【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末日における資産・負債の報告金額並びに当連結会計年度における収益・費用の報告金額に関する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。その詳細は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等]「注記事項」「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
(2) 経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染防止対策と経済活動の両立が進む中で景気に持ち直しの動きが見られるものの、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱やウクライナ情勢の影響等を背景とした各種価格の高騰、為替相場の不安定な動きなど、景気の先行き不透明な状況が続いているものと考えられます。 このような経営環境下にあって、当社グループは、2020年4月よりスタートした第8次中期経営計画において、「100年企業への3rd Stage -持続成長につながる盤石な経営基盤の確立-」を経営コンセプトに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の動きに対応すべく、成長ドライブへの戦略投資を推進するとともに、各部門の強みの相乗効果による断トツの競争優位性の確立に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は132,810百万円(前期比12.1%増)、営業利益15,787百万円(同22.4%増)、経常利益16,960百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,288百万円(同16.0%増)となり、増収増益となりました。
(経営成績のポイント)・アマノ単体は、各社のDXへの取組みや業務効率改善に向けたシステム投資が旺盛となっている中で「働き方改革」の追い風も継続し、情報システムがソフトウェアを中心に伸長したほか、環境システムは汎用品を中心に引続き伸長。パーキングシステムは持ち直しの動きが継続し増収となるも、上期の下振れ分をカバーできず計画未達。・国内グループ会社では、駐車場管理受託事業が好調でコロナ前の業績に近づいたほか、就業管理のクラウドサービスは顧客からの引き合いが増え伸長。・海外では、円安効果もあり、北米、欧州、アジアともに増収。このうちアジア地域では、韓国や香港、マレーシアでパーキングシステムが大きく伸長し、全体で二桁の増収。北米のパーキングシステムは新製品効果もあり増収となるも、開発投資の継続等により収益改善未達。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 時間情報システム事業
時間情報システム事業の売上高は、98,903百万円で、前期比11,813百万円の増収(13.6%増)となりました。・情報システム 31,353百万円(前期比8.8%増) 当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、ソフトウェアは中小規模向けの需要に回復が見られ641百万円の増収(6.9%増)、ハードウェアは81百万円増収(3.1%増)、メンテ・サプライは72百万円増収(1.6%増)となりました。アマノビジネスソリューションズ社が展開するクラウドサービスは、引続き堅調に推移いたしました。 海外の実績は、北米のアキュタイムシステムズ社、欧州のホロクオルツ社ともに増収となり、海外全体では1,664百万円増収(前期比14.6%増)となりました。
・時間管理機器 2,841百万円(前期比5.2%増) 当期の国内実績は、前期に比べ、標準機が増収、勤怠管理ソフト付きタイムレコーダーが減収となり、全体では輸出の増加も影響し19百万円増収(0.9%増)となりました。 海外の実績は、北米、アジアが増収となり、海外全体では195百万円増収(前期比35.7%増)となりました。
・パーキングシステム 64,708百万円(前期比16.4%増) 当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、駐車場機器が回復傾向となり377百万円増収(2.8%増)、メンテ・サプライは937百万円増収(10.7%増)となりました。アマノマネジメントサービス社による運営受託事業は、回復基調が続き増収、受託車室数は投資の継続により前期末比34,500台増加(5.3%増)となりました。 海外の実績は、北米のアマノマクギャン社が増収、アジアは韓国、香港、マレーシアの運営受託事業が大幅増収となり、海外全体では7,186百万円増収(前期比32.2%増)となりました。
② 環境関連システム事業
環境関連システム事業の売上高は、33,906百万円で、前期比2,567百万円の増収(8.2%増)となりました。・環境システム 20,838百万円(前期比4.3%増) 当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、汎用機は減速感が見られるものの271百万円増収(3.8%増)、回復傾向が出始めた大型システムは50百万円減収(1.0%減)、メンテ・サプライは409百万円増収(10.1%増)となりました。 海外の実績は、中国の回復によりアジアが増収となり、海外全体では282百万円増収(前期比8.0%増)となりました。
・クリーンシステム 13,068百万円(前期比15.0%増) 当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、新型ロボット洗浄機の投入効果により清掃機器は160百万円増収(8.0%増)、メンテ・サプライは40百万円減収(1.8%減)となりました。 海外の実績は、北米のアマノパイオニアエクリプス社が増収となり、海外全体では1,610百万円増収(前期比25.0%増)となりました。
(参考情報)
〔所在地別情報〕
(単位:百万円)
売上高
営業利益又は営業損失(△)
2022年3月期
2023年3月期
増減
増減率(%)
2022年3月期
2023年3月期
増減
増減率(%)
日本
75,222
78,840
3,618
4.8
14,830
16,936
2,105
14.2
アジア
19,614
25,431
5,816
29.7
902
1,784
882
97.7
北米
15,038
19,360
4,321
28.7
△626
△722
△96
―
欧州
9,770
10,712
942
9.6
1,401
1,543
142
10.2
計
119,646
134,345
14,698
12.3
16,508
19,542
3,034
18.4
消去又は全社
△1,216
△1,534
―
―
△3,615
△3,755
―
―
連結
118,429
132,810
14,381
12.1
12,893
15,787
2,894
22.4
(注) 1.国又は地域の区分は、地理的近接度によっております。2.本邦以外の区分に属する主な国又は地域(1)アジア……………シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国、中国、フィリピン、ベトナム(2)北米………………アメリカ、カナダ、メキシコ(3)欧州………………フランス、ベルギー、スペイン
〔海外売上高〕
(単位:百万円)
海外売上高
連結売上高に占める海外売上高の割合(%)
2022年3月期
2023年3月期
増減
増減率(%)
2022年3月期
2023年3月期
増減
アジア
19,628
25,580
5,952
30.3
16.6
19.3
2.7
北米
14,155
18,185
4,030
28.5
11.9
13.7
1.8
欧州
9,320
10,353
1,033
11.1
7.9
7.8
△0.1
その他の地域
1,220
1,198
△22
△1.9
1.0
0.9
△0.1
計
44,325
55,318
10,993
24.8
37.4
41.7
4.3
連結売上高
118,429
132,810
(注) 1.国又は地域の区分は、地理的近接度によっております。2.本邦以外の区分に属する主な国又は地域(1)アジア……………シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国、中国、フィリピン、ベトナム(2)北米………………アメリカ、カナダ(3)欧州………………フランス、ベルギー、スペイン(4)その他の地域……中南米3.海外売上高は、当社及び連結子会社の本邦以外の国又は地域における売上高であります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
時間情報システム事業
28,294
16.9
環境関連システム事業
20,890
15.2
合計
49,185
16.1
(注) 金額は、平均販売価格によっております。
b. 受注実績製品は見込み生産でありますが、一部製品に付帯する部品等は受注に応じて生産しております。
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
時間情報システム事業
98,903
13.6
環境関連システム事業
33,906
8.2
合計
132,810
12.1
(3) 財政状態総資産は、171,250百万円(前連結会計年度末比11,907百万円増加)となりました。・流動資産:受取手形、売掛金及び契約資産の増加及び原材料及び貯蔵品の増加等により8,211百万円増加・固定資産:リース資産の増加等により3,695百万円増加
負債は、49,612百万円(前連結会計年度末比6,541百万円増加)となりました。・流動負債:電子記録債務の増加等により3,688百万円増加・固定負債:リース債務の増加等により2,852百万円増加
純資産は、121,638百万円(前連結会計年度末比5,366百万円増加)となりました。・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により1,415百万円増加・その他の包括利益累計額:為替換算調整勘定の増加等により3,821百万円増加
セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
① 時間情報システム事業
時間情報システム事業のセグメント資産は、79,509百万円で、前連結会計年度に比べ9,177百万円の増加となりました。これは主に、情報・パーキングソフトウェアの開発・改良・改善、駐車場運営事業用設備の取得、工場改修、生産の合理化及び製品の信頼性向上のための設備投資によるものであります。
② 環境関連システム事業
環境関連システム事業のセグメント資産は、30,935百万円で、前連結会計年度に比べ1,230百万円の増加となりました。これは主に、生産の合理化及び製品の信頼性向上のための設備投資および持分法非適用関連会社の株式取得によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、55,084百万円と前連結会計年度末に比べ847百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、18,951百万円(前期比249百万円の収入の減少)となりました。・主な収入:税金等調整前当期純利益16,752百万円の計上、減価償却費9,017百万円の計上・主な支出:法人税等の支払額5,670百万円の計上、棚卸資産の増加額2,617百万円の計上、売上債権及び契約資産の増加額2,002百万円の計上
投資活動によるキャッシュ・フローは、△7,376百万円(前期比1,484百万円の支出の増加)となりました。・主な収入:定期預金の払戻による収入2,968百万円の計上・主な支出:定期預金の預入による支出5,892百万円の計上、有形固定資産の取得による支出2,795百万円の計上、無形固定資産の取得による支出1,577百万円の計上
財務活動によるキャッシュ・フローは、△13,950百万円(前期比3,080百万円の支出の増加)となりました。・主な収入:セール・アンド・リースバックによる収入1,730百万円の計上・主な支出:配当金の支払額7,399百万円の計上、リース債務の返済による支出5,607百万円の計上、自己株式の取得による支出2,479百万円の計上
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは、配当等による株主還元を継続的に実施し、事業運営に必要な運転資金を確保したうえで、事業拡大・企業価値向上に向けたM&Aや成長投資に備えて内部留保を行っております。
ハードウェアメーカーとしてスタートした当社は、市場ニーズの変化や技術革新に伴い、ソフトウェアやクラウド、受託事業などサービスを含めたトータルソリューションを提供する企業として成長してまいりました。その動きを更に発展すべく、各事業分野におけるDXを推進し、ソフト系資産やIoT、AI等への戦略投資等を実行してまいります。また、標準品の機能拡充によりお客さまの利便性向上を図ると共に、収益面においても競争優位性を更に高めていきます。併せて、経営インフラの整備・拡充を進めると共に、人的資本の価値最大化、環境負荷低減といった社会的な課題解決にも取り組んでまいります。これら必要な投資については、状況に応じて外部から資金調達を行う場合もありますが、原則として自己資金にて賄う考えであり、営業活動によるキャッシュ・フローで、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出をカバーするという基本的な流れを当連結会計年度においても継続しております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は295.3%と流動性は十分な水準にあります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
自己資本比率(%)
71.8
70.5
73.6
72.5
70.5
時価ベースの自己資本比率(%)
132.5
116.1
134.0
102.4
106.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
14.0
27.1
43.5
38.1
53.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
539.4
227.9
101.9
139.1
124.8
(注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 「3KPIs AVERAGE 12%」の状況
① OPR13%達成当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの増収効果及び原価低減、販管費削減に伴う営業増益により、11.9%(前期比1.0Pt増)となりました。
② CCC12%短縮当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症及び原材料不足、価格高騰の影響により、79.6日(104期末比10.7%増)となりました。
③ ROE11%達成当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、9.6%(前期比1.0Pt増)となりました。
(6) 事業戦略展開当社グループは、「100年企業への4th Stage -サステナブル経営に繋がるパラダイムシフトへの取り組み-」を経営コンセプトとして掲げ、各事業分野におけるDXを推進し、ソフト系資産やIoT、AI等への戦略投資等を実行してまいります。また、標準品の機能拡充によりお客さまの利便性向上を図ると共に、収益面においても競争優位性を更に高めていきます。併せて、経営インフラの整備・拡充を進めると共に、人的資本の価値最大化、環境負荷低減といった社会的な課題解決にも取り組んでまいります。各事業ごとのアクションプランは以下のとおりです。
① 情報システム・クラウドサービスを含む業種特化型ソリューション提案強化(働き方改革関連法適用猶予業種等)・就業ターミナル提案強化(自治体等)・周辺サービス(e-AMANO)提案強化(人事届出等)・デジタルタイムスタンプ市場の開拓推進(改正電子帳簿保存法対応)・北米 ERPシステム企業との連携強化 生体認証付新ターミナルの提案推進・欧州 就業、人事、アクセスのクロスセル推進 クラウド事業推進
② 時間管理機器・コネクテッドタイムレコーダー、コネクテッドツールの拡販(Wi-Fi機能標準搭載)・TimeP@CKシリーズ拡販、有償会員サービス拡充・オンラインショップ、ネット販売強化・北米、欧州、アジア 新規販売チャネル開拓
③ パーキングシステム・チケットレス、キャッシュレスシステム提案推進・クラウドサービス拡充(ストックビジネス拡大)・運営受託事業 提案強化・北米 新製品販売拡大(サブスクリプションモデル)・欧州 販売体制強化、運営受託事業強化・アジア 運営受託事業拡大
④ 環境システム・汎用集塵機 提案拡大・新領域拡大(成長戦略分野への提案推進)・周辺装置含めたトータルソリューション提案推進・グループ連携によるグローバル展開の推進・北米、中米 新規顧客開拓・アジア エンジニアリング力、生産・販売・サービス体制 強化 現地企業に対する提案強化
⑤ クリーンシステム・清掃ロボット ラインナップ拡充・ロボットクラウドサービス提案強化
(ストックビジネス拡大)・自動床洗浄機EGシリーズ提案強化・電解水生成装置を組み合わせた新清掃スタイル提案拡大・木材床研磨機器事業の拡大、販売体制強化、新市場開拓
