【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済はインフレに対する金融政策の反動により、実体経済への先行き懸念が強まりつつも総じて底堅く推移しました。一方、ゼロコロナ政策解除後の中国経済は、不動産業界や輸出産業の低迷により、コロナ禍以前の水準に回復することはありませんでした。 このような経済状況の中、当社グループは、収益性確保の為の適切な価格転嫁や市場競争激化に対応する為の物流最適化の推進により、事業基盤の強化に努めました。 この結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの連結売上高は、366億98百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は22億62百万円(前年同期比10.2%減)、経常利益は25億57百万円(前年同期比5.7%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、17億95百万円(前年同期比6.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
◆アジア事業
[産業資材事業]
主要顧客である日系建機・農機メーカーへのゴム・樹脂商材の新規採用品目が増加した一方で、欧州乗用車メーカーの生産台数が想定を下回ったため、尿素SCR商材の販売が減少しました。また、中国の経済回復が足踏み状態にあることから同国の建機生産台数が減少し、関連商材の販売が伸び悩みました。そのため、売上高は89億15百万円(前年同期比0.6%増)に留まりました。損益面では価格転嫁のタイムラグに為替の影響が加わり、営業利益は13億9百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
[スポーツ・建設資材事業]
スタジアム、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化が奏功し、「モンドトラック」(陸上競技用全天候舗装材)及び体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加しました。また、鉄道の駅舎案件を受注したことにより、「エンシン階段」の販売が増加しました。一方、国内の商業施設で使用される「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)は民間の大型設備投資案件が一巡したことから販売が減少しました。これらの結果、売上高は43億10百万円(前年同期比20.3%減)となり、営業利益は7百万円(前年同期比96.4%減)となりました。
[その他事業]
イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、名古屋に直営店を出店したことで店舗販売が増加しましたが、Eコマース、量販店における販売が伸び悩みました。これらの結果、その他事業における売上高が3億38百万円(前年同期比7.8%減)に留まりました。損益面では広告宣伝活動や新規出店に伴うマーケティング費用の増加により、営業損失は1億45百万円(前年同期は営業損失38百万円)となりました。
以上のことから、アジア事業全体では、売上高は135億64百万円(前年同期比7.4%減)となり、営業利益は11億71百万円(前年同期比26.8%減)となりました。
◆北米事業
旺盛な需要を捉えるべく物流機能の最適化に向けた取り組みが各種ホース・継手の販売機会を獲得する契機となりました。一部の市場動向に減速感があるものの、米国政府のインフラ投資により建設業が活況だったことをはじめ、幅広い分野で総じて需要が底堅く推移しました。これらに円安の影響が加わった結果、売上高は200億59百万円(前年同期比11.7%増)となりました。損益面では高止まりが続く物流費及び人件費の影響や支店倉庫の新設、機能改善に伴う費用が発生したことから営業利益は12億20百万円(前年同期比1.3%減)となりました。カテゴリ別の概況は以下の通りです。
▽産業用樹脂ホース「Tigerflex」
農業関連の需要に一時的な陰りが窺えたものの、製造業、鉱業、インフラ整備に関連する建設業等、多岐にわたる関連分野の需要が高水準を維持したことから販売が好調に推移しました。
▽高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」
大手飲料メーカーやコンビニエンスストア向けに飲料用ホースの販売が高水準を維持したことに加え、製造業の活況を受け、エアーツール用や配送用ホースの販売が増加しました。
▽ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」
市場の在庫調整が続く外壁塗装用ペイントスプレーホースは販売が軟調だった一方、インフラ整備が活況だった影響を受けて下水配管洗浄用ホースの販売が好調に推移しました。
▽ゴムホース・その他
オイル・ガス関連需要が減少傾向にあるものの、製造業、一般産業等における新規顧客獲得に加え、建設業において好調な需要が継続したことから、低圧用、高圧用共にゴムホースの販売が増加しました。また、消防ホースの旺盛な需要を見越した営業体制強化が功を奏し、米国市場のシェア獲得が進展した為、販売が好調に推移しました。
◆欧州・南米事業
欧州域内及び南米地域における地産地消の優位性を活かした営業活動により消防機関向け「消防用ホース・ノズル」及び、農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が増加しました。また、アルゼンチンにおけるオイル・ガス生産量の増加に牽引され、長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が増加したことから売上高は30億74百万円(前年同期比31.5%増)となり、損益面ではアルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計適用がマイナス要因となったものの、適切な需要の取り込みと価格転嫁による増収効果により、営業利益は3億51百万円(前年同期比51.7%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6.3%増加し、669億15百万円となりました。これは、主に現金及び預金が1億73百万円増加した他、商品及び製品が18億93百万円増加したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末と比べて0.4%減少し、284億51百万円となりました。これは、短期借入金が5億53百万円減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて12.0%増加し、384億64百万円となりました。これは、利益剰余金が12億37百万円増加した他、為替換算調整勘定が26億6百万円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1億73百万円増加し、76億19百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な理由は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、25億2百万円の増加(前年同期は1億2百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益25億55百万円や売上債権の減少額8億74百万円が要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、7億49百万円の減少(前年同期は4億59百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億77百万円等が要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、21億20百万円の減少(前年同期は1億82百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の減少額9億50百万円、長期借入金の返済による支出10億48百万円等が要因であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響についての仮定は、前連結会計年度の有価証券報告書の「第4 経理の状況 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費総額は、2億21百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。