【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で、経済活動の正常化が進み、日本・欧米などの先進国経済の持ち直しの動きが見られましたが、一方で自動車業界では半導体や部品供給不足の影響による自動車主要顧客の減産に加え、ウクライナ情勢長期化に伴う原材料やエネルギー価格の高騰、世界的なインフレや為替の大幅な円安影響など、依然として事業環境は厳しく先行きが不透明な状況が継続しました。わが国経済においては、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、個人消費を中心に回復基調が見られたものの、他方、自動車業界の半導体や部品供給不足の影響によるサプライチェーンの混乱などにより、総じて厳しい状況にあります。当社グループの業績においては、原材料価格高騰に伴い、グループを挙げて売価への転嫁を行っておりますが、原材料やエネルギーのコスト増が一段と進行した影響を受けました。 このような市場環境下、当社グループの当第2四半期連結累計期間における業績につきましては、自動車関連産業においては本格的な生産の回復に至っていない状況から、依然として厳しい状況にありますが、船舶、建設機械関連やエネルギー分野における堅調な需要の推移による売上の増加や為替の円安影響を受け、売上高は前年同四半期比13.2%増収の56,944百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は、前年同四半期比75.2%減益の664百万円となりました。また、経常利益は、前年同四半期比63.8%減益の941百万円となり、当社の連結子会社であるDMキャスティングテクノロジ-(タイ)CO., LTD.の固定資産の減損損失1,963百万円を計上した影響等に伴い、親会社株主に帰属する四半期純損失は、2,475百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益1,188百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。
① 自動車用エンジン軸受日本国内の当第2四半期連結累計期間の新車販売台数は、半導体や部品供給不足の影響などによる在庫不足が市場を低迷させ、前年同四半期に比べ減少しております。また海外においても、同様の影響により、中国、米国、欧州においても、前年同四半期に比べ減少しております。他方、タイでは政府による経済活動や消費を促進する政府支援策などにより国内向けの販売は増加しております。そのような状況下、当社グル-プの国内の売上高は前年同四半期比で微増に留まり、一方、海外では為替の円安影響を受け、売上高は増加したことから、当セグメントの売上高は、前年同四半期比9.1%増収の31,224百万円、セグメント利益は、前年同四半期比34.0%減益の2,827百万円となりました。
②
自動車用エンジン以外軸受自動車用エンジン軸受とほぼ同様の影響を受け、国内の売上高は前年同四半期に比べ微減となり、海外の売上高は為替の円安影響を受け増加したことから、当セグメントの売上高は、前年同四半期比4.4%増収の10,447百万円、セグメント利益は、前年同四半期比22.0%減益の1,336百万円となりました。
③
非自動車用軸受・船舶分野2022年9月末の手持ち工事量は前年同四半期末と比べ増加しており、世界経済の回復に伴う海上荷動きの増加、好調なメンテナンス需要の継続に加え、LNG船(液化天然ガスを運ぶタンカー)など、受注環境の好転や開拓によるシェアアップで、売上高は前年同四半期に比べ、大幅な増加となりました。・建設機械分野主に北米、中南米や東南アジア(インドネシアなど)の好調な需要環境が続き、サ-ビスパ-ツなどの需要も好調に推移したことも寄与し、当社グループの売上高も前年同四半期に比べ増加しました。・一般産業分野におけるエネルギー分野エネルギ-市場においては、再生可能エネルギ-が注目されている中、水力発電等の需要は堅調に推移しており、また、主に火力発電向けのガスタ-ビン、蒸気タ-ビン用軸受では、新興国向けの根強い需要の下支えや、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い停滞していたプラント案件が動き出したことによる需要の高まり、メンテナンス部品の需要増などから、売上高は前年同四半期比で増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は、前年同四半期比33.5%増収の6,960百万円、セグメント利益は前年同四半期比33.7%増益の935百万円となりました。
④ 自動車用軸受以外部品・アルミダイカスト製品タイの自動車産業については徐々に回復傾向がみられており、前年同四半期に比べ、国内生産は増加しております。当社においては、タイの自動車産業における需要回復に伴う売上増やタイの新工場(DMキャスティングテクノロジー(タイ)CO., LTD.)における電動自動車用部品の新規納入も増え始め、売上高は前年同四半期に比べ大幅に増加しました。セグメント利益については電動自動車用部品の本格生産開始に伴い増加したコストの改善遅れ及び新規受注品でのコスト増により、前年同四半期に比べ減少しました。・曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品世界的な半導体供給不足の影響を受け、前年同四半期に比べ減収となりました。また、セグメント利益については売上の減収により、減少となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は、前年同四半期比28.7%増収の8,327百万円、セグメント損失は、1,033百万円(前年同四半期はセグメント損失642百万円)となりました。
⑤ その他販売代理店向け金属系無潤滑軸受の在庫調整に伴う減収の影響があるものの、ポンプ関連製品事業の工作機械向け潤滑装置は堅調に推移し、また、材料価格高騰に伴う売価への転嫁活動の影響により、売上高の減収の幅は、前年同四半期に比べ縮小しました。利益の面では売価への転嫁活動が寄与し、増益に転じました。これらの結果、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業、ポンプ関連製品事業及び不動産賃貸事業等を加えた当セグメントの売上高は、前年同四半期比0.9%減収の1,027百万円、セグメント利益は、前年同四半期比13.2%増益の192百万円となりました。
(2) 財政状態(総資産)当第2四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ4.6%増加し、173,778百万円となりました。これは主に商品及び製品、受取手形及び売掛金、仕掛品が増加したことによります。(純資産)当第2四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度末に比べ4.6%増加し、71,836百万円となりました。これは主に利益剰余金が減少した一方、為替換算調整勘定が増加したことによります。(自己資本比率)当第2四半期連結会計期間の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.2ポイント減少し、36.1%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、16,760百万円となり前年同四半期末に比べ2,948百万円(15.0%)の減少となりました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動において使用した資金は、1,269百万円(前第2四半期連結累計期間は9,256百万円の獲得)となりました。これは主に減価償却費による資金の獲得が4,659百万円あった一方、棚卸資産の増加が2,535百万円、仕入債務の減少が1,737百万円、法人税等の支払額が1,604百万円あったことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動において使用した資金は、2,658百万円(前第2四半期連結累計期間は4,150百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が2,214百万円あったことによります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動において獲得した資金は、632百万円(前第2四半期連結累計期間は4,415百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が3,289百万円あった一方、長期借入れによる収入が3,972百万円あったとによります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に関する重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,006百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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