【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)においては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更となり、人出が回復するとともにニューノーマルを模索する動きが加速した一方で、円安が再度進行したことにより企業や家計のコスト上昇への警戒感が更に強まってきております。当社企業グループが属するIT産業においては、生成系AIが企業の人手不足対策や生産性向上に与える影響に注目が集まるとともに、サイバー攻撃に対する脅威がますますクローズアップされ、企業のIT投資意欲は一段と高まっていくものと判断しております。
このような経営環境のもと、当社企業グループは当第2四半期連結累計期間において、主に下記の取組みを行ってまいりました。
組織及び体制等当社においては、2023年4月より更なる品質強化と業務効率化の促進を目的として、当社の品質管理本部を再編し、品質・プロセス統括本部として改組いたしました。また、デジタルソリューション事業を中心とした当社企業グループの事業拡大のため、当社の営業統括部をビジネスイネーブルメントサービス本部の直下組織といたしました。また、当社企業グループの財務情報と非財務情報(経営理念、事業内容、価値創造プロセス、サステナビリティ/ESGの取組みなど)を整理し、詳述した「統合報告書2023」を創刊し、当社ホームページに掲載いたしました。
財務当社は、2023年5月10日付の取締役会決議に基づき、当第2四半期連結累計期間において自己株式500,000株(取得価額の総額995,644,700円)を市場買付けの方法により取得するとともに、2023年9月8日をもって自己株式1,000,000株の消却を行いました。この結果、当第2四半期連結会計期間末における発行済株式総数は22,000,000株となりました。
事業当社デジタルソリューション事業に関して、2023年4月に大手RPAベンダーであるUiPath社の「UiPath Japan Partner Awards 2022」において「Revenue Growth Partner of the Year」を受賞いたしました。7月には、ウィングアーク1st㈱と販売代理店契約を締結し、同社の電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」とUiPathを連携させることで経理業務のペーパーレス化と自動化を実現するソリューションの提供を開始いたしました。また、AI分野では、社内の業務効率化と顧客への提案内容の高度化を目的として、Microsoft社の「Azure OpenAI Service」を利用した生成系AIチャットサービス「CrePT(クレプト)」を構築し、2023年5月より社員向けの運用を開始いたしました。さらに、6月には当社のAI専門家による「AIエスコート」サービスの提供を開始しております。クラウド分野では、2023年9月より、CAD等のシステムをテレワーク環境でも快適に操作できるサービスである「GPUSOROBAN リモートワークステーション」の提供を開始いたしました。セキュリティ分野では、2023年5月より「セキュリティ脆弱性診断」のメニューにペネトレーションテストを追加し、疑似サイバー攻撃を通じた課題の洗い出しを行うサービスの提供を開始いたしました。
資本・業務提携2023年6月に、当社が資本出資するインド法人Cognavi India Private Limited社が、インド新卒学生向けジョブポータルサイト「Cognavi」をオープンいたしました。また、2023年9月には、ベトナムのレストラン&リテールテックスタートアップ企業であるCAPICHI PTE. LTD.(本社:シンガポール、以下「CAPICHI社」といいます。)に出資、業務提携契約を締結いたしました。業務提携により、当社はCAPICHI社のQRモバイルオーダーシステム「Capichi OI」の日本国内総代理店となり、観光インバウンド対策を通じて飲食店、小売店、宿泊施設のDX化と外国人顧客の満足度向上に貢献してまいります。
連結子会社㈱クレスコ・デジタルテクノロジーズが、サブスクリプション型Wi-Fiサービスである「CROSS for Mist」及び製造業向けの「統合BOM管理ソリューション」の提供を発表しております。
その一方で、当社及び一部の連結子会社で新卒社員を積極的に採用したことや、従業員の採用及びリテンション対策として給与水準の引き上げを実施したこと、並びに教育投資を拡大したことに伴い、前年同期に比べて人件費や教育費が増加しております。また、ITサービス事業に関して、当社の複数の大型請負案件について、システム仕様や機能要件、開発体制等に起因する不採算プロジェクトが発生いたしました。なお、余剰資金の運用に関連して、デリバティブ評価益(営業外収益)を2億66百万円、投資有価証券償還益(特別利益)を1億8百万円計上しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高256億31百万円(前年同期売上高233億9百万円、10.0%増)、営業利益19億78百万円(前年同期営業利益22億45百万円、11.9%減)、経常利益24億40百万円(前年同期経常利益21億16百万円、15.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益16億65百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益14億67百万円、13.5%増)と増収増益となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セグメント
売上高(千円)
セグメント損益(千円)
前期
当期
前年同期比
前期
当期
前年同期比
エンタープライズ
8,898,734
9,791,706
110.0%
1,107,331
926,966
83.7%
金融
7,172,664
7,027,519
98.0%
864,984
721,059
83.4%
製造
6,221,016
6,786,250
109.1%
990,340
1,100,224
111.1%
ITサービス事業計
22,292,414
23,605,476
105.9%
2,962,656
2,748,250
92.8%
デジタルソリューション事業
1,016,630
2,025,943
199.3%
41,646
90,855
218.2%
合計
23,309,045
25,631,420
110.0%
3,004,303
2,839,106
94.5%
ITサービス事業売上高は、236億5百万円(前年同期比5.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は27億48百万円(前年同期比7.2%減)となりました。サブセグメント別の状況は、次のとおりであります。
エンタープライズ売上高は、97億91百万円(前年同期比10.0%増)となりました。これは、主として「情報・通信・広告」「建設・不動産」の両分野において一部の連結子会社の売上が大きく伸びたことによるものであります。また、セグメント利益(営業利益)は、9億26百万円(前年同期比16.3%減)となりました。これは、主として「人材紹介・人材派遣」「流通サービス」の両分野において不採算プロジェクトが発生したことによるものであります。
金融売上高は、70億27百万円(前年同期比2.0%減)となりました。これは、「銀行」分野において受注を積み上げることができたものの、「保険」「その他」の両分野において大型案件の収束等の影響で受注が減少したことによるものであります。また、セグメント利益(営業利益)は、7億21百万円(前年同期比16.6%減)となりました。これは、「保険」「その他」の両分野における売上高の減少に加え、「銀行」分野で不採算プロジェクトが発生したことによるものであります。
製造売上高は、67億86百万円(前年同期比9.1%増)となりました。これは、主として当社及び一部の連結子会社において「機械・エレクトロニクス」分野での売上高が増加したことによるものであります。また、セグメント利益(営業利益)は、11億円(前年同期比11.1%増)となりました。これは、上記の売上高の増加と同様の理由によるものであります。
デジタルソリューション事業売上高は、20億25百万円(前年同期比99.3%増)となりました。これは主として、当社の主力クラウドサービスである「Creage」とRPAライセンスの販売増加によるものであります。また、セグメント利益(営業利益)は90百万円(前年同期比118.2%増)となりました。これは、上記の売上高の増加と同様の理由によるものであります。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末における資産総額は前連結会計年度末に比べ、11億62百万円増加し、347億97百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ、5億74百万円増加し、230億61百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3億円、有価証券が2億99百万円それぞれ減少したものの、仕掛品が5億35百万円、売掛金及び契約資産が4億31百万円、電子記録債権が2億44百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末に比べ、5億87百万円増加し、117億35百万円となりました。これは主に、投資その他の資産の「その他」に含まれる繰延税金資産が2億89百万円、のれんが1億11百万円、ソフトウェアが44百万円それぞれ減少したものの、投資有価証券が9億84百万円増加したことによるものです。当第2四半期連結会計期間末における負債合計は前連結会計年度末に比べ、2億17百万円増加し、94億3百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ、3億65百万円増加し、76億15百万円となりました。これは主に、受注損失引当金が2億87百万円、賞与引当金が66百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末に比べ、1億47百万円減少し、17億88百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が76百万円増加したものの、長期借入金が2億31百万円減少したことによるものです。当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ、9億44百万円増加し、253億93百万円となりました。これは主に、資本剰余金が4億24百万円減少したものの、自己株式が3億17百万円減少し、その他有価証券評価差額金が8億13百万円、利益剰余金が2億35百万円それぞれ増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ3億2百万円減少し、106億13百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは5億33百万円の収入(前第2四半期連結累計期間10億15百万円の収入)となりました。 これは主に法人税等の支払額が9億74百万円、売上債権及び契約資産の増加額が6億75百万円、棚卸資産の増加額が5億58百万円あったものの、税金等調整前四半期純利益が25億34百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは9億87百万円の収入(前第2四半期連結累計期間4億31百万円の支出)となりました。 これは主に投資有価証券の取得による支出が5億49百万円あったものの、投資有価証券の償還による収入が16億20百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは18億28百万円の支出(前第2四半期連結累計期間8億94百万円の支出)となりました。 これは主に自己株式の取得による支出が9億98百万円、配当金の支払額が5億67百万円、長期借入金の返済による支出が2億45百万円あったことによるものです。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40,174千円であります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因は以下のとおりであり、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
① 市況の動向新型コロナウイルス禍によるテレワークの浸透や昨今の円安・物価高騰が企業のIT戦略・IT投資の姿勢に質的・量的な変化をもたらしていると考えられ、これらの動向は当社企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
② プロジェクトマネジメント当社企業グループのプロジェクトマネジメントは標準化された手法を用いて行われておりますが、顧客とのミスコミュニケーションや仕様変更、開発人員の不足等により不採算プロジェクトや損害賠償責任が発生するリスクがあり、当社企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
③ 事業投資及び資金運用当社が保有するM&Aやアライアンス目的の金融商品並びに余剰資金の運用目的の金融商品は、市況及び金融市場の動向に強い影響を受けるため、当社企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析資本の財源及び資金の流動性については、当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(8) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
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