【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の概況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、社会経済活動が正常化に向かう中、各種政策の効果もあり持ち直しの動きが見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化、資源価格・原材料価格の高留まり等、依然として不透明な状況が続いております。
食品小売業界におきましては、物価高騰により生活防衛的な消費傾向はますます強まっており、業種業態を超えた競争激化や人件費上昇、原材料価格・電気料等の高騰により厳しい経営環境が続いております。
このような環境の中、当社グループはスーパーマーケットとして食のライフラインを守るという使命を果たすため、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底しながら、お客様ニーズに細やかに対応し、店舗の営業継続に取り組んでまいりました。
昨年度よりスタートしております「第三次中期経営計画(第55期~第57期)」は、「地域一番のお客様満足の実現」を中期経営方針に掲げ、「お客様の多様なニーズへの対応」「従業員が挑戦できる環境の実現」「業務基盤の活用による生産性の向上」「事業を通じた地域社会の課題解決」を重点課題とし、以下の施策に取り組んでおります。
「お客様の多様なニーズへの対応」については、ニーズの高い旬の生鮮品や健康志向・簡便即食商品等の販売強化を図るとともに、お客様の購入頻度の高い日配品の一部品目の価格を据え置くことで、お客様のくらしを応援しております。また、PB商品や当社の名物商品など付加価値の高い商品を拡充することにより売上総利益率を改善しております。さらに、来店受取型ネットスーパーについては、10月に「笠舞店(石川県金沢市)」を加え、現在5店舗で展開しており、「笠舞店(石川県金沢市)」ではご購入された商品をご指定の場所へ配送する「アルビスらくらく当日宅配サービス」を新たに開始しております。また、10月より新たなお客様との接点を広げるため「LINEミニアプリ」を導入、デジタル媒体による発信力の強化と広告の効率化を図り、アルビスPontaカードIDとの連携によるOne to Oneマーケティングの取り組みを開始しました。
「従業員が挑戦できる環境の実現」の取り組みとして、新入社員から経営幹部候補までの各階層に応じた教育プログラムに加え、店長が最新の店舗運営を習得するオンサイトプログラムを導入しております。また、地域社会を見守る認知症サポーター、熱中症対策アドバイザーの資格取得を推進しております。
「業務基盤の活用による生産性の向上」については、店舗業務における有効な改善施策を各店で共有・展開することで、さらなる生産性向上につなげております。また、プロセスセンターでは、継続的に製造工程を見直し原価率の改善に努めており、物流面では、運行管理システムの導入により配送状況の見える化を実現し、積載効率の改善により運行数を減少させるなど、コスト削減に努めております。
「事業を通じた地域社会の課題解決」については、「つなぐアルビス」をコミュニケーションメッセージに掲げ、地域・行政と連携し、地域社会の課題解決に努めております。当社が取り組んでいる「リレーフードドライブ」活動では、12月より「パスコ店(富山県射水市)」において富山県では初となる店舗常設型の無人フードドライブボックスを設置するとともに、「黒部店(富山県黒部市)」においては他業種と協業しての開催、「七尾店(石川県七尾市)」では和倉小学校の生徒とともに開催いたしました。当社は、食の大切さ、食品ロス削減について多くの方に知っていただけるよう、今後も本取り組みを推進してまいります。また、お買物支援と地域の見守りに取り組む「移動スーパー」は、当期中に4台増え17台で運行しております。
2050年の脱炭素社会実現の一環として、温室効果ガスの測定のほか、SDGs目標達成へ向けた環境保全への活動を「albis Green Action」と総称し取り組んでおります。従来からのトレー・ペットボトル回収などのリサイクル事業に加え、1月にはレジ袋をバイオマス50%使用に変更するなど、サステナブルな生活提案や環境負荷軽減に寄与しております。また、「美濃加茂店(岐阜県美濃加茂市)」では太陽光パネルを設置するなどCO2削減を推進しております。
新店につきましては、4月に富山県小矢部市に「いするぎ駅店」、7月に富山県黒部市に「黒部店」を出店しました。また11月に改装オープンした「羽根店(富山県富山市)」では、簡便即食商品および高品質商品を拡充し、これまでにない特色のある売場づくりを行っております。なお、2023年夏には、愛知県名古屋市において中部エリア3店舗目となる新規出店(北区金田店)を予定しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間は、前期新店3店舗と当期新店2店舗による売上増加により、営業収益71,743百万円(前年同期比3.7%増)となりました。利益面につきましては、高利益商品であるPB商品などの販売拡大とプロセスセンターの原価改善等により売上総利益率が改善(前年同期比0.7%増)したものの、各種資材・電気料等の価格高騰により、営業利益1,722百万円(前年同期比18.0%減)、経常利益2,094百万円(前年同期比18.6%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、1,391百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,206百万円増加し49,670百万円となりました。
この主な要因は現金及び預金の減少額879百万円、売掛金の増加額957百万円、商品の増加額272百万円、流動資産その他の増加額550百万円、建物及び構築物(純額)の増加額657百万円、有形固定資産その他(純額)の減少額160百万円等によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ355百万円増加し、19,368百万円となりました。
この主な要因は買掛金の増加額1,642百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少額345百万円、賞与引当金の減少額379百万円、流動負債その他の増加額735百万円、長期借入金の減少額1,310百万円等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ851百万円増加し、30,301百万円となりました。
この主な要因は利益剰余金の増加額779百万円、その他有価証券評価差額金の増加額72百万円によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設が、当第3四半期連結累計期間において完了したものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名
所在地
事業の部門
設備の内容
完了年月
完成後の増加能力
アルビス㈱
アルビスいするぎ駅店
富山県
小矢部市
スーパーマーケット部門
店舗新設
2022年
4月
年間売上
1,300百万円
アルビス㈱
アルビス黒部店
富山県
黒部市
スーパーマーケット部門
店舗新設
2022年
7月
年間売上
1,300百万円