【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当第2四半期連結累計期間の売上高は、366億78百万円(前年同四半期比8.8%増)となりました。一方、営業利益につきましては、イギリスの医薬品価格規制制度の一部見直しによる経費の増加、さらに販売促進費及び減価償却費などの増加により53億27百万円(前年同四半期比9.6%減)となりました。なお、経常利益以下につきましては、前期はスイスフラン高の急激な進行により多額の為替差損を計上したものの、当期は少額ながら為替差益に転じたことなどにより、経常利益54億95百万円(前年同四半期比6.1%増)、さらに特別利益として契約解除損失引当金戻入額を計上したことにより親会社株主に帰属する四半期純利益は53億96百万円(前年同四半期比35.0%増)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の海外売上高比率は50.3%(前連結会計年度47.4%)となっております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①医療用医薬品事業
主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」につきましては、国内市場においては2023年4月に実施された薬価改定の影響などを受け苦戦いたしましたが、海外市場において1600mg製剤の伸長を背景にイギリス、ドイツなどで好調に推移した結果、全体として売上は堅調に推移いたしました。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」につきましては、海外市場において引き続き営業リソースを積極的に投入した結果、フランス、イギリス、スペインなどの国で売上を大きく拡大いたしました。また、日本国内においても2023年4月にアステラス製薬株式会社から製造販売承認を承継し、製品普及に努めております (国内販売名:「ダフクリア」)。一方、炎症性腸疾患(IBD)治療剤「エントコート」(国内販売名:「ゼンタコート」)につきましては、海外の一部の国で後発医薬品が上市された影響を受け苦戦いたしました。なお、「フェインジェクト」につきましては、産婦人科・消化器科領域を中心に市場構築に努めております。
これらの結果、当事業の売上高は、239億円(前年同四半期比11.1%増)、営業利益は52億57百万円(前年同四半期比10.4%減)となりました。
②コンシューマーヘルスケア事業
主力製品である「ヘパリーゼ群」につきましては、新型コロナウイルス感染症対策の行動規制緩和やそれに伴う人流の回復等により、医薬品ヘパリーゼ群・コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群ともに売上が拡大いたしました。「コンドロイチン群」につきましても、積極的な広告宣伝投資などの効果もあり、売上は好調に推移いたしました。また、2023年4月に第2類医薬品に移行した月経前症候群(PMS)治療薬「プレフェミン」をはじめとする西洋ハーブ群や、歯周病・口臭対策用薬用歯みがきマスデント群につきましても売上は伸長いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は、127億円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は25億26百万円(前年同四半期比2.9%増)となりました。
③その他
保険代理業・不動産賃貸収入などにより、当事業の売上高は77百万円(前年同四半期比1.9%増)、営業利益は1億24百万円(前年同四半期比6.6%増)となりました。
(財政状態の状況)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,481億58百万円となり、前連結会計年度末対比131億24百万円の増加となりました。その内訳は流動資産が559億56百万円で、前連結会計年度末対比77億52百万円の増加、固定資産が922億2百万円で、前連結会計年度末対比53億71百万円の増加となっております。流動資産の増減の主なものは、現金及び預金の増加22億48百万円、受取手形及び売掛金の増加41億46百万円、商品及び製品等の棚卸資産の増加15億20百万円であります。また、固定資産の増減は、有形固定資産の増加9億90百万円、無形固定資産の増加27億25百万円、投資その他の資産の増加16億55百万円であります。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は721億96百万円となり、前連結会計年度末対比28億42百万円の増加となりました。その内訳は流動負債が530億21百万円で、前連結会計年度末対比58億63百万円の増加、固定負債が191億74百万円で、前連結会計年度末対比30億20百万円の減少となっております。流動負債の増減の主なものは、買掛金の増加10億67百万円、短期借入金の増加36億48百万円、未払法人税等の増加9億82百万円であります。固定負債の増減の主なものは、長期借入金の減少25億23百万円、契約解除損失引当金の減少8億97百万円であります。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は759億62百万円となり、前連結会計年度末対比102億81百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上53億96百万円、前期末配当の実施9億69百万円、為替換算調整勘定の増加48億24百万円等によるものであります。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は前連結会計年度末と比べ2.6%上昇し、51.1%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、期首残高対比22億48百万円増加し、183億43百万円となりました。これは、主に投資活動によるキャッシュ・フローが21億86百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが22億85百万円のマイナスであったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが49億64百万円のプラスであったためであります。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間は49億64百万円の資金の増加となりました(前年同四半期比3億67百万円減)。これは、税金等調整前四半期純利益の計上64億12百万円、減価償却費の計上30億31百万円、契約解除損失引当金の減少9億23百万円、売上債権の増加28億4百万円、棚卸資産の増加8億24百万円、仕入債務の増加10億34百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間は21億86百万円の資金の減少となりました(前年同四半期比12億23百万円減)。これは、有形固定資産の取得による支出13億95百万円、無形固定資産の取得による支出8億88百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間は22億85百万円の資金の減少となりました(前年同四半期比1億66百万円減)。これは、短期借入金の増加11億68百万円、長期借入れによる収入5億円、長期借入金の返済による支出28億24百万円、配当金の支払い9億66百万円等によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、17億46百万円であります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
②資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料、仕入商品の購入などのほか、製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用です。研究開発費は、販売費及び一般管理費に計上されております。一方、設備投資をはじめとして有形・無形固定資産などへの投資資金需要が発生いたします。当社グループはこれらの資金需要に自己資金及び社債の発行、長・短期借入金にて対応しております。