【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレ抑制に向けた欧米での政策金利引き上げが、コロナ禍からの景気回復に大きくブレーキをかけることとなりました。半導体・原材料調達難は一部緩和方向に向かい始めましたが、ウクライナ危機に伴う資源供給の遮断により物価上昇は継続しました。また、ウクライナ危機の長期化と台湾を巡る米中の緊張関係の高まり、米国金融政策見通しの修正に伴う急激な円安から円高への為替変動、中国における12月以降のウィズコロナ政策への実質的な転換の影響など、世界経済の先行きは不透明感を一層深めることになりました。当電子部品業界におきましては、車載市場では、パワー半導体、アナログ半導体などの不足が継続し依然として自動車生産は本格的な回復に至りませんでした。情報通信市場では、スマートフォン、タブレットなどについて半導体・原材料不足は回復基調に転じましたが、世界的なインフレや景気後退の影響などにより低調に推移しました。家電市場では、巣ごもり需要や衛生志向の高まりを背景に好調に推移してきた調理家電、空気清浄機などには反動減が起きましたが、エアコンなどは伸長しました。産機市場はウィズコロナ下での経済活動再開に伴う設備投資の回復により底堅く推移しましたが、足元では工作機械に一服感が見受けられました。当社では、新型コロナウイルス感染対策や部材調達と在庫管理を徹底し、積極的な新製品の投入とコスト削減に努めた結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は420億9千9百万円(前年同期比18.3%増)、営業利益は14億7千6百万円(前年同期比114.5%増)となりました。経常利益は円安による為替差益8億3千2百万円を計上し、28億5千9百万円(前年同期比26.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億5千万円(前年同期比27.9%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(CS事業部) コネクタは、情報通信市場において、米国顧客タブレット用は新機種の寄与により拡大しましたが、スマートフォン用は買い替え需要の低下、インフレ、世界情勢不安などから需要が縮小し、前年を下回りました。一方、車載市場においては、主力のカメラ用が堅調に推移したことに加え、電装品用などのシェアアップにより順調に拡大し、前年を上回りました。また、家電市場においても、ゲーム機用やTV用が好調に拡大し、CS事業全体として前年を上回る結果となりました。この結果、当事業の売上高は157億4千4百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は10億1千8百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
(SCI事業部) 車載市場において、自動車生産は本格的な回復には至らなかったものの、シェアアップや搭載数増などにより操作ユニット、カメラモジュール、タッチセンサーなどが拡大し前年を上回りました。家電市場では、主力のリモコンにおいてスマート家電用新機種が本格的に売上貢献したことや、住設・エアコン・サニタリー用なども好調に推移しました。また、住設用ユニットも順調に拡大し、SCI事業全体として前年を大きく上回る結果となりました。この結果、当事業の売上高は261億1百万円(前年同期比27.1%増)、営業利益は5億7千8百万円(前年同期は営業損失8千1百万円)となりました。
(開発センター) 開発センターの主力事業、無線通信モジュールの売上の中心であるBluetooth®モジュールにおいて、決済端末用は前年を割り込みましたが、モバイルプリンター用、医療機器用が拡大し、開発センター全体としては前年を上回る結果となりました。この結果、当事業の売上高は2億3千6百万円(前年同期比6.3%増)、営業損失は1億2千1百万円(前年同期は営業損失1億6千6百万円)となりました。
② 財政状態流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.7%増加し、351億1千9百万円となりました。これは、売掛金が12億6千5百万円、商品及び製品が14億6千7百万円それぞれ増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.5%減少し、227億1千8百万円となりました。これは、有形固定資産が4億4百万円減少したことなどによります。 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.6%増加し、578億3千8百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べて14.0%増加し、172億9千8百万円となりました。これは、短期借入金が17億3千万円増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて11.3%減少し、79億5千5百万円となりました。これは、長期借入金が10億1千7百万円減少したことなどによります。 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.6%増加し、252億5千3百万円となりました。 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.3%増加し、325億8千4百万円となりました。これは、自己株式が19億3千4百万円減少したことなどによります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は18億2千6百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、SCI事業部の生産実績(前年同期比36.1%増)が著しく増加しております。増加の背景につきましては、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、車載市場において、操作ユニット、カメラモジュール、タッチセンサーなどの販売が拡大し、家電市場において、スマート家電用リモコンの新機種や、住設・エアコン・サニタリー用リモコンの販売が好調に推移したことなどによります。
