【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況 当第2四半期連結累計期間は、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益において、第1四半期連結累計期間から引き続き過去最高益となりました。 日本では重点戦略の一つであるDTC事業の強化に注力しており、特に直営店舗において売上が好調に推移しました。中国ではLE COQ SPORTIF(NINGBO)CO.,LTD.(以下、NLCS)を前第4四半期連結会計期間より連結業績に取り込んだことが前年同四半期比で増収に寄与しています。また、各セグメントのアスレチックウェアカテゴリーが伸長しており、ゴルフウェアカテゴリーは前年同四半期比で減収しているものの、当第2四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比4.9%増の59,985百万円となりました。 売上総利益は、上記の増収及び日本におけるDTC事業の売上高総利益率向上に伴い、前年同四半期比7.9%増の35,897百万円となりました。 販管費は、ブランディングに伴う広告宣伝費等の増加及び中国における連結子会社化の影響により、前年同四半期比11.9%増の31,745百万円となりました。 営業利益は上記の結果、前年同四半期比15.2%減の4,151百万円となりました。 経常利益はDESCENTE CHINA HOLDING LTD.(以下、DCH)及びARENA KOREA LTD.(以下、AK)の業績伸長により持分法による投資利益が増加した結果、前年同四半期比18.8%増の8,007百万円となりました。 親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益が増加した結果、特別損失としてNLCSの事業構造改善費用303百万円を計上したものの、前年同四半期比10.5%増の5,672百万円となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。なお、在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。
(日本) リニューアルオープンした『デサント』の直営店舗を中心にプロパー消化が進み、売上高総利益率の上昇が着実に進んでいます。更にインバウンド需要が第1四半期連結累計期間から引き続き好調に推移した結果、DTC比率は前年同四半期比で3ポイント上昇しました。一方で、『マーモット』の2022年12月ライセンス契約終了の影響並びにゴルフウェアカテゴリー売上の前年同四半期比での減少の結果、売上高は前年同四半期比6.7%減の23,957百万円となりました。前第1四半期連結累計期間において発生した一過性利益約470百万円が無くなった影響のほか、直営店舗の改装や新たなブランドアンバサダー契約等のブランディングに伴う費用の増加もあり、セグメント利益は前年同四半期比35.9%減の2,054百万円となりました。
(韓国) 夏物商品の需要を取り込んだ結果、『デサント』『アンブロ』等のアスレチックウェアカテゴリーが好調に推移しているものの、ゴルフブームの反動によるゴルフウェアカテゴリーの低調により売上高は前年同四半期比1.7%減の27,751百万円となりました。セグメント利益は減収に加えて広告宣伝費等の販管費の増加により前年同四半期比12.9%減の1,740百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、『アリーナ』を展開する持分法適用関連会社のAKは海外旅行客増加に伴うレジャー水着の売上が好調で、業績が伸長しました。
(中国) 主にARENA(SHANGHAI)INDUSTRIAL CO.,LTD.及びNLCSの連結子会社化による増収効果並びに香港での中国本土からの旅行客増加により、売上高は前年同四半期比221.9%増の7,099百万円となりました。セグメント利益は増収に伴い、NLCSに係るのれんの償却費等を計上したものの前年同四半期比85.3%増の241百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、『デサント』を展開する持分法適用関連会社のDCHは引き続き好調です。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品) 日本では『デサント』の直営店舗や自社ECでの「水沢ダウン」の販売が好調のほか、「世界水泳選手権2023福岡大会」の波及効果を受けた『アリーナ』が伸長しました。韓国では『アンブロ』が若年層向けに第1四半期連結累計期間から引き続き好調に推移し、中国ではNLCSの連結子会社化が増収に寄与した結果、アスレチックウェアカテゴリーの売上高は前年同四半期比17.3%増の41,914百万円となりました。(ゴルフウェア及びその関連商品) 日本では『ルコックスポルティフ』の独自開発のカッティングとストレッチ生地を組み合わせたウェア「ストレッチフォーサー」、韓国では『デサント』でゴルフシューズ「CONDOR」などのヒット商品が出たものの、日本と韓国におけるゴルフブームの反動の影響を受け、ゴルフウェアカテゴリーの売上高は前年同四半期比14.2%減の15,281百万円となりました。
(サステナビリティに関する取り組み) 当社はサステナビリティの一環として、課題解決につながる商品開発、リサイクル及びスポーツ普及活動に取り組んでおります。 日本において、『ルコックスポルティフ』では新作ベビーシューズ「LCS シャルル」と「LCS アルル」の販売を2023年7月から開始しました。このベビーシューズは、歩き始めた1歳前後の子どもの未発達な土踏まずを中心に足の内側をサポートする機能を搭載しています。子どもの足に寄り添ったデザイン設計が評価され、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門にて第17回キッズデザイン賞を受賞しました。 また、『アリーナ』で不要になったゴーグルを回収しリサイクルする活動を2018年より継続して実施しています。この度、7月に開催された「世界水泳選手権2023福岡大会」においても会場外に開設した当社ブースにてゴーグルを回収するボックスを設置しました。このリサイクル活動は大会関連プロジェクトとしても認証されており、当大会の公式HPで紹介されました。 『ムーブスポーツ』で体験型ワークショップ「PLAY MOVESPORT」を7月に開催しました。MOVESPORT UNITメンバー等によるパフォーマンスを含め、BMX、スケートボード、スポーツクライミング及びダブルダッチといったアーバンスポーツを子どもから大人まで約250人が体験する機会となりました。「PLAY MOVESPORT」は今後も日本各地で開催予定です。 当社は今後もスポーツを通じた活動によって社会課題の解決に取り組んでまいります。
財政状態の分析につきましては次のとおりであります。当第2四半期連結会計期間末の資産合計は137,172百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,609百万円増加しました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ1,284百万円減少し、81,221百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少4,538百万円、受取手形及び売掛金の増加1,290百万円、商品及び製品の増加1,059百万円などによるものです。固定資産は前連結会計年度末に比べ4,893百万円増加し、55,951百万円となりました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加4,518百万円などによるものです。負債合計は前連結会計年度末に比べ2,878百万円減少し、30,384百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少1,937百万円、短期借入金の減少551百万円などによるものです。純資産は前連結会計年度末に比べ6,488百万円増加し、106,788百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加2,652百万円、為替換算調整勘定の増加3,327百万円などによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、2.7ポイント増の77.3%となりました。
キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ9,780百万円減少し、24,964百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、237百万円の収入超過(前第2四半期連結累計期間は4,710百万円の収入超過)となりました。これは主な増加要因として、税金等調整前四半期純利益7,704百万円などがあり、主な減少要因として売上債権の増加額976百万円、仕入債務の減少額2,176百万円などがありました。投資活動によるキャッシュ・フローは、6,078百万円の支出超過(前第2四半期連結累計期間は7,338百万円の支出超過)となりました。これは主な減少要因として、定期預金の預入による減少額4,704百万円、有形固定資産の取得による減少額1,026百万円などがありました。財務活動によるキャッシュ・フローは、4,204百万円の支出超過(前第2四半期連結累計期間は3,026百万円の支出超過)となりました。これは主な減少要因として、配当金の支払による減少額3,020百万円、リース債務の返済による減少額617百万円などがありました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は737百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。