【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
業績等の概要
■業界動向と当社の状況
近年、通信の機能は、社会のさまざまなところに溶け込み、一人ひとりの生活に無くてはならないものになっています。政府においても、地方を中心にデジタル技術の実装を進めていく「デジタル田園都市国家構想」を掲げており、社会課題の解決や地域活性化に向けたDX推進がますます重要になっています。
当社は昨年5月、事業環境の変化に対応しながら、「ありたい未来社会」を実現するため、「KDDI VISION 2030:「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を策定しました。「KDDI VISION 2030」の実現に向けて、事業の核である通信をさらに磨き、「つなぐチカラ」を進化させていきます。そして「KDDI Digital Twin for All」を掲げ、フィジカル空間とサイバー空間の融合による新たな付加価値の創造と、事業を通じた社会の持続的成長に貢献していきます。
同時に、2030年を見据えた「中期経営戦略 (2022-24年度)」を推進しています。中期経営戦略では、サステナビリティ経営を根幹に、事業戦略であるサテライトグロース戦略と、それを支える経営基盤の強化を通じて、パートナーの皆さまとともに、企業価値の向上と社会の持続的成長を目指していきます。
サテライトグロース戦略では、鉄道、商業地域といった生活動線に徹底的にこだわった5Gエリアの構築と体感品質の向上を推し進め、通信事業の進化と、通信を核とした注力領域の拡大を推進しています。
具体的には①DX (デジタルトランスフォーメーション) ②金融 ③エネルギー ④LX (ライフトランスフォーメーション) ⑤地域共創 (CATV等)の5つを注力領域とし、特にDXでは、通信をIoTという形であらゆるものに溶け込ませ、お客さまが意識することなく5Gを活用できる環境を整備します。そのために、さまざまな業界ごとの個別ニーズに応じたビジネスプラットフォームを提供し、法人のお客さまのDXを加速していきます。その中で新たに生まれた付加価値によって、人々の暮らしがトランスフォームされていくようなDXの好循環を目指します。また、金融では通信とのシナジーの最大化を目指し、さまざまな事業を展開しています。モバイル通信サービスと、インターネット専業銀行の「auじぶん銀行」、キャッシュレス決済の「au PAY」、クレジットカードの「au PAY カード」などの各種金融サービスを連携し、スマートフォンひとつでさまざまな金融サービスをお得に便利にご利用いただけるよう、サービスの拡充を進めています。さらにLXでは本年3月に、メタバース・Web3サービスである「αU (アルファユー)」を始動しました。リアルとバーチャルがつながり、いつどこにいても、音楽ライブやアート鑑賞、友人との会話やショッピングなどが楽しめる「豊かな未来社会」を創造します。
加えて、当社ではデータドリブン経営やファーストパーティデータのビジネス活用を推進できる体制の構築を進めています。こうした当社のビジョンや、昨今の生成系AIを取り巻く環境の急激な変化を踏まえ、社員1万人を対象に「KDDI AI-Chat」の利用を開始しています。まずは社内業務での利用を推進し、社員のAIスキルの向上や業務の効率化を行うとともに、具体的なユースケースを積み上げ、ビジネスへも展開できるよう、積極的な活用を進めていきます。
また当社は、地球規模で大きな課題となっているカーボンニュートラルをはじめとするサステナビリティ課題についても積極的に取り組みます。本年4月から、auリニューアブルエナジー株式会社が事業を開始し、地域や自治体、パートナー企業の皆さまとともに、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの発電事業を推進します。当社単体で2030年度、当社グループがTELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては2026年度、グループ全体では2050年度のCO2排出量実質ゼロの実現を目指し、携帯電話基地局・通信設備などでの省電力化や再生可能エネルギーへのシフトを強力に推し進めます。
さらに、変化の激しい事業環境の中で持続的に成長し続けていくためには、イノベーションの推進、社員や組織の高度な自律性と成長を促す「人財ファースト企業」への変革が不可欠であり、イノベーションの推進においては、5G及びBeyond5Gの研究開発、設備投資を強化していきます。また、サテライトグロース戦略に基づく事業創造・研究開発・Web3/AI・先進セキュリティ技術への取組みを加速し、スタートアップとのコラボレーションなどパートナーシップをより深化させていきます。さらに、日本電信電話株式会社との光ネットワーク技術のグローバル標準化に向けた取組みや、ソフトバンク株式会社との5G設備の共用等、競合他社との協調にも取り組んでいきます。加えて、「人財ファースト企業」への変革については、「KDDI版ジョブ型人事制度」「社内DXの推進」「KDDI 新働き方宣言の実現」の3つの柱で推し進め、「KDDI DX University」の活用による全社員のDXスキル向上とプロフェッショナル人財の育成により、注力領域への要員シフトも実行していきます。
当社は、経営層と従業員の共通の考え方・行動規範として掲げる「KDDIフィロソフィ」と、人権を尊重し、透明性・公正性を担保したコーポレート・ガバナンス体制との相乗効果により、リスクマネジメント・情報セキュリティ体制の強化を進め、グループ一体経営の推進に努めていきます。
■連結業績
第1四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
自 2022年4月1日
至 2022年6月30日
当第1四半期
連結累計期間
自 2023年4月1日
至 2023年6月30日
比較増減
増減率(%)
売上高
1,351,676
1,332,576
△19,101
△1.4
売上原価
723,536
736,981
13,446
1.9
売上総利益
628,141
595,594
△32,547
△5.2
販売費及び一般管理費
334,552
340,870
6,318
1.9
その他の損益(△損失)
2,241
10,821
8,580
382.8
持分法による投資利益
1,463
1,123
△340
△23.2
営業利益
297,293
266,668
△30,625
△10.3
金融損益(△損失)
3,581
7,982
4,401
122.9
その他の営業外損益(△損失)
30
2,188
2,158
-
税引前四半期利益
300,904
276,838
△24,065
△8.0
法人所得税費用
89,445
85,554
△3,891
△4.4
四半期利益
211,458
191,284
△20,174
△9.5
親会社の所有者
192,155
176,943
△15,212
△7.9
非支配持分
19,303
14,341
△4,962
△25.7
(注)その他の営業外損益の増減率は1,000%以上となるため、「-」と記載しております。
当第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い当社事業、連結子会社及び関連会社の一部所管セグメントを見直しております。これに伴い、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しております。
また、当第1四半期連結会計期間よりIFRS第17号「保険契約」を適用しております。これに伴い、前第1四半期連結累計期間及び前連結会計年度末の数値については、当該会計基準を遡って適用した後の数値を開示しております。
当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期と比較し、モバイル通信料収入(ローミング収入等含む)の減少や前期の金融事業収入の一時的な増加等により、1,332,576百万円(1.4%減)となりました。
営業利益は、前年同期と比較し、売上高の減少等により、266,668百万円(10.3%減)となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、176,943百万円(7.9%減)となりました。
セグメント別の状況
パーソナルセグメント
パーソナルセグメントでは、個人のお客さま向けにサービスを提供しています。
日本国内においては、「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで提供する5G通信サービスを中心に、金融、エネルギー、LXなどの各種サービスを連携し拡充することで、新たな付加価値・体験価値の提供を目指しています。
また、過疎化・高齢化などによる地域社会が抱える課題に向き合い、地域のパートナーの皆さまとともに、デジタルデバイド解消とサステナブルな地域共創の実現を目指しています。
一方、海外においては、国内で培った事業ノウハウを生かし、ミャンマーとモンゴルの個人のお客さま向けに、通信サービス、金融サービス及び映像等のエンターテインメントサービスの提供にも積極的に取り組んでいます。
<当第1四半期のトピックス>
●お客さま一人ひとりのニーズに合った料金を自由にお選びいただけるよう、ブランドスローガンの異なる3つのブランドを5Gにも対応して提供しています。「おもしろいほうの未来へ。」の「au」、「シンプルを、みんなに。」の「UQ mobile」、「君にピッタリの自由へ、一緒に。」の「povo」のマルチブランドで、ブランドごとの特長を生かした取組みを進めています。
auでは、データ使い放題(※1)の料金プラン「使い放題MAX 5G」をはじめ、本年6月には動画・音楽配信サービスに加えて、電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」もセットでご利用いただける「使い放題MAX 5G ALL STARパック2」の提供を開始するなど、5Gの高速・大容量通信を生かした、auならではの5Gサービスを提供しています。また、データ通信のご利用が少ないお客さま向けに、ご利用のデータ容量に応じた月額料金が自動的に適用される「スマホミニプラン」も提供しています。
UQ mobileでは、本年6月から、20GBのデータ容量と1回10分以内の国内通話かけ放題がセットになった「コミコミプラン」、データ容量を15GBまで利用することができ、ひと月の利用量が1GB以下の場合は自動で割引となる「トクトクプラン」、データ通信のご利用が少ないお客さま向けの「ミニミニプラン」の提供を開始し、お客さまの使い方の多様化に合わせた料金プランを提案しています。
povoでは、お客さまのご利用形態に合わせて選べる通常ラインアップのトッピングに加え、SNSや人気の動画サービス利用時のデータ通信が使い放題となるトッピングのほか、有効期間がこれまでで最長の365日となった超大容量のデータトッピングなどを期間限定で提供しました。また、本年4月にはデータを自動購入できる「オートチャージ」機能の提供を開始するなど、利便性向上の取組みも進めています。
●通信の基盤となるエリア構築では、「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、より多くのお客さまに5Gを快適にご利用いただけるよう、生活動線を重視し、主要な鉄道路線や商業地域などの5Gエリア化を進めています。
また、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」をau通信網のバックホール回線として利用することにより、これまでサービス提供が困難とされていた山間部や島しょ地域など全国約1,200カ所へ基地局の展開を進めています。
本年5月には株式会社ヤマップと協力し、電波の届きにくい山小屋の通信環境の改善を目的に、「Starlink」を活用した「山小屋Wi-Fi」の先行提供を開始しており、白馬村 八方池山荘を皮切りに、順次使用できる山小屋を拡大していきます。
さらに今後、「Starlink」を活用した車載型基地局と可搬型基地局を全国に順次導入し、地震や台風などによる自然災害が発生した際、通信の圏外地域に本基地局を展開することで、迅速な通信の復旧を目指していきます。
●ポイント・決済領域では、「たぬきの吉日」として、毎月5のつく日(5日・15日・25日)と8日に、auまたはUQ mobileのお客さま向けに、対象加盟店でau PAYのポイント還元率が最大5%(※2)となる特典を提供しています。auスマートパスプレミアムにおいても、au PAYで使える「毎月毎週もらえるクーポン」を提供し、今後も日常がもっと楽しくなるおトクなサービスで、お客さまとの接点を強化していきます。
また、本年6月にはau PAYアプリでマイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用した本人確認ができるようになったほか、一部コンビニATMでau PAY残高を引き出すことができる出金サービスを開始するなど、au PAYをより便利にご利用いただける取組みを行いました。
●金融事業では、au PAYカードの会員数が本年6月に880万会員となるなど、順調に推移しています。auじぶん銀行においても、本年6月に預金口座数が530万口座に、また住宅ローン融資実行額が、インターネット専業銀行として最速(※3)となる約7年6か月で、累計3兆円に到達しました。さらに、「HDI格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」において、お客さまサポートを担うすべてのコールセンターでの最高ランク獲得と、ネット銀行初の2年連続6冠を達成しました(※4)。今後もさらなる魅力的なサービスの提供とお客さま対応品質の向上を目指していきます。
●エネルギー事業では、auエネルギーホールディングス株式会社及びauリニューアブルエナジー株式会社が、本年4月に再生可能エネルギー発電事業の推進強化のため、京セラ株式会社と資本業務提携を開始しました。両社が保有する再生可能エネルギー発電事業の知見やケイパビリティを生かし、脱炭素社会の実現を加速させると同時に、電力需給の安定化に向けた取組みを推進しています。加えて、当社とauエネルギー&ライフ株式会社においては、本年5月から太陽光発電で自律的に電源を確保するCO2排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」の運用を開始し、カーボンニュートラルの実現に向けて取組みを進めています。
●LXでは、現実と仮想を軽やかに行き来する新しい世代に寄り添い、誰もがクリエイターになりうる世界に向けたメタバース・Web3サービスを提供しています。「もう、ひとつの世界。」のコンセプトのもと、αU(アルファユー)を冠として、メタバースでエンタメ体験や友人との会話を楽しめるαU metaverse、デジタルアート作品などのNFTを購入できるαU market、NFTや暗号資産を管理できるαU walletを商用サービスとして提供するほか、360度自由視点の高精細な音楽ライブを楽しめるαU live、実店舗と連動したバーチャル店舗でショッピングができるαU placeなど、メタバース・Web3でのお客さま体験を拡張していきます。
●ミャンマーでは(※5)、本年5月に平等な学習機会の提供を目的に、無償のEラーニングプログラムの提供を開始するなど、国民の皆さまに寄り添った活動を継続しています。今後も、現地情勢を注視しつつ、関係者の安全確保を念頭に、生活に不可欠な通信サービスの維持に努めていきます。
また、モンゴルでは、連結子会社であるMobicom Corporation LLCが、本年5月にモンゴル政府・商工会議所が企業の売上・利益、納税額、従業員雇用数、総資産を総合評価し発表する「モンゴルトップ100企業」において第9位となり、初のトップ10入りを果たしました。引き続き、同国第1位の通信事業者として、同国の経済発展と国民生活の充実に寄与していきます。
※1 データ使い放題のスマートフォン料金プランの場合も、テザリング・データシェア・国際ローミング通信 (世界データ定額) には、データ容量の上限があります。大量のデータ通信のご利用時、混雑時間帯の通信速度を制限する場合があります。動画などの視聴時には通信速度を制限します。
※2 ベースポイント還元0.5%と合わせ、auのお客さまは最大5%還元、UQ mobileのお客さまは最大3%還元となります。本特典は毎月エントリーをしていただいたお客さまが対象となります。
※3 2023年5月30日時点、auじぶん銀行調べ。
※4 2023年4月26日時点、auじぶん銀行調べ。
※5 連結子会社であるKDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.が、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)の通信事業運営のサポートを行っています。
パーソナルセグメントにおける、当第1四半期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
第1四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
自 2022年4月1日
至 2022年6月30日
当第1四半期
連結累計期間
自 2023年4月1日
至 2023年6月30日
比較増減
増減率
(%)
売上高
1,157,300
1,118,794
△38,506
△3.3
営業利益
249,006
218,069
△30,937
△12.4
当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期と比較し、モバイル通信料収入(ローミング収入等含む)の減少や前期の金融事業収入の一時的な増加等により、1,118,794百万円(3.3%減)となりました。
営業利益は、前年同期と比較し、売上高の減少等により、218,069百万円(12.4%減)となりました。
ビジネスセグメント
ビジネスセグメントでは、日本国内及び海外において、幅広い法人のお客さま向けに、スマートフォン等のデバイス、ネットワーク、クラウド等の多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサービス等を提供しています。
引き続き、5G通信を中心にIoTやDXなどを活用したソリューションを、パートナー企業との連携によってグローバルにワンストップで展開し、お客さまのビジネスの発展・拡大をサポートしていきます。
また、日本国内の中小企業のお客さまについては、連結子会社のKDDIまとめてオフィスグループによる地域に密着したサポート体制を全国規模で実現しています。
<当第1四半期のトピックス>
●当社と東日本旅客鉄道株式会社は、本年5月に「100年先の心豊かなくらしのための実験場」のビジョンを掲げる「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、街の設備や街に関わる人(住む人・働く人・訪れる人)などのあらゆるデータを収集・分析するデータ基盤を構築し、新たなサービスの創出を可能にするまちづくりを進めることを発表しました。
街から得られるデータや両社の保有するデータをかけ合わせ、デジタル上でシミュレーションを行い、リアルの街にフィードバックするデジタルツインを推進します。それにより生まれる新たなサービスを日本・世界に発信し、人口減少や環境問題などのさまざまな社会課題を解決する分散型スマートシティの実現を目指します。
また、当社は分散型スマートシティの実現を自らが実践し加速させるため、2025年春をめどに本社を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に移転します。
●当社は本年5月に、株式会社インターネットイニシアティブ(以下「IIJ」)と、両社の有する事業資産を生かした相互の企業価値向上に向け、資本業務提携契約を締結しました(以下「本提携」)。
IIJの発行済株式総数の10.0%に当たる普通株式18,707,000株を総額512億円(1株当たり2,739円)で日本電信電話株式会社から買い付け、当社の株式保有割合は10.90%となりました。IIJは1992年12月に日本初の国内インターネット接続事業者として創業し、セキュリティ、クラウドなどの領域で多様なネットワークサービスを自社開発のうえ、システムインテグレーションとあわせて複合提案するなど、高い技術力を有しています。当社は本提携を通じて、各種協業の検討や法人向け商材の共同開発、人材交流などに取り組み、DXにおけるモバイルや固定電話などの「コア事業」と、クラウドやIoTサービスなどの「NEXTコア事業」の拡大を目指します。今後もDXを事業の柱に、法人企業やその先にいるお客さまの課題解決・社会貢献を推進していきます。
●当社の海外現地法人であるTELEHOUSE(Thailand)Ltd.は、本年5月、タイの首都バンコクにてデータセンター「TELEHOUSE Bangkok」を開業しました。当データセンターは、同国初となる100%再生可能エネルギーによるCO2排出量実質ゼロのデータセンター(※1)となります。また、バンコクの中心部に位置し、10社以上のタイ国内外のサービスプロバイダーやクラウド事業者、通信事業者などが利用を予定しています。東南アジアで最大規模のデータセンターとして、今後もより多くのサービス事業者の誘致により、世界各国との最適な相互接続環境を実現するコネクティビティデータセンター(※2)を目指し、ビジネスセグメントにおける成長分野と位置付けるデータセンター事業の更なる拡大を図ります。
●当社は本年6月に、カナダでデータセンター事業を運営するAllied Properties Real Estate Investment Trustから約1,446億円(※3)で、カナダにおける土地・建物・設備等の資産を譲り受けることについて、契約を締結(以下「本締結」)いたしました。また、本締結を受け同月、同国に子会社「KDDI Canada, Inc.」を新たに設立しました。当社は、コネクティビティデータセンターの接続数としては世界トップ(※4)である「TELEHOUSE ロンドン」、フランス国内トップ(※4)となる「TELEHOUSE パリ」に加え、本年5月にタイ・バンコクにも「TELEHOUSE バンコク」を新設し、ヨーロッパだけではなく東南アジアにも事業エリアを拡大しています。本締結により、カナダ国内トップ(※4)のコネクティビティデータセンターを取得し、北米エリアにおけるデータセンター事業を強化することで、世界規模の事業推進を行います。
当社は、法人のお客さまのビジネスの発展・拡大に一層貢献し、お客さまから真の事業パートナーとしてお選びいただくことを目指し、事業の拡大に取り組んでいきます。
※1 2023年5月時点。当社調べ。
※2 さまざまなクラウドサービスや通信サービス、国内及び海外拠点とのアクセスに優れた機能、サービスを備えたデータセンターの総称。
※3 1,350百万カナダドル。2023年6月21日のTTM(1カナダドル=107.12円)を用いて換算。
※4 データセンターのお客さま相互接続数のこと。2023年6月21日時点。出典元:PeeringDB
ビジネスセグメントにおける、当第1四半期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
第1四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
自 2022年4月1日
至 2022年6月30日
当第1四半期
連結累計期間
自 2023年4月1日
至 2023年6月30日
比較増減
増減率
(%)
売上高
264,681
281,317
16,636
6.3
営業利益
46,334
47,993
1,659
3.6
当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期と比較し、コーポレートDX・ビジネスDX・事業基盤サービスで構成されるNEXTコア事業の成長によるソリューション収入の増加等により、281,317百万円(6.3%増)となりました。
営業利益は、前年同期と比較し、売上高の増加等により、47,993百万円(3.6%増)となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローの状況
① 財政状態
前連結会計年度
2023年3月31日
当第1四半期
連結会計期間
2023年6月30日
比較増減
資産合計(百万円)
11,923,522
12,173,341
249,819
負債合計(百万円)
6,252,863
6,441,969
189,106
資本合計(百万円)
5,670,659
5,731,372
60,713
親会社の所有者に帰属する持分(百万円)
5,128,288
5,195,275
66,987
親会社所有者帰属持分比率(%)
43.0
42.7
△0.3
(資産)
資産は、営業債権及びその他の債権等が減少したものの、金融事業の貸出金、その他の長期金融資産等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、249,819百万円増加し、12,173,341百万円となりました。
(負債)
負債は、営業債務及びその他の債務等が減少したものの、金融事業の預金、借入金及び社債等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、189,106百万円増加し、6,441,969百万円となりました。
(資本)
資本は、親会社の所有者に帰属する持分の増加等により、5,731,372百万円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の43.0%から42.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
自 2022年4月1日
至 2022年6月30日
当第1四半期
連結累計期間
自 2023年4月1日
至 2023年6月30日
比較増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
96,635
185,706
89,070
投資活動によるキャッシュ・フロー
△213,979
△133,858
80,121
フリー・キャッシュ・フロー ※
△117,344
51,847
169,191
財務活動によるキャッシュ・フロー
△124,731
△85,453
39,278
現金及び現金同等物に係る換算差額
7,816
5,259
△2,557
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△234,259
△28,347
205,912
現金及び現金同等物の期首残高
796,613
480,252
△316,361
現金及び現金同等物の期末残高
562,354
451,905
△110,449
※ フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
営業活動によるキャッシュ・フロー(収入)は、前年同期と比較し、金融事業の預金の増加幅が大きくなったこと等により、89,070百万円増加し、185,706百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前年同期と比較し、金融事業の有価証券の売却または償還による収入の増加等により、80,121百万円減少し、133,858百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前年同期と比較し、社債発行及び長期借入による収入の増加等により、39,278百万円減少し、85,453百万円の支出となりました。
また、上記キャッシュ・フローに加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により5,259百万円増加した結果、当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較し、28,347百万円減少し、451,905百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、6,652百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
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