【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)
経営成績の状況
①事業全体の状況当第3四半期連結累計期間(令和4年1月1日~令和4年9月30日)における日本経済は、非製造業の景況感は改善したものの、製造業の景況感は、ウクライナ情勢による資源価格の上昇や円安の進行によるコスト高を販売価格に転嫁しきれなかったことにより利益が減少し、素材業種を中心に悪化しました。先行きについても、販売価格の転嫁が進まないことや利上げに伴う欧米の景況感減速などのリスクがあり、引き続き慎重とならざるを得ない状況です。
このような環境下で当社及び連結子会社は、いつの時代もお客様や社会から必要とされる企業を目指し、「業界『最速』『最短』『最良』の納品を実現できる会社になりたい。」等、11項目の「ありたい姿」(能力目標)実現のための取組みを継続しました。 当社は「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージに掲げ、プロツールの供給を通じて、お客様にとって最高の利便性を提供することが、結果として社会貢献につながると考え、トラスコの事業活動が社会価値と企業価値の両方を生み出すものとする「TSV活動(TRUSCO Shared Value)」に取り組んでいます。取扱アイテムの拡大とともに、在庫アイテム数を約54万アイテムまで拡充し、戦略的に即納体制を強化したことにより、資源価格の上昇や商品の欠品が増加する中でも機会損失を最小限にとどめました。また、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」の設置や「ユーザー様直送サービス」の利用促進をはじめ、サプライチェーン全体の業務効率化を図り、エネルギーや梱包資材などの資源消費の削減に努めました。さらに、当社の競争力の源泉は「独創力」にあると考え、令和4年1月付けで人事部を新設し、キャリアプランに合わせた新たなコースを設けるなど、独創的な人材を生み出すための人事制度改革を実施することで、各施策を効果的に実行できる組織づくりに取り組みました。加えて、令和4年6月には経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、「DX銘柄2022」に選定されました。当社は令和2年に「DXグランプリ2020」を受賞し、3年連続で「DX銘柄」に選定されています。 令和4年9月には得意先様向けに「トラスコ オレンジブック.Com」の商品検索画面で、仕入先様の在庫情報をもとにした取寄納期の確認や、仕入先様の在庫欠品状況が確認できるようになる「仕入先在庫連携サービス」を開始し、DX化を推進することで利便性の向上につながりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,809億24百万円(前年同四半期比8.4%増)となりました。一方、利益率の高い商品の売上占有率の低下や、販売価格転嫁へのタイムラグなどにより粗利率が20.9%(前年同四半期は21.2%)となりました。加えて、物価高騰が続く中で従業員の生活支援を目的とした臨時賞与を支給したことなど販売費及び一般管理費の増加により営業利益は91億34百万円(前年同四半期比4.5%減)、経常利益は94億円(前年同四半期比6.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は64億70百万円(前年同四半期比13.7%減)となりました。
②セグメントごとの経営成績1)ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)ファクトリールートにおいては、全国に28か所ある物流センター及び全国に29か所ある在庫保有支店による欠品対策等の在庫施策を実施し、得意先様の利便性向上に努めたことで当社への商流集約が進みました。また、ユーザー様の工場に、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することで、工場内でいつでも商品の調達が可能となるサービスの拡大や、サプライチェーン全体の物流コストや手間を大幅に削減できる「ユーザー様直送サービス」を強化するなど、環境負荷の軽減にもつながる営業活動を行いました。これらの活動により、生産工場の稼働に係るハンドツール、設備投資に係る物流保管用品、また猛暑により夏物商材を含む環境安全用品などの売上高が増加しました。その結果、売上高は1,256億41百万円(前年同四半期比5.0%増)、経常利益は66億56百万円(前年同四半期比2.1%減)となりました。
2)eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)eビジネスルートにおいては、3,187社の仕入先様との協業を基軸に、約298万アイテムに及ぶ商品データベースと得意先様のシステムとの連携を強化し、得意先様毎のご要望に合わせた物流加工を行うことで当社への商流集約が進みました。また、4か所の物流センターに6ライン導入しているI-Pack®(アイパック)[高速自動梱包出荷ライン]を活用した「ユーザー様直送サービス」も売上高増加に寄与しました。これらの活動により、生産工場の稼働に係る環境安全用品や作業用品、設備投資に係る物流保管用品や工事用品などの売上高が増加しました。その結果、売上高は378億88百万円(前年同四半期比16.2%増)、経常利益は23億60百万円(前年同四半期比6.4%減)となりました。
3)ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)ホームセンタールートにおいては、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップなど、各得意先様に対し売場の改善提案や商品納入権の獲得に向けた営業活動を強化しました。また、ホームセンター各社がEC事業を強化していることから、当社の約54万アイテムに及ぶ在庫と物流設備を活用したサービスを積極的に提案しました。これらの活動により、作業用品や環境安全用品などの受注が増え、売上高増加に寄与しました。その結果、売上高は158億16百万円(前年同四半期比18.7%増)、経常利益は1億57百万円(前年同四半期比51.8%減)となりました。
4)海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)海外ルートにおいては、連結子会社であるTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAの業績と海外部の諸外国向け販売を含めています。連結子会社では、在庫アイテムの見直しによりリードタイムを短縮し、また現地得意先様、及び仕入先様の開拓を進めることで販売活動を強化しました。さらに、海外部の諸外国向け販売では、アジア太平洋地域を中心にEC企業との口座を開設するなど、取引を拡大しました。その結果、売上高は15億77百万円(前年同四半期比28.4%増)、経常利益は70百万円(前年同四半期は14百万円の経常損失)となりました。
(2)
財政状態の状況
(資産)資産合計は、前連結会計年度末に比べ42億87百万円増加の2,269億44百万円(前連結会計年度末比1.9%増)となりました。その主な要因は、現金及び預金が28億22百万円増加、売掛金が3億6百万円増加、商品が19億77百万円増加したことによるものです。(負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億88百万円減少の796億41百万円(前連結会計年度末比0.7%減)となりました。その主な要因は、買掛金が21億35百万円増加、賞与引当金が9億34百万円増加、未払金が13億53百万円減少、未払法人税等が20億4百万円減少したことによるものです。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億76百万円増加の1,473億3百万円(前連結会計年度末比3.4%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益64億70百万円の計上により増加し、配当金21億10百万円の支払により減少したことによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末の64.0%から64.9%となりました。
