大学における自然エネルギーの活用等を支援しております。
当社の社会貢献活動としては、近隣地域のCSR団体に加盟し、他の加盟社の活動やボランティア情報を収集し、2014年以来車椅子やマスクの定期的な寄贈等会社として活動しております。
また、急速な少子化の進行と、家庭や地域を取り巻く環境の変化に対処して、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される社会を創ることを目的とする「次世代育成支援対策推進法」を背景に、仕事と育児を含めた家庭生活との両立(ワークライフバランス)と、誰もが働きやすい職場環境、子育て社員にやさしい会社を目指し、次世代育成支援に取り組んでいる結果、社員の育児休業取得率をはじめとした様々な要件を満たした企業として2022年6月に厚生労働省より「くるみん」の認定を受けました。引き続き、MeihoAMSの徹底した活用による働き方改革の推進や、透明性や信用を経営基盤に、持続可能な社会の実現に貢献し、ESG/SDGsを重視した経営に取り組んでまいります。
(2) 財政状態の分析(資産)流動資産は、前事業年度末に比べて、37百万円減少し、4,743百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が156百万円減少したことなどによります。 固定資産は、前事業年度末に比べて、13百万円増加し、952百万円となりました。 この結果、総資産は、前事業年度末に比べ23百万円減少し、5,695百万円となりました。(負債)流動負債は、前事業年度末に比べて、44百万円減少し、706百万円となりました。これは、賞与引当金が33百万円減少したことなどによります。 固定負債は、前事業年度末に比べて、13百万円増加し、698百万円となりました。 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ30百万円減少し、1,404百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前事業年度末に比べて、6百万円増加し、4,290百万円となりました。これは、自己株式が15百万円減少したことなどによります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前第2四半期累計期間に比べ225百万円増加し、2,011百万円となりました。 当第2四半期累計期間による各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果取得した資金は、464百万円となりました(前年同四半期は704百万円の取得)。取得の主な内訳は、税引前四半期純利益463百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、52百万円となりました(前年同四半期は49百万円の支出)。支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出20百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は、334百万円となりました(前年同四半期は307百万円の支出)。支出の内訳は、配当金の支払額334百万円であります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。なお、当第2四半期累計期間における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(5) 経営方針・経営戦略等当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動該当事項はありません。
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