【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ棚卸資産が244億7千5百万円、有形固定資産が79億8百万円それぞれ増加したことなどにより、310億7千5百万円増加し、5,916億3百万円となりました。また、負債は、賞与引当金が56億1百万円減少しましたが、契約負債が111億2千8百万円増加したことなどにより、71億6千8百万円増加し、1,865億3千1百万円となりました。純資産は、利益剰余金が211億8千1百万円増加したことなどにより、239億7百万円増加し、4,050億7千1百万円となりました。
ロ.経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレ抑制に向けた各国の金融引き締めによる景気下振れリスクの拡大、中国ゼロコロナ政策によるロックダウンや、その後の政策変更に伴う感染者数急拡大など、不透明な状況が継続しました。
このような経営環境のもと、当社グループの売上は、部品・部材不足による生産遅延、中国の新型コロナウイルス感染拡大により製品据付遅延などの影響を受けました。また、営業利益は、コロナ禍で抑制していた人材投資・開発投資を進めたことや、中国の新型コロナウイルス感染拡大影響による売上減少、部品・部材価格高騰の影響を受けました。一方で、連結子会社化した日水製薬株式会社の業績が2022年10月から業績に寄与したことに加え、為替の円安進行による押し上げ効果により増収増益となり、過去最高を更新しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は3,394億7千2百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は457億8千万円(同0.7%増)、経常利益は483億2千万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は359億2千2百万円(同6.0%増)となりました。
なお、医用機器製品の販売・保守業務などを手掛ける当社子会社の島津メディカルシステムズ株式会社において判明した、熊本県内の医療機関におけるX線装置の保守点検に関する5件の不適切行為について、当社は、本件の発生を重く受け止め、2022年9月1日付で、外部の専門家から構成される外部調査委員会を設置し、客観的かつ徹底的な調査及び再発防止策の提言を委託しております。当社は、調査委員会による調査の結果、明らかになった事実を速やかに公表するとともに、信頼の回復に向けて抜本的な再発防止に全力で取り組んでまいります。
各セグメントの経営成績はつぎのとおりです。
① 計測機器事業
計測機器事業は、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響、部品・部材不足の影響を受けました。一方、グローバルで創薬開発や医薬品の自国生産が進み、医薬を中心とするヘルスケア分野向けに、主力の液体クロマトグラフの需要が増加しました。また、国内で新型コロナウイルス感染者数の増加に伴い、新型コロナウイルス検出試薬キットが増加したことに加え、日水製薬株式会社を連結子会社としたことも業績に貢献しました。
この結果、当事業の売上高は2,202億8百万円(前年同期比10.7%増)となり、営業利益は部品・部材価格高騰の影響を受けましたが、売上の増加等により、381億4千3百万円(同0.8%増)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本
74,030
78,350
5.8
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新型コロナウイルス検出試薬キットが増加。加えて、カーボンニュートラルを目標としたグリーンイノベーション分野向けにガスクロマトグラフや試験機が増加。また、連結子会社化した日水製薬株式会社の業績も貢献。
北米
21,738
23,901
10.0
一部大手顧客向け需要や新型コロナウイルス検出試薬キットが減少したものの、医薬向けに液体クロマトグラフや質量分析システム、水質分析向けに環境計測機器が増加。
欧州
21,536
23,670
9.9
ロシア向けが減少したものの、臨床分野における規制強化対応向けに液体クロマトグラフや質量分析システムが増加。
中国
50,207
54,623
8.8
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、医薬向けに液体クロマトグラフが増加。
その他のアジア
23,130
29,533
27.7
インドや東南アジアで医薬向け需要が拡大したことにより、液体クロマトグラフや質量分析システムが増加。
② 医用機器事業
医用機器事業は、医療機関による設備投資の回復に伴い、X線TVシステムなどのX線装置や、放射線治療装置用動体追跡システムが増加しました。
この結果、当事業の売上高は534億2千万円(前年同期比14.0%増)となり、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、37億5千5百万円(同9.0%減)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本
25,528
27,598
8.1
医療機関の設備投資回復により血管撮影システムの新製品が増加。
北米
6,023
7,545
25.3
米国市場向けに投入した近接操作型X線TVシステムが増加。
欧州
2,661
3,168
19.1
東欧向けに一般撮影システムが増加。
中国
3,553
3,569
0.5
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、アフターマーケット事業が増加。
その他のアジア
4,832
5,387
11.5
東南アジアにおいて一般撮影システム、インドで血管撮影システムが増加。
③ 産業機器事業
産業機器事業は、ターボ分子ポンプが半導体製造装置向け、建材ガラス、薄膜太陽電池等の薄膜製造装置向けに増加しました。また、プラスチック強化材向けガラス繊維の需要拡大に伴い、ガラスワインダが増加しました。油圧機器は一部顧客による生産調整の影響があったものの、産業車両・建設機械・農業機械分野の需要が堅調に推移し、微増となりました。
この結果、当事業の売上高は462億7千3百万円(前年同期比11.6%増)となり、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、44億4千1百万円(同0.4%減)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
前第3四半期
連結累計期間(百万円)
当第3四半期
連結累計期間(百万円)
増減率
(%)
概況
日本
19,625
19,532
△0.5
半導体製造装置向けターボ分子ポンプが増加。一方、前年大口案件の反動により工業炉が減少したことに加え、一部顧客の生産調整により油圧機器が減少。
北米
5,861
6,493
10.8
半導体製造装置向けターボ分子ポンプや、産業車両・建設機械・農業機械向けに、油圧機器が増加。
欧州
2,157
3,059
41.8
半導体製造装置向けターボ分子ポンプが増加したことに加え、産業車両・建設機械・農業機械向けに、油圧機器が増加。
中国
9,699
12,670
30.6
ガラス繊維向けの需要拡大に伴い、ガラスワインダが増加。加えて、半導体製造装置や建材ガラス・薄膜太陽電池のコーティング向けにターボ分子ポンプが増加。
その他のアジア
4,017
4,377
8.9
韓国や台湾で半導体製造装置向けターボ分子ポンプが増加。
④ 航空機器事業
航空機器事業は、防衛分野が減少しましたが、民間航空機分野は社会経済活動の再開に伴い、航空旅客需要が増加し、回復基調となりました。
この結果、当事業の売上高は162億5千2百万円(前年同期比7.9%増)となりました。営業利益は売上の増加や収益改善により、6億7千6百万円(前年同期は6千9百万円の営業損失)となり、2期振りに黒字に転じました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本
12,305
11,595
△5.8
防衛分野向け修理案件が減少。
北米
2,600
3,975
52.9
航空旅客需要の増加に伴う航空機増産により、民間航空機向け搭載機器が増加。
⑤ その他の事業
当事業の売上高は33億1千7百万円(前年同期比7.8%減)となり、営業利益は4億5千8百万円(同40.1%減)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、78億2千9百万円です。
