【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間は、前年から続く原油やその他原材料価格の上昇、サプライチェーンの混乱などがロシアのウクライナ侵攻によりさらに悪化して世界中で物価上昇を引き起こしたため、米国をはじめ各国がインフレ抑制に向けて金融引き締めのスタンスに転じました。中国の7-9月期は、厳格なゼロコロナ政策による都市封鎖の影響を大きく受けた4-6月期からは持ち直しているものの、依然として新型コロナウイルス対応の移動制限が経済活動を妨げており、景気の下押し圧力となっています。米国では急速な利上げにより住宅消費の落ち込みが続き、個人消費も顕著に減速しており、景気後退が当社業績に与える影響が懸念されます。
このような状況下、自動車向けシート素材が大幅に伸長するとともに、輸送の混乱とインフレの逆風もある中で航空機用、家具用、レジャー用の伸びも著しく、第3四半期の売上は円安もあり前年同期比で大幅な伸びとなりました。原材料の高騰や輸送コストの上昇に加えて、クレーム対応費用、株式報酬費用、米国子会社における人件費等の増加があったものの、販売価格の一部改訂、生産量増加に伴う工場稼働の改善、為替差益等により、第3四半期の利益面においても前年同四半期を大幅に上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益142億75百万円(前年同四半期比41.7%増)、営業利益23億51百万円(前年同四半期比172.8%増)、税引前四半期利益23億66百万円(前年同四半期比212.9%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益16億23百万円(前年同四半期比242.7%増)となりました。
用途別の売上収益の概況は、次のとおりであります。
①家具用
長引くインフレと景気減速の影響を受けながらも、ヘルスケア向けとコントラクト家具はオフィス回帰の流れの中で堅調に推移し強い伸びを見せました。住宅向けや販売店向けは在庫不足と配送遅延の影響を受けたものの、家具向け全体の売上は前年同四半期を上回りました。
この結果、家具用の売上収益は39億75百万円(前年同四半期比33.7%増)となりました。
②自動車用
自動車向けシート素材のプログラムが好調だったことから、一部の小型部品用で多少の販売鈍化が見られたものの、自動車向け全体の売上は前年同四半期を大きく上回りました。
この結果、自動車用の売上収益は58億95百万円(前年同四半期49.7%増)となりました。
③航空機用
民間航空機向けは、旅客需要は急回復しているものの、航空各社は内装の更新を来期に先延ばしすることが多くなり前年同期並みの水準に留まりました。一方、ビジネスジェット向けは、メーカー各社が世界的な配送遅延から部品入荷の長期化を懸念して在庫を積み増したことで急伸し、航空機向け全体の売上は前年同四半期を大きく上回りました。
この結果、航空機用の売上収益は11億円(前年同四半期比57.8%増)となりました。
④その他
前期も堅調であったRV、船舶等のレジャー関連向けのトレンドが一段と加速しました。小型トラックやバス向けも市況反転を実感できるものでした。アパレル向けは堅調な受注があり伸長しました。これらの分野が牽引しその他売上全体は前年同四半期を上回りました。
この結果、その他売上収益は33億5百万円(前年同四半期比34.2%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は376億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億93百万円増加いたしました。これは主に、売上高増加による売上債権及び棚卸資産が増加、為替相場が円安基調で推移した影響によりのれん及び無形資産が増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は244億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ51億49百万円増加いたしました。これは主に、運転資金及び自己株式取得資金調達により有利子負債が増加したことによるものであります。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は132億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億44百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当及び自己株式の取得による減少があったものの、四半期純利益の計上及び資本の構成要素の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億63百万円増加し42億83百万円となりました。これは主に税引前四半期利益の計上、減価償却費及び償却費の計上があったものの、棚卸資産及び営業債権及びその他の債権の増加、営業債務及びその他の債務の減少、借入金の増加及び自己株式の取得等があったことによるものであります。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったことに対し、棚卸資産及び売上債権の増加、仕入債務の減少及び法人所得税の支払等があったことにより3億55百万円の資金を獲得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に土地取得による支出等があったものの、貸付金の回収があったことにより4億39百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に運転資金及び自己株式取得のための借入金の増加、借入金返済、自己株式取得及び配当金の支払があったことにより2億12百万円の支出となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループ全体の研究開発費の総額は、136百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資金の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、42億83百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億63百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、(3)キャッシュ・フローの状況に記載しております。
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