【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の概要
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症からの経済・社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復に向かいました。旅行・外食などのサービス消費を中心に、個人消費は持ち直しております。また、訪日外国人数の増加によりインバウンド需要も回復に向かっております。一方、消費者物価の高止まり、各国における金融引き締めや中国経済の先行き懸念など、景気後退につながるリスクは存在しております。
当水産流通業界におきましては、訪日外国人の増加や各種イベントの復活等により外食を中心に消費は回復傾向になりました。しかし、販売環境については、天然魚の漁獲が低位で推移し加えて円安も影響して魚価は高値圏が続いており、生活様式の変化や物価上昇による消費者の生活防衛意識が高まっています。今後ALPS処理水の海洋放出による影響も懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、安全・安心な水産物を安定供給するという社会的使命を果たすべく、産地出荷者とのネットワークの強化等に努めてまいりました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は472億32百万円(前年同期比1.3%増)となりました。損益面では、営業利益は2億62百万円(前年同期比39.4%増)、経常利益は2億96百万円(前年同期比36.3%増)、また親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8百万円(前年同期比64.2%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(水産物販売事業)
水産物販売事業は、売上については昨年から外食需要の回復傾向が続いており、市場部門は順調に推移しました。鮮魚関係では、天然魚は水揚げが少なく特にスルメイカ、カレイ類等の大衆魚が減少しましたが、養殖物を中心にブリ類・サケ類の売上が増加しました。塩冷関係ではチリメン、シラス等の干魚類にて取扱数量は減少したものの魚価高の影響により売上は前年を上回りました。市場外部門については、量販店等小売り業態への販売は魚価高の影響から売上は前年を上回ったものの、利益率の確保が難しい環境が続きました。
一方、輸入冷凍魚については一部の魚種で相場下落がありましたが、円安の進行や原材料価格の増大により依然として高値圏となっており、取扱数量は減少となったものの販売単価の上昇により売上は増加しました。
損益面では、輸入冷凍魚を中心に利益率の確保に苦戦し、売上総利益は前年同期を下回りました。しかし、輸出部門におけるフレート代等の販売費の減少により、セグメント利益は前年同期の実績を上回りました。その結果、売上高が471億20百万円(前年同期比1.3%増)となり、セグメント利益は3億19百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
(冷蔵倉庫等事業)
冷蔵倉庫等事業は、保管料及び荷役作業収入の増加により売上高が1億37百万円(前年同期比21.6%増)となり、セグメント利益は12百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。
b.財政状態の概要
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて12億50百万円増加し、237億38百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が5億99百万円、投資有価証券が6億24百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて5億63百万円増加し、148億19百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が16億4百万円増加した一方で、短期借入金が12億円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6億86百万円増加し、89億19百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益を3億8百万円計上したこと等によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の四半期末残高は、28億69百万円(前年同期比5億65百万円増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加による資金の増加(16億4百万円)、売上債権の増加による資金の減少(5億85百万円)等により11億90百万円の収入(前年同期は24億89百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による資金の増加(2億円)等により2億20百万円の収入(前年同期は49百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少(12億円)等により12億68百万円の支出(前年同期は26億44百万円の収入)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。