【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
(2024年3月期第1四半期連結累計期間におけるハイライト)
当社グループは、企業理念である「すべての「夢」の実現」に向けて、玩具事業の強化をさらに進め強固な経営基盤を築くとともに、海外展開を推進し、真の国際優良企業(Outstanding Global Company)への変革に取り組んでおります。また、2024年3月期においては、2022年3月期よりスタートした中期経営計画の最終年度として、経済活動や消費者の行動変化へ柔軟に対応を行い、中期経営計画の各施策達成に向かって取り組んでまいります。
(新型コロナウイルス感染症の影響などについて)
日本においては、新型コロナウイルス感染症に対する感染症法上の位置付けが5月8日に2類相当から5類感染症に移行されたこと等により、訪日外国人観光客を含めた人流の回復や各種イベントの再開など、社会経済活動の正常化へ向けた動きが一段と進みました。海外においても日本と同様に日常生活の回復へ向けた動きが進みました。
また、当社を取り巻く経営環境として、ウクライナ情勢の急激な悪化に端を発した、世界的な原材料価格の高騰やインフレーション、そして為替の急激な変動など、不透明感の高い状況が依然として続きました。
(連結業績について)
・売上高
定番商品においては、子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努めました。「プラレール」においては、これまでの子ども向けに加え、大人向けに「飾る楽しみ」と「走らせる楽しみ」を両立した「プラレール リアルクラス」の展開を新たにスタートさせました。「リカちゃん」では、1980年代に誕生し人気を集めたファッションドール「ジェニー」を「#Licca(ハッシュタグ リカ)」シリーズのフレンドドールとして復活させることを発表するなど、年齢軸の拡大に努めました。
また、テレビ・WebでのIP展開として、動かして遊べる動物フィギュア「アニア」初のテレビアニメとなる『冒険大陸 アニアキングダム』を開始するなど玩具とコンテンツの連動を図りました。
グループ会社では、タカラトミーアーツが展開するガチャ事業において、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長し、また、アミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」が引き続き好調に推移いたしました。さらに、小売事業キデイランドでは訪日外国人観光客を含めた人流の回復により販売が伸長するとともに、中国においては、前年同期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調いたしました。
以上により、売上高については43,102百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
・利益面
売上高の増加及び輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したことにより、営業利益は2,506百万円(前年同期比50.5%増)、経常利益については2,330百万円(前年同期比74.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については1,805百万円(前年同期比145.6%増)となりました。
(経営成績の概況)
<セグメント別業績の概況>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
増減率(%)
売上高
39,552
43,102
3,550
9.0
日本
33,245
36,521
3,276
9.9
アメリカズ
6,122
5,936
△186
△3.0
欧州
894
770
△124
△13.9
オセアニア
626
593
△33
△5.3
アジア
14,771
14,079
△691
△4.7
消去又は全社
△16,108
△14,797
1,310
-
営業利益又は営業損失(△)
1,665
2,506
841
50.5
日本
2,996
3,719
722
24.1
アメリカズ
△216
△274
△57
-
欧州
△237
△272
△34
-
オセアニア
31
58
26
85.1
アジア
463
417
△45
△9.9
消去又は全社
△1,371
△1,142
229
-
<日本>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
売上高
33,245
36,521
3,276
営業利益
2,996
3,719
722
定番商品においては、子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努めており、「プラレール」では、これまでの子ども向けの商品に加え、大人向けに「飾る楽しみ」と「走らせる楽しみ」を両立した、「プラレール リアルクラス」の展開を新たにスタートさせました。「リカちゃん」では1980年代に誕生し人気を集めたファッションドール「ジェニー」を「#Licca(ハッシュタグ リカ)」シリーズのフレンドドールとして復活させるなど、年齢軸の拡大に努めました。「トランスフォーマー」においては、新作映画公開に伴い映画のキャラクターをイメージした最新デザインの関連玩具を新たに発売するなど、注目が高まりました。
さらに、7月に発売となる現代版ベーゴマ「ベイブレード」の第4世代である「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」では、「ベイブレードは、スポーツへ。」をテーマに、玩具シリーズの展開やデジタル連動、漫画、テレビアニメ放送など各種施策について発表し、SNSなどで盛り上がりを見せました。
テレビ・WebでのIP展開として、今期発売10周年を迎えた動かして遊べる動物フィギュア「アニア」では、新たな定番商品として拡販に努めるとともに、4月よりテレビアニメ『冒険大陸 アニアキングダム』の放送を開始しました。また、「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれた個性豊かなキャラクターがおりなすアニメ『ゴー!ゴー!びーくるずー』ではタカラトミー公式YouTubeチャンネルに加えて、4月からテレビ放送を開始するなど、当社が保有するIPの積極展開に取り組みました。
イベント事業においては、「トミカ博」「プラレール博」など各種イベントを再開し好評を博しました。また、小売事業キデイランドでは訪日外国人観光客を含めた人流の回復により販売が伸長いたしました。タカラトミーアーツが展開するガチャ事業では、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長いたしました。アミューズメントマシンでは、「ポケモンメザスタ」が引き続き好調に推移いたしました。
6月の「日本おもちゃ大賞2023」において、タカラトミーグループでは大賞が3部門、イノベイティブ特別賞、さらに優秀賞が3部門と合計7商品が受賞となり、高い評価を得ることができました。
以上の結果、売上高については36,521百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は3,719百万円(同24.1%増)となりました。
<アメリカズ>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
売上高
6,122
5,936
△186
営業損失(△)
△216
△274
△57
ベビー用品の販売が堅調に推移するとともに、日本においてタカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」の販売が伸長いたしました。一方で、ファット・ブレイン・グループの販売が減少したこと等もあり、売上高は5,936百万円(前年同期比3.0%減)、営業損失は274百万円(前年同期営業損失216百万円)となりました。
<欧州>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
売上高
894
770
△124
営業損失(△)
△237
△272
△34
「Toomies」などのプリスクール関連商品やロングセラーパーティーゲーム「黒ひげ危機一発、海外商品名:Pop-Up Pirate」の販売が伸長したものの、ベビー用品や農耕車両玩具等の販売が減少したこともあり、売上高は770百万円(前年同期比13.9%減)、営業損失は272百万円(前年同期営業損失237百万円)となりました。
<オセアニア>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
売上高
626
593
△33
営業利益
31
58
26
農耕車両玩具の販売が堅調に推移し、ぬいぐるみ「Club Mocchi- Mocchi-」の販売が好調に推移したものの、ベビー用品等の販売が減少したこともあり、売上高は593百万円(前年同期比5.3%減)となりました。一方で、営業利益は輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したことにより58百万円(同85.1%増)となりました。
<アジア>
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減
売上高
14,771
14,079
△691
営業利益
463
417
△45
「トミカ」や「ポケモン」関連商品などが好調に推移したことに加え、タカラトミーアーツのアミューズメントマシンの好調が継続いたしました。また、中国においては、前年同期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調いたしました。
一方で、生産子会社であるTOMY (Hong Kong) Ltd.における欧米向け出荷が減少したこともあり、売上高は14,079百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は417百万円(同9.9%減)となりました。
財政状態(連結)の変動状況は次のとおりであります。
<資産>
流動資産は、前連結会計年度末に比較して2,539百万円増加し、114,203百万円となりました。これは主として、現金及び預金が減少した一方で、受取手形及び売掛金、商品及び製品が増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して1,674百万円増加し、49,529百万円となりました。これは主として、有形固定資産が減少した一方で、無形固定資産、投資その他の資産が増加したことによるものです。
<負債>
流動負債は、前連結会計年度末に比較して1,214百万円増加し、54,271百万円となりました。これは主として、未払金、未払法人税等が減少した一方で、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して1,019百万円減少し、18,276百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が増加した一方で、長期借入金が減少したことによるものです。
<純資産>
純資産は、前連結会計年度末に比較して4,018百万円増加し、91,185百万円となりました。これは主として、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定が増加したことによるものです。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,043百万円であります。 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C7867JP #タカラトミー #その他製品セクター