【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績は、価格改定の浸透はあるものの、中国ロックダウンによる在庫調整や、半導体不足による自動車の減産、ウクライナ情勢による原燃料高の影響などを受け、売上高は前年同期比7.0%増の42,694百万円となりましたが、営業利益は前年同期比25.0%減の3,267百万円、経常利益は前年同期比16.7%減の3,830百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比9.7%減の2,871百万円となりました。
総資産は前連結会計年度末比3.5%増の128,362百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、各セグメントの営業利益は全社費用等調整前の金額であります。
(化学)
売上高は前年同期比7.7%増の38,572百万円となりましたが、営業利益は前年同期比18.4%減の4,163百万円となりました。
電子材料
積層セラミックスコンデンサ向け誘電体は、中国ロックダウンの影響もあり、汎用品を中心に売上が減少しましたが、高付加価値品は堅調に推移したため、利益は増加しました。誘電体材料も同影響を受けて出荷総量が減少し、売上・利益ともに減少しました。
酸化チタン・亜鉛製品
酸化チタンは、前年同期に比べ出荷数量は減少するも、価格改定の実施により売上は増加しました。
亜鉛製品は、依然続く亜鉛建値の高騰により、売上・利益ともに増加しました。
また、化粧品材料の超微粒子酸化チタン・酸化亜鉛は、外出規制の緩和などによる需要の回復で、売上・利益ともに増加しました。
樹脂添加剤
国内向け塩ビ安定剤は、半導体製造設備用PVC工業板用を除く、住宅関連向けなど全般が低調に推移しましたが、価格改定の影響で、売上は増加しました。
海外では、中国ロックダウンの影響や半導体不足による自動車生産台数の減少もあり、自動車ワイヤーハーネス向けなど全般に低調に推移しましたが、価格改定の影響で売上は増加しました。
衛生材料
衛生材料事業は、商社業およびインドネシア現地法人の製造業ともに、おむつ・サニタリー用品および医療用関連向けの出荷は堅調に推移し売上は増加しましたが、原燃料や運賃の高騰を受け、利益は減少しました。
有機化学品
チオ製品は、プラスチックレンズ向けが好調であったほか、秋口に定期修理を控える主要顧客への一部前倒し出荷もあったため、売上・利益ともに増加しました。
リン製品は、自動車関連向けが低調でしたが、リン価格相場の高騰と価格改定により売上は増加しました。
医薬品原薬・中間体の生産受託については、主力中間体の出荷が伸びましたが、原薬については減少し、売上・利益ともに減少しました。
触 媒
水添石油樹脂向けなどで使用されるニッケル触媒は、主要顧客の新工場立ち上げ遅延により出荷が遅れておりますが、ニッケル地金の高騰と製品値上げもあり、売上は増加しました。
火力発電所やごみ焼却施設で使用される脱硝触媒は、前期から続く大型物件の一部出荷が当期も寄与し、売上・利益ともに増加しました。
受託加工
加工顔料は、中国ロックダウンなどの影響や在庫調整により、自動車関連や浴用剤関連が低調に推移し、焼成、混合、乾燥等の工程受託も同様に一部案件の需要が減少したため、売上・利益ともに減少しました。
(医療)
売上高は前年同期比0.6%増の4,122百万円となり、営業利益は前年同期比3.3%増の240百万円となりました。
医療用医薬品
バリウム造影剤は、国内向けがコロナ影響もあり低調に推移したものの、輸出向けの伸びにより、売上は増加しました。一方利益は、国内向けでは薬価引き下げの影響もあり、減少しました。
また、消化性潰瘍・逆流性食道炎治療薬「アルロイドG」は、薬価引き下げの影響もあり、売上・利益ともに減少しました。
医療機器
内視鏡洗浄消毒器は、半導体部品不足の影響も受け、販売台数は減少しましたが、電解促進剤など機器関連製品の価格改定前の一部前倒し購入もあり、売上は増加しました。一方、利益は内視鏡洗浄消毒器のリニューアル品の開発費用を計上したことにより、減少しました。
一般用医薬品・その他
かぜ薬「改源」など一般用医薬品は、コロナ禍以降継続している罹患対策予防により、売上・利益ともに減少しました。一方、紫外線対策サプリメント「ソルプロ」など美容医療機関向け製品は好調に推移し、売上・利益ともに増加しました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の財政状態に関しては、以下のとおりです。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は128,362百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,443百万円増加しました。
主な要因は、現金及び預金が1,093百万円増加、商品及び製品が2,649百万円増加、原材料及び貯蔵品が1,692百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が920百万円減少したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は42,559百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,347百万円増加しました。
主な要因は、短期借入金が2,703百万円増加したものの、長期借入金が1,041百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は85,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,095百万円増加しました。この結果、自己資本比率は63.6%(前連結会計年度末は63.6%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローに関しては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローの収入は1,122百万円となり、前年同期に比べ4,261百万円減少しました。これは、主に棚卸資産の増減額が4,351百万円増加し、法人税等の支払額が1,038百万円増加したものの、補助金の受取額が771百万円増加し、保険金の受取額が521百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローの支出は1,285百万円となり、前年同期に比べ2,532百万円減少しました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が2,518百万円減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローの収入は1,006百万円(前年同期は1,025百万円の支出)となりました。これは、主に配当金の支払額が563百万円増加したものの、短期借入金の純増減額が2,545百万円増加したことによるものです。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,118百万円増加し、11,667百万円となりました。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,366百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。