【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、景気後退懸念がありながらも概ね底堅く推移しました。物価指標もピークアウト感はあるものの依然として高水準にあるために金融引き締めが続き、日本の金融政策との対比から円安基調が継続しました。米国経済は、財政支援により押し上げられた設備投資と堅調な個人消費により、大幅な金利引き上げにもかかわらず大きな落ち込みは見せませんでした。しかしながら、オフィス需要は低迷しており、下期にかけては緩やかに減速するとの見方が主流となっています。また、日本の金融政策の修正から為替の動向も注視していく必要があります。
このような状況下、自動車向け、航空機向け、船舶向け、トラック向けが牽引した結果、当第2四半期連結累計期間は前年同四半期比で増収となりました。海上輸送の正常化による在庫調整や金利高の影響はあったものの、想定より円安で推移したことと販売数量の増加に加えて、物流コストやクレーム対応費用の低減もあり、利益面においては前年同四半期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益105億64百万円(前年同四半期比18.0%増)、営業利益18億1百万円(前年同四半期比44.7%増)、税引前四半期利益16億38百万円(前年同四半期比30.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益10億21百万円(前年同四半期比13.3%増)となりました。
用途別の売上収益の概況は、次のとおりであります。
①家具用
マクロ経済的要因の影響で家具市場は第1四半期から第2四半期にかけて減速し、特にヘルスケア向けは需要鈍化の影響がより顕著でした。一方で販売店向けは在庫状況が改善し販売増となりました。家具向け全体の売上は前年同四半期を下回りました。
この結果、家具用の売上収益は24億71百万円(前年同四半期比5.0%減)となりました。
②自動車用
シート用素材が引き続き牽引し、更にシフトブーツ向け等の内装材も車両生産部品不足の緩和で増加に転じ、自動車向け全体の売上は前年同四半期を大きく上回りました。
この結果、自動車用の売上収益は45億55百万円(前年同四半期30.8%増)となりました。
③航空機用
ビジネスジェット向け、民間航空機向けともに、既存と新規のプログラムが堅調な中、需要が強く、航空機向け全体の売上は前年同四半期を大幅に上回る結果となりました。
この結果、航空機用の売上収益は11億53百万円(前年同四半期比68.0%増)となりました。
④その他
その他事業分野には、RV・アパレル・船舶・トラック用などが含まれます。船舶向け製品が大きく伸長し、規制変更前のトラック向け駆け込み需要と相まって、金利上昇による需要抑制や在庫調整に伴うRV・アパレル向けの低迷を補いました。全体としては前年同四半期を上回りました。
この結果、その他売上収益は23億85百万円(前年同四半期比9.3%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は359億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億91百万円増加いたしました。これは主に、新工場建設開始による有形固定資産の取得及び外貨建無形資産が円安に推移したことによる増加があったものの、配当金及び法人所得税の支払により現金及び現金同等物が減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は218億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億67百万円増加いたしました。これは主に、運転資金及び設備投資による有利子負債の増加があったものの、法人所得税等の支払による減少があったことによるものであります。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は141億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当があったものの、四半期利益の計上によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8億31百万円減少し32億43百万円となりました。これは主に税引前四半期利益の計上、減価償却費及び償却費の計上があったものの、法人所得税の支払、長期借入金の返済及び配当金の支払があったことによるものであります。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったことに対し、法人所得税の支払等があったことにより7億40百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に新工場建設開始による支出等があったことにより7億67百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に長短借入金の返済及び配当金の支払があったことにより8億70百万円の支出となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の当社グループ全体の研究開発費の総額は、1億18百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資金の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、32億43百万円となり、前連結会計年度末と比べ8億31百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、(3)キャッシュ・フローの状況に記載しております。
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