【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①当社グループの概要、ビジョン
当社グループは、1976年の創業以来、電力の系統制御システムを祖業に、今日のDX・IoTに不可欠な「監視」「通信」「制御」技術を強みとして事業を拡大してまいりました。
暮らしと社会の安心・安全と、快適で環境に配慮された持続可能な社会の実現に向け、日本の社会インフラや人々の生活、産業やサービスを支え、発展させるICTシステム(エネルギー:電力・ガス、交通、次世代通信、公共、防災、決済、モビリティ、医療・ヘルスケア、産業機器等)の開発・提供に加え、これらICTシステムのDX・IoT化に向けたAI(人工知能)、BI(データ分析や可視化)、セキュリティ等の先進的なデジタル・テクノロジーを提供しています
②当第1四半期連結累計期間の業績サマリー
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
(実績)
2024年3月期 第1四半期
連結累計期間
実績
増減額
増減率
売上高
3,051百万円
3,395百万円
+344百万円
+11.3%
売上総利益
(売上総利益率)
787百万円
25.8%
943百万円
27.8%
+156百万円
+19.9%
営業利益
(営業利益率)
207百万円
6.8%
338百万円
10.0%
+130百万円
+62.8%
経常利益
(経常利益率)
210百万円
6.9%
340百万円
10.0%
+130百万円
+62.2%
親会社株主に帰属する
四半期純利益
(親会社株主に帰属する四半期純利益率)
147百万円
4.8%
220百万円
6.5%
+73百万円
+50.1%
当第1四半期連結累計期間においては、電力・ガスなどのエネルギー分野や、製造分野、サービス分野向けのDX案件が業績をけん引したことなどにより、売上高は3,395百万円(前年同期比11.3%増)となりました。
利益面では、2023年4月に入社した新入社員(34名)の研修や、プロジェクトの収益性向上に向けた施策に継続して取り組みました。また、処遇改定(平均5%、最大30%アップ)など、新・中期経営計画で掲げた社員エンゲージメント向上につながる人的資本投資、新たに導入した社内システムの利活用によるDX・デジタル化など経営高度化施策を推進しました。その結果、営業利益は338百万円(前年同期比62.8%増)、営業利益率は10.0%(前年同期比+3.2ポイント)と大幅に増加しました。さらに、売上総利益率は27.8%(前年同期比+2.0ポイント)となり、過去最高を更新しました。
なお、当第1四半期連結累計期間における受注高は、3,436百万円(前年同期比16.7%増)、当第1四半期連結累計期間末における受注残高は2,571百万円(前年同期末比17.6%増)といずれも増加しました。
③当第1四半期連結累計期間の事業別業績
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
売上高
2024年3月期 第1四半期
連結累計期間
売上高
増減額
増減率
社会インフラ事業
1,769百万円
1,940百万円
+170百万円
+9.6%
先進インダストリー事業
1,281百万円
1,455百万円
+174百万円
+13.6%
合 計
3,051百万円
3,395百万円
+344百万円
+11.3%
(うち、ソリューション事業)
234百万円
209百万円
△25百万円
△11.0%
※当社グループは、2023年5月に策定した新・中期経営計画の重点施策に鑑み、当第1四半期連結会計期間より、下記の通りセグメント区分を変更しております。
<2023年3月期まで> <2024年3月期以降>
・社会インフラ事業 ・社会インフラ事業
(エネルギー、交通・運輸、 (エネルギー、交通・運輸、
公共、通信・ネットワーク) 公共、通信・ネットワーク)
・先進インダストリー事業 ・先進インダストリー事業
(制御システム、基盤システム、ソリューション) (製造、サービス、エンタープライズ)
なお、先進インダストリー事業のサブセグメントとして分類していた「ソリューション」分野は、「ソリューション事業」として全社横断的な戦略事業と位置づけております。これにより、前第1四半期連結累計期間の「ソリューション」分野の数値については、社会インフラ事業、先進インダストリー事業の各サブセグメントに組み替えて表示しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
ⅰ)社会インフラ事業
エネルギー分野(電力・ガス)は、次世代スマートメーターや再生可能エネルギーの活用など、新・中期経営計画で掲げた「成長事業:次世代エネルギー」の拡大につながる新たなテーマに注力しました。
交通・運輸分野(道路・鉄道、航空・宇宙等)では、航空キャリア向け案件が順調に推移したことに加え、宇宙関連や道路関連で対応テーマの拡大に取り組みました。
公共分野(防災等)では、防災関連が拡大しました。
通信・ネットワーク分野(次世代通信5G等)では、5Gを中心とした基地局開発等に、継続して取り組みました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、1,940百万円(前年同期比9.6%増)となりました。
ⅱ)先進インダストリー事業
製造分野では、大手メーカー向けDX案件が堅調に推移したことに加え、スマート・モビリティ(先進EVや、自動運転等)が計画通り推移しました。
サービス分野では、キャッシュレス・決済・クレジットカードを中心としたペイメント・システムが拡大しました。
エンタープライズ分野では、システムインテグレーター企業向けのDX案件などが堅調に推移しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、1,455百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
ⅲ)ソリューション事業
「GIS:地理情報システム」「IoT空間情報」「セキュリティ」を中核ソリューションとした提案活動に取り組み、社会インフラ事業では、電力会社や自治体向けのGISソリューションが堅調に推移しました。
また、先進インダストリー事業では、建設/測量コンサルティング企業向けGISソリューション、製造業・物流業向けIoTソリューションの拡大に取り組みました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、209百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
④新・中期経営計画「New Canvas 2026」の策定と概要
2023年5月、新・中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を策定しました。その概要は次の通りです。
■業績目標
2023年3月期
(実績)
2024年3月期
(計画)
2026年3月期
(増減額・増減率は2023年3月期との比較)
目標値
増減額
増減率
売上高
12,842百万円
13,600百万円
15,000百万円
+2,157百万円
+16.8%
営業利益
1,210百万円
1,300百万円
1,500百万円
+289百万円
+23.9%
営業利益率
9.4%
9.6%
10.0%
-
-
※最高売上・営業利益・利益率の連続更新を目指します(2024年3月期~2026年3月期)。
■事業戦略
・成長事業 : ①次世代エネルギー
②スマートインフラ/スマートライフ
・ベースロードビジネス : エンタープライズ領域のDX/モダナイゼーション
・エリア戦略 : 中部地区の強化
・アライアンス戦略 : グローバル・アライアンスによるソリューション強化
■企業戦略
・企業価値・株主価値の向上につながる経営高度化戦略の推進
(投資/M&A、人的資本/エンゲージメント、グローバル、研究開発・R&D、サステナビリティ)
■株主還元
・配当金額 : 連続増配
・配当性向 : 40%以上(5ポイント 引き上げ)
詳細は、当社ウェブサイト(https://www.adniss.jp/ir/library/mid-term-plan.html)をご参照ください。
⑤新・中期経営計画に基づく、ビジネス構造改革の推進状況
ⅰ)ICTシステム開発力や技術力の強化に向けた取組み
拡大するICT投資需要にお応えするため、ベトナムでのオフショア開発対応力のさらなる強化に向けた準備を推進しました。
ⅱ)コンサルティング対応(上流工程、営業力・提案力強化)の取組み
データサイエンス領域で高度な専門性を有する株式会社データビークルの拡張アナリティクスツールと当社のGIS:地理情報システムをはじめとした様々なソリューションとの融合・共同展開を目指し、同社とソリューションパートナー契約を締結しました。
ⅲ)ビジネスレバレッジ向上の取組み(プロダクトやソリューション、高度エンジニアリングなど)
GIS:地理情報システムによるDXの実現にお応えするため、当社初のサブスクリプション・ソリューションとして、店舗情報マッピングサービス「COCOYA(ココヤ)」の発売を開始しました。
地図業界のリーディングカンパニーである株式会社ゼンリンとは、地図データ販売におけるパートナー契約を締結しました。
ⅳ)グローバル・アライアンス
仏・シュナイダー・エレクトリック社が実施した「シュナイダー・サステナビリティ・インパクトアワード」において、パートナー企業400社の中から世界で6社の「Global Winner」に選出されました。
ⅴ)エリア戦略
2023年4月にグランドオープンした「名古屋オフィス」を起点に、中部地区での対応強化(エネルギー業、製造業)に取り組みました。
ⅵ)外部評価等
13期連続増配を踏まえ、日本経済新聞社が新たに公表を開始した「日経連続増配株指数」の構成銘柄に選定されました。
⑥財政状態
当第1四半期連結会計期間末の財政の状況は、次の通りであります。
「流動資産」は、6,172百万円となり、前連結会計年度末と比べ71百万円減少しました。
主な変動要因としては、現金及び預金が256百万円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が226百万円減少したこと等によります。
「固定資産」は、2,998百万円となり、前連結会計年度末と比べ95百万円減少しました。
主な変動要因としては、投資有価証券が95百万円減少したこと等によります。
これにより、資産合計は9,170百万円となり、前連結会計年度末と比べ167百万円減少しました。
「流動負債」は、1,785百万円となり、前連結会計年度末と比べ160百万円減少しました。
主な変動要因としては、未払金が335百万円増加した一方で、未払法人税等が160百万円、賞与引当金が236百万円減少したこと等によるものであります。
「固定負債」は、724百万円となり、前連結会計年度末と比べ8百万円増加しました。
主な変動要因は、退職給付に係る負債が8百万円増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,510百万円となり、前連結会計年度末と比べ151百万円減少しました。
「純資産」は、6,660百万円となり、前連結会計年度末と比べ16百万円減少しました。
主な変動要因は、利益剰余金が50百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が66百万円減少したこと等によります。
以上の結果、「自己資本比率」は、71.3%となり前連結会計年度末と比べ1.1ポイント増加しました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度末の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社の社名である「アドソル」とは、「Advanced Solution(アドバンスト・ソリューション)」を意味し、
「デジタル社会の“あした”をリードするイノベーションカンパニー」を、スローガンとして掲げております。
国内外の大学・研究機関との共同研究や最先端企業との連携に加え、AI研究所や、米国サンノゼ・シリコンバレ
ーの100%子会社であるAdsol-Nissin San Jose R&D Center,Inc.(アドソル日進サンノゼR&Dセンタ)を通じて、
「DX」「AI」「IoT」「セキュリティ」などの最先端技術を駆使し、サステナブル(持続可能)な社会と豊かな社
会の発展に寄与する革新的なキーテクノロジーの融合(セキュリティ・地図情報・IoT)による、バリューソリュ
ーションの創造と、強化・拡充が、研究開発活動の基本的な方針です。
加えて、ローコードやノーコードなどの高速開発技術を活用した当社グループ独自の開発モデルや、多様化する
開発スタイルに適応した新たなインテグレーション・サービスの研究開発に取り組んでいます。
尚、当社グループにおける研究開発活動は、個別の事業セグメントに特化するものではなく、事業横断的に適用
可能であるため、セグメント別に分計はしていません。
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、30百万円であります。
尚、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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