【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析当第1四半期連結累計期間の売上高は6,065億円(前年同期比1,247億円・25.9%増加)、営業利益は728億円(同327億円・81.7%増加)、経常利益は717億円(同260億円・56.8%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は448億円(同122億円・37.4%増加)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間の為替換算レートは、米ドル132円(前年同期比16円の円安)、ユーロ142円(同12円の円安)でした。売上高は、二輪車や大型船外機の需要が堅調に推移する中、部品調達難や物流・生産課題等の改善により供給量が増加し、増収となりました。営業利益は、販売台数の増加に加え、原材料等コスト高騰に対する価格転嫁の効果拡大、円安によるプラス効果により、増益となりました。
セグメント別の概況〔ランドモビリティ〕売上高4,006億円(前年同期比851億円・27.0%増加)、営業利益337億円(同216億円・177.4%増加)となりました。二輪車事業では、先進国の需要が堅調に推移しました。新興国では経済の回復により、多くの国で需要が増加しました。当社の売上高は、部品調達難及び米国向け物流課題の改善により、全地域で販売台数が増加したことで増収となりました。営業利益は、販売台数増加に加え、価格転嫁の効果拡大や円安によるプラス効果により、増益となりました。RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、需要の落ち着きが見られるものの、在庫補充のための出荷が進みました。米国では、ROVの販売台数が増加し、モデルミックスが改善しました。原材料や人件費などのコストが上昇しましたが、米国工場の生産課題解消により生産効率が改善したことに加え、円安によるプラス効果もあり、増収・増益となりました。電動アシスト自転車では、サプライチェーンの混乱が収束に向かったことで生産台数が増加し、e-Kitの供給が大幅に改善しました。その結果、増収・増益となりましたが、市場は一転して在庫過剰気味になっているため、今後は生産調整を行う予定です。
〔マリン〕売上高1,461億円(前年同期比374億円・34.4%増加)、営業利益380億円(同176億円・86.5%増加)となりました。先進国では、大型船外機の需要が引き続き堅調に推移しました。当社は、米国向けの海上輸送及び米国国内の輸送課題が改善したことで出荷が進み、販売台数が増加しました。ウォータービークルでは、米国工場の生産課題解消により、販売台数が増加しました。円安によるプラス効果もあり、マリン事業全体で増収・増益となりました。
〔ロボティクス〕売上高198億円(前年同期比65億円・24.7%減少)、営業損失5億円(前年同期:営業利益37億円)となりました。サーフェスマウンターは、車載向けの需要は堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦や巣ごもり特需一巡により、中国・台湾・韓国を中心に販売が減少しました。半導体後工程装置は、スマートフォンやパソコン需要が低迷した影響を受け、販売が減少しました。その結果、ロボティクス事業全体で減収・減益となりました。
〔金融サービス〕売上高179億円(前年同期比51億円・40.3%増加)、営業利益16億円(同28億円・63.2%減少)となりました。販売台数の増加に伴い、全地域で販売金融債権が増加し、増収となりました。一方、昨年からの急激な金利上昇が資金調達コストにマイナスの影響を与えたことに加え、債権増加に伴う貸倒引当費用の増加により、減益となりました。
〔その他〕売上高222億円(前年同期比35億円・18.9%増加)、営業損失0億円(前年同期:営業損失6億円)となりました。米国工場の生産課題解消によりゴルフカーの販売台数が増加し、増収・増益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント
主要な製品及びサービス
ランドモビリティ
二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
マリン
船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
ロボティクス
サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス
当社製品に関わる販売金融及びリース
その他
ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比1,689億円増加し、2兆3,522億円となりました。流動資産は、二輪車等の販売シーズンを迎え販売金融債権や売掛金などが増加したことなどにより同1,569億円増加しました。固定資産は、販売金融債権の増加などにより同119億円の増加となりました。負債合計は、運転資金の増加等による有利子負債の増加などにより同1,402億円増加し、1兆2,692億円となりました。純資産合計は、配当金の支払228億円、親会社株主に帰属する四半期純利益448億円、為替換算調整勘定の増加123億円などにより同287億円増加し、1兆829億円となりました。これらの結果、自己資本比率は44.0%(前期末:45.9%)、D/Eレシオ(ネット)は0.35倍(同:0.31倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
税金等調整前四半期純利益721億円(前年同期:505億円)や減価償却費152億円(同:135億円)、仕入債務の増加127億円(同:192億円の増加)などの収入に対して、販売金融債権の増加629億円(同:107億円の増加)、売上債権の増加268億円(同:297億円の増加)、法人税等の支払額230億円(同:151億円)、棚卸資産の増加34億円(同:384億円の増加)などの支出により、全体では16億円の収入(同:125億円の支出)となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
固定資産の取得による支出193億円(前年同期:150億円の支出)、投資有価証券の取得による支出52億円(前年同期:14億円の支出)などにより、227億円の支出(前年同期:69億円の収入)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
配当金の支払などによる支出がありましたが、有利子負債の増加などにより580億円の収入(前年同期:279億円の収入)となりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは212億円のマイナス(前年同期:57億円のマイナス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,380億円(前期末比:412億円の増加)となりました。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債は6,942億円(同:915億円の増加)となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、252億円となりました。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、マリンセグメント、金融サービスセグメントにおける販売が著しく増加しました。詳細は、「(1)経営成績の分析」をご参照ください。
#C7272JP #ヤマハ発動機 #輸送用機器セクター