【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は62,644百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,105百万円減少しました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,553百万円減少し、26,411百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,318百万円減少した一方、仕掛品が405百万円増加、主原料の調達により原材料及び貯蔵品が466百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ447百万円増加し、36,233百万円となりました。これは主に有形固定資産の「その他」に含まれる建設仮勘定が110百万円増加、退職給付に係る資産が251百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は49,281百万円となり、前連結会計年度末に比べ630百万円減少しました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ468百万円増加し、25,849百万円となりました。これは主に運転資金の調達により短期借入金が765百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,098百万円減少し、23,431百万円となりました。これは主に資金の返済により長期借入金が1,175百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は13,363百万円となり、前連結会計年度末に比べ475百万円減少しました。これは主に利益剰余金が619百万円減少した一方、為替換算調整勘定が94百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は20.8%(前連結会計年度末は21.2%)となりました。
(2) 経営成績の状況
(単位:百万円)
売上高
営業利益又は
営業損失(△)
経常損失(△)
親会社株主に帰属
する四半期純損失(△)
2024年3月期第1四半期連結累計期間
23,699
101
△23
△253
2023年3月期第1四半期連結累計期間
22,848
△70
△12
△342
当第1四半期連結累計期間では、経済活動の回復が見られる一方、様々な物価や人件費、物流費等の上昇、インフレ進行に伴う消費行動の変容など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下において当社グループでは、2021年4月よりスタートした中期経営計画において収益性向上と財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』を目指した取組みを推進し、企業価値の更なる向上に努めてまいりました。また、経営の透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを構築することを重要な課題と位置づけ、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決を軸としたESG課題への対応や、コーポレート・ガバナンスの充実に継続して取組んでおります。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高23,699百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益101百万円(前年同期は営業損失70百万円)、経常損失23百万円(前年同期は経常損失12百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失253百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失342百万円)となりました。
なお、当社グループの売上高・営業利益は、主力商品である水産練り製品・惣菜が冬季におでん・鍋物等に向けての需要が高まることと、12月におせち料理関連商品の売上が集中するため、第3四半期に偏重する傾向にあります。前期及び当期における当社グループの各四半期における売上高及び通期の売上高に対する割合、営業利益又は営業損失(△)は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期
前連結会計年度
2024年3月期
当連結会計年度
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
売上高
22,848
23,940
34,982
23,921
23,699
-
-
-
(通期割合)
(21.6%)
(22.7%)
(33.1%)
(22.6%)
(22.2%)
-
-
-
営業利益又は
営業損失(△)
△70
△715
2,371
437
101
-
-
-
(注)当連結会計年度の売上高の通期割合については、連結業績予想に対する割合を記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(国内食品事業)
国内食品事業では、国内において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、食品小売り市場に向け主力である水産練り製品が、簡便・即食で内食需要に合致した家庭用備蓄食材として、価格改定後も引き続き堅調に推移しました。特にカニカマやはんぺん、ちくわの他、当社独自の製法を用いたキャラクター蒲鉾「すみっコぐらしかまぼこ」や「シナモロール ポムポムプリンかまぼこ」が好調に販売を伸ばしました。一方で、競争環境の厳しい中華惣菜や、他の健康志向商品の伸長による影響を受けた麺状商品の売上が減少しました。また鶏卵の供給不足に伴い、レトルトおでんセットや玉子加工商品に対し一時出荷中止や数量制限を行ったことで売上が減少しました。しかしながら鶏卵の調達状況改善により徐々に再出荷できる商品が増えております。商事部門では、前期からの好調な販売状況を継続し、農畜産品などの取扱い商材が伸張しました。
利益面では、鶏卵価格の高騰をはじめとして資材、エネルギーなどのコストは依然として高い水準にあるものの、本年2月末に実施した価格改定の浸透が進むとともに主原料のすり身価格が落ち着きを取り戻しつつあることで、増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は16,739百万円(前年同期比9.8%増)となり、セグメント損失は194百万円(前年同期はセグメント損失429百万円)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
売上高
セグメント
損失(△)
売上高
セグメント
損失(△)
第1四半期連結累計期間
15,243
△429
16,739
△194
(海外食品事業)
海外食品事業では、海外において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、北米市場では昨年後半からサプライチェーンの正常化に伴う在庫調整と物価高による消費者の低価格志向が顕在化したこと、さらに中国市場ではゼロコロナ政策から転換したものの不動産市場の減退や雇用不安により景気回復が遅れ消費も低迷していること等が影響し、主力商品であるカニカマやHealthy Noodle(糖質0g麺)の販売が前年同期比で減少しました。
利益面では、惣菜や農畜水産品などの仕入商材は堅調に推移したものの、自社製品の売上減の影響が大きく、減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は2,564百万円(前年同期比23.0%減)となり、セグメント利益は160百万円(前年同期比42.9%減)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
売上高
セグメント利益
売上高
セグメント利益
第1四半期連結累計期間
3,330
281
2,564
160
(食品関連事業)
食品関連事業では、国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行っております。
売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業において、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで人流が回復し、外食店舗や駅ビル・百貨店向け等の取扱い物量が増加しました。また新規取引先の開拓や既存業務の拡大も奏功し、増収となりました。
利益面では、物流センターの空調管理用電力費が高い水準になっているものの、物量増による売上増と料金改定の効果、配送効率の向上や販管費用削減の取組みにより増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は4,395百万円(前年同期比2.8%増)となり、セグメント利益は58百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
売上高
セグメント利益
売上高
セグメント利益
第1四半期連結累計期間
4,274
51
4,395
58
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は18百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2
事業の状況
1
事業等のリスク」をご参照ください。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金及び設備投資等の資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としており、今後の資金需要については負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。