【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の第7波があったものの、個人消費の持ち直しの動きが続き、経済活動の正常化が期待されております。一方で、原油や原材料価格の高騰などを背景とした物価上昇や、急激な円安の進行による国内景気の下振れリスクなどの懸念もあり、依然として先行きは不透明な状況にあります。
国内の自動車関連業界の動向といたしましては、世界的な半導体不足の影響で新車の生産台数が減少し、加えて、中古車においても下取り車の流通量の減少により登録台数の低迷を招いております。また、カー用品関連においても、原油や原材料価格の高騰などによる物価上昇の影響もあり、厳しい市場環境におかれております。
当社グループにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止に努め、ご来店される地域の皆様、お取引先様、従事する従業員の健康と安全を最優先に、安心してご来店、就業できる環境整備に努めております。
このような環境下において当社グループは、社会・クルマ・人の暮らしの変化を捉え適応することで、市場競争力の向上に努めております。当社グループが向かうべき方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン」では、より成長の可能性の高い領域への集中を図り、持続的成長と企業価値向上に向けてネットワークおよび事業基盤の強化と事業の推進をしております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,070億96百万円(前年同期比3.4%増加)、売上総利益362億50百万円(同4.0%増加)、販売費及び一般管理費327億46百万円(同2.5%増加)、営業利益35億4百万円(同20.2%増加)、経常利益37億15百万円(同20.5%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益31億49百万円(同66.8%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔国内オートバックス事業〕
国内オートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店および全店ともに3.9%の増加となりました。
国内オートバックスチェンでは、新型コロナウイルス感染拡大や原油や原材料価格の高騰などによる物価上昇の影響が懸念される一方で、個人消費に持ち直しの動きがみられたことに加え、価格改定後の販売促進を強化したことなどにより、結果として堅調に推移いたしました。特に、新車・中古車の登録台数が減少したことによる、既存車に乗り続けるために必要な車両のメンテナンス需要の高まりを受け、関連商品とそれにともなうサービス工賃が好調に推移いたしました。
タイヤについては、メーカー値上げを受け、5月と9月の二度にわたり店頭での価格改定をいたしましたが、品ぞろえや販売促進、既存車のメンテナンス需要により好調に推移し、売上が増加いたしました。同様に、価格改定したオイルやバッテリーについても、効果的な販売促進に加え、メンテナンス需要の高まりにより好調となりました。カーエレクトロニクスや車内用品については、新車減産の影響により需要が減少し、売上が減少いたしました。
プライベートブランドについては「AQ.(オートバックスクオリティ.)」を中心に展開を進めており、2022年9月には、スタッドレスタイヤの新商品「North Trek N5(ノーストレック エヌファイブ)」を発売いたしました。また、心躍るガレージライフを提案するブランド「GORDON MILLER(ゴードンミラー)」を展開するなど、さまざまなお客様のニーズを捉えた価値ある商品の開発・販売を推進しております。
車検・整備については、より安全・安心に車を走らせたいというお客様のニーズを背景に、スキャンツールを使用して車の状態を電子的に確認する車両診断のサービスが好調に推移いたしました。また、運転支援機能や自動運転機能が付いた先進安全自動車の整備を行う「自動車特定整備制度」への対応を進め、車検指定工場の全店が特定整備認証(電子制御装置整備)を取得しております。さらに、公式アプリや電話でのピット作業予約を推進し、特に公式アプリからの予約が増加するなど、お客様の利便性向上に寄与しております。
車検実施台数は、車検対象車両台数の減少を背景とした厳しい市場環境により、前年同期比3.6%減少の約31万2千台となりました。
車買取・販売は、新車減産の影響を受けたものの、中古車の単価上昇や買取台数の増加を背景にオークションへの販売が好調に推移いたしました。これらにより、国内オートバックス事業における総販売台数は前年同期比8.2%増加の約15千5百台となりました。
このほか、2022年9月16日には、フラッグシップ店舗である「スーパーオートバックス京都ワウワンダーシティ」をリニューアルし、新業態「A PIT AUTOBACS」ブランドの2号店として、“私らしいカーライフ”を提案する「A PIT AUTOBACS KYOTO SHIJO」を新たにオープンいたしました。出退店は、新規出店が1店舗、退店が1店舗、業態変更が1店舗あり、2022年3月末から増減なしの588店舗となりました。
これらの結果により、国内オートバックス事業の売上高は821億83百万円(前年同期比3.9%増加)となり、セグメント利益は72億95百万円(前年同期比0.8%増加)となりました。
〔海外事業〕
海外事業における売上高は68億18百万円(前年同期比26.8%増加)、セグメント損失は1億10百万円(前年同期は 1億69百万円のセグメント損失)となりました。
小売・サービス事業においては、ウクライナ情勢や世界的なインフレの影響を受けたものの、売上は増加し、卸売事業においては新規取引先の開拓などにより、売上が伸長いたしました。
フランスにおいては、インフレなどの影響があったものの、価格適正化などの対策を講じたことにより、売上は前年同期を上回りました。シンガポールにおいては、堅調な小売に加え、メンテナンス需要の増加によるピットサービスの好調により、売上が増加いたしました。マレーシアにおいては、92店舗に拡大したオーソライズドディーラーへの卸売が好調で、売上が大幅に増加いたしました。中国においては、上海のロックダウンがあり新規卸売先の獲得に苦戦したものの、中国国外への卸売を進め売上が増加いたしました。オーストラリアにおいては、カーエレクトロニクス商品や無線機が好調で、新たな卸売先の開拓や専売品の導入などの営業活動により、売上が増加いたしました。
海外における出退店は、新規出店が9店舗あり、2022年3月末の62店舗から71店舗となりました。
〔ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業〕
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業における売上高は223億47百万円(前年同期比3.2%減少)、セグメント利益は28百万円(前年同期は2億55百万円のセグメント損失)となりました。
ディーラー事業は、当社の完全子会社である株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスがBMW、MINI、Audiの3ブランドの正規ディーラーを運営しております。世界的な半導体不足による新車減産の影響を強く受け売上が減少いたしましたが、効率的な運営に努め、前年同期を上回る営業利益を確保いたしました。
BtoB事業においては、社用車のメンテナンスやカー用品などの法人一括払いが可能となる「オートバックス法人会員制度」への加入件数が順調に増加しております。また、車検・整備・タイヤ販売を行う子会社においても、メンテナンス需要を背景に売上は堅調に推移いたしました。さらに、他業種への卸売の拡大を図るため、卸売専用プライベートブランド商品の開発を進めております。
オンラインアライアンス事業は、お客様の利便性向上のため、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取るまでの時間をさらに短縮するなどの環境整備を進めております。加えて、飲酒運転の根絶を目指し、社用車を運転する前後のドライバーの酒気帯び状態をチェックし、その情報をクラウド上で管理する法人向けサービス「ALCクラウド」が順調に拡大しております。
〔その他の事業〕
その他の事業における売上高は31億32百万円(前年同期比26.0%増加)、セグメント損失は2億26百万円(前年同期は3億92百万円のセグメント損失)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ67億77百万円減少し、1,831億33百万円となりました。主に商品が増加した一方、未収入金、受取手形及び売掛金等が減少したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ91億34百万円減少し、578億84百万円となりました。主に支払手形及び買掛金、退職給付に係る負債等が減少したことなどによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ23億56百万円増加し、1,252億48百万円となりました。主に利益剰余金の配当があった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加および退職給付制度終了にともなう退職給付に係る調整累計額の取崩しなどによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少による収入、税金等調整前四半期純利益48億92百万円等があった一方、棚卸資産の増加による支出、仕入債務の減少による支出、有形及び無形固定資産の取得による支出および配当による支出等により前連結会計年度末に比べ22億31百万円減少し、225億19百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は28億82百万円(前年同期は3億7百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益48億92百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入47億77百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額19億54百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は26億91百万円(前年同期は28億8百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出32億31百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は26億6百万円(前年同期は123億71百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入10億円等であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額23億37百万円、長期借入金の返済による支出8億50百万円等であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
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