【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の概要
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行されるなど経済・社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復に向かいました。旅行・外食などのサービス消費を中心に、個人消費は持ち直しております。また、訪日外国人数の増加によりインバウンド需要も回復に向かっております。一方、消費者物価の高騰、各国における金融引き締めなど、景気後退につながるリスクは存在しております。
当水産流通業界におきましては、天然魚の漁獲量の減少や輸入魚における円安の影響が常態化しており、さらに原材料価格や物流コストも上昇傾向で魚価高が続いております。一方、消費面ではイベント等の復活や訪日外国人数の増加等により人流が拡大し外食の需要は回復傾向にあるものの、賃金の伸びを上回る物価上昇が購買力を低下させており、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、安全・安心な水産物を安定供給するという社会的使命を果たすべく、産地出荷者とのネットワークの強化等に努めてまいりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は242億42百万円(前年同期比0.7%増)となりました。損益面では、営業利益は1億60百万円(前年同期比15.6%減)、経常利益は2億41百万円(前年同期比9.3%減)、また親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券売却益等により2億84百万円(前年同期比26.1%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(水産物販売事業)
水産物販売事業は、消費面では外食関係の需要は引き続き回復基調となりましたが、量販店等小売業態への販売は魚価高もあり伸び悩んでおります。
鮮魚関係では、マグロ、ブリ等刺身商材を中心に販売は比較的順調に推移したものの、アジ、スルメイカ、サワラ等の天然の大衆魚は漁獲量が減少、養殖魚は餌代の高騰や在池量の減少等によりタイなどの供給量が減少しました。塩冷関係では、チリメン、シラスの販売が比較的順調に推移しました。また、輸入魚については、原材料価格や物流コストの増大と円安の継続が魚価高の一因となっております。
このような状況のもと、外食関係の需要等の回復により市場内販売は堅調であったことから、売上高は前年並みで推移したものの、市場外販売での売上総利益率が低下したことなどもあり、セグメント利益は前年同期の実績を下回りました。
その結果、売上高は241億89百万円(前年同期比0.7%増)となり、セグメント利益は1億94百万円(前年同期 比12.6%減)となりました。
(冷蔵倉庫等事業)
冷蔵倉庫等事業は、保管料及び荷役作業収入の増加により売上高が66百万円(前年同期比15.3%増)となり、セグメント利益は5百万円(前年同期はセグメント損失0百万円)となりました。
b.財政状態の概要
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて16億11百万円増加し、241億円となりました。これは受取手形及び売掛金が4億28百万円、商品及び製品が5億81百万円、投資有価証券が3億37百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億84百万円増加し、154億40百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が14億47百万円増加した一方で、短期借入金が4億円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて4億27百万円増加し、86億59百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益を2億84百万円計上したこと等によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。