【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間では各国で行動制限が緩和し社会経済活動が正常化されたことにより、スポーツアパレル業界は回復傾向にあります。日本ではインバウンド需要が戻りつつあり、中国では2023年1月にゼロコロナ政策が撤廃されたことに伴う活発な消費活動が見られました。前年度よりARENA (SHANGHAI) INDUSTRIAL CO ., LTD.(以下、ASH)とLE COQ SPORTIF(NINGBO)CO ., LTD.(以下、NLCS)を連結子会社化し、連結業績に取り込んでいます。売上高は、中国では連結子会社化による増収、日本と韓国ではアスレチックカテゴリーが増収となり、レジャー需要の分散化に伴う前年同四半期に見られたゴルフブームの鈍化、および2022年12月末にライセンス契約を終了した『マーモット』の減収影響はあるものの、当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比2.8%増の27,162百万円となりました。売上総利益は、上記2社の連結子会社化の影響のほか、プロパー消化率の改善による韓国セグメントにおける粗利率改善の影響もあり、前年同四半期比5.9%増の16,512百万円となりました。販管費は、ブランディングに伴う費用の増加および連結子会社化の影響により、前年同四半期比11.5%増の14,561百万円となりました。営業利益は、上記に加え、前年同四半期に日本で計上した返品等の改善に伴う返金負債取崩益等の一過性の利益約470百万円が無くなったことにより、前年同四半期比22.9%減の1,951百万円となりました。持分法適用関連会社であるDESCENTE CHINA HOLDING LTD.(以下、DCH)及びARENA KOREA LTD.(以下、AK)の業績伸長により持分法による投資利益が前年同四半期比301.8%増の2,271百万円と大幅に増加したことにより、経常利益は前年同四半期比34.3%増の4,490百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、NLCSの特別損失として前年度に引き続き、事業構造改善費用181百万円を計上しましたが、経常利益の増加により、前年同四半期比35.6%増の3,191百万円となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。なお、在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。
(日本) 直営店舗におけるアジア観光客を中心とした海外観光客のインバウンド売上が好調なことに加え、子供向け商材にフォーカスした『アンブロ』が伸長しておりますが、『マーモット』の2022年12月ライセンス契約終了の影響及び想定していたゴルフブームの鈍化に伴い、セグメント売上高は前年同四半期比8.4%減の11,079百万円となりました。また、販管費において今後のブランディングのための費用増加および前年同四半期にあった一過性の利益押上げ要因の剥落もあり、セグメント利益は前年同四半期比48.1%減の714百万円となりました。
(韓国) 若年層向けの商材が好調の『アンブロ』が引き続き伸長していますが、前年同四半期のゴルフブームの反動によるゴルフウェアカテゴリーの減収によりセグメント売上高は前年同四半期比3.4%減の12,274百万円となりました。セグメント利益は『デサント』をはじめとするアスレチックウェアカテゴリーのプロパー消化が促進されたことにより粗利率は向上したものの、減収により前年同四半期比8.9%減の1,115百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、持分法適用関連会社であるAKは海外旅行客増に伴うレジャー水着需要の影響もあり、業績が伸長しています。
(中国) 前年同四半期では新型コロナウイルス感染症に伴う厳しい行動規制があった中国では、2023年1月のリオープニングを受け活発な消費活動が見られました。特に香港において中国本土からの移動が自由化されたことが後押しし、HONG KONG DESCENTE TRADING, LTD.の業績が好調です。また、ASHとNLCSの連結子会社化による増収効果もあり、セグメント売上高は前年同四半期比201.1%増の3,209百万円となりました。一方で、セグメント利益につきましてはNLCSに係るのれんの償却費等を計上したことで、前年同四半期比18.4%減の101百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、『デサント』を展開する持分法適用関連会社のDCHは引き続き好調です。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品) 『アンブロ』が日本・韓国における現地マーケティング戦略によって伸長しており、日本では子供向け商材を打ち出し、韓国では若年層をターゲットとしたコラボレーションが引き続き好調です。『デサント』の売上も堅調、『ルコックスポルティフ』は日本において素材にこだわった高付加価値のTシャツが堅調に推移しております。全体としてアスレチックカテゴリーの売上高は前年同四半期比17.3%増の19,194百万円となりました。(ゴルフウェア及びその関連商品) 日本と韓国において見られたゴルフブームはレジャー需要の分散化により落ち着きを見せています。国内自社工場にて開発・生産している『マンシングウェア』の「10 YEARS POLO SHIRTS」が日本・中国で好調、韓国においては『デサント』のゴルフシューズがトッププレイヤーからの評価が高く、引き続き好調です。しかしながら、昨年度のゴルフブームの反動減もあり、ゴルフカテゴリーの売上高は前年同四半期比17.2%減の6,779百万円となりました。
(サステナビリティに関する取り組み) 当社はサステナビリティの一環として、日本において、『アンブロ』でヘディングの際に子供たちの頭部の衝撃を緩和し、脳震盪の危険を低減させるための「プロテクトヘッドバンド」(特許申請中)の発売を開始しました。関東を中心に子供向けのサッカー教室を展開する「JACPA東京FC」に同商品を提供し、その取り組みがテレビ等メディアでも取り上げられています。このように、安心してスポーツができる商品の開発等によるスポーツ普及活動を続けてまいります。
財政状態の分析につきましては次のとおりであります。 当第1四半期連結会計期間末の資産合計は129,126百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,436百万円減少しました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ6,831百万円減少し、75,673百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少9,877百万円、商品及び製品の増加2,000百万円などによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ2,395百万円増加し、53,452百万円となりました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加3,300百万円などによるものです。負債合計は前連結会計年度末に比べ4,556百万円減少し、28,706百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少2,301百万円、賞与引当金の減少861百万円などによるものです。純資産は前連結会計年度末に比べ119百万円増加し、100,419百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の減少443百万円、その他有価証券評価差額金の増加499百万円、利益剰余金の増加171百万円などによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.6%増の77.2%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。 (3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は403百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。