【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、持ち直しの動きが続いております。今後も回復基調が続くものと期待されますが、供給面での制約や原燃料価格の高騰に加え、ウクライナ情勢の長期化や中国でのゼロコロナ政策による経済活動の停滞、急激な為替変動等の影響もあり、先行きは不透明な状況となっております。
このような環境のもと、当社グループは、第7次中期経営計画「EMPOWER THE NEXT-22」の最終年度を迎え、「レジリエントな事業基盤の構築」、「マーケットイン型開発の推進」、「SDGsへの取り組み」および「企業文化・組織風土の改革」の4つの基本方針に基づき、全社一丸となって具体的な施策に取り組みました。
「レジリエントな事業基盤の構築」では、化学品事業、機能材事業、ヘルスケア事業の3つの事業をコア事業と位置づけ強靭化戦略を推進しています。当第2四半期連結累計期間においては、化学品事業では、さらなる原燃料価格上昇に対応した価格改定を実施するとともに生産効率改善のための更新投資・コストダウンに引き続き取り組みました。機能材事業では、前年度に生産体制を強化したアリルエーテル類の拡販をさらに推し進めました。ヘルスケア事業では、今期中の完成を目指して医薬品原薬・中間体および医薬品精製材料の設備投資を進めております。
「マーケットイン型開発の推進」では、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として採択された全固体電池用超高イオン伝導性ポリマーの開発を進めております。
「SDGsへの取り組み」では、当社グループの取り組みを一層強化、推進するため、サステナビリティ委員会の設置を決定しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、519億1千5百万円と前年同期比23.1%の増加となりました。利益面におきましては、営業利益は97億2千2百万円と前年同期比70.7%の増加、経常利益は108億5千4百万円と前年同期比76.3%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は75億5百万円と前年同期比69.7%の増加となり、当第2四半期連結累計期間の各段階利益は過去最高を大幅に更新いたしました。
セグメント別の概況は、以下のとおりであります。
<基礎化学品>
クロール・アルカリは、かせいソーダを中心に需要が堅調に推移したことに加え、原燃料価格上昇にともなう価格改定を進めたことにより、売上高は増加しました。
エピクロルヒドリンは、原燃料価格上昇にともなう価格改定を進めたことに加え、為替の影響もあり、売上高は増加しました。
以上の結果、基礎化学品の売上高は219億8千8百万円と前年同期比25.3%の増加となりました。
<機能化学品>
合成ゴム関連では、エピクロルヒドリンゴムは、自動車用途向けは自動車生産台数の減少による影響を受けましたが、OA用途向けのシェア拡大により、売上高は増加しました。アクリルゴムは、国内をはじめアジアで新規採用が進んだため、売上高は増加しました。
ダップ樹脂は、欧州および中国での絶縁ワニス用途を中心に販売が増加したため、売上高は増加しました。
アリルエーテル類は、欧米で塗料および電子材料用途を中心とするシランカップリング剤向けの拡販が進んだことに加え、為替の影響もあり、売上高は増加しました。
医薬品精製材料は、欧米並びにアジア向けの糖尿病治療薬用途等の需要が拡大し、売上高は増加しました。医薬品原薬・中間体は、糖尿病の合併症治療薬中間体、不眠症治療薬中間体および骨粗鬆症治療薬原薬の販売が拡大したため、売上高は増加しました。
以上の結果、機能化学品の売上高は264億2千6百万円と前年同期比21.2%の増加となりました。
<住宅設備ほか>
生活関連商品の販売が堅調に推移した結果、住宅設備ほかの売上高は35億円と前年同期比24.4%の増加となりました。
当第2四半期連結会計期間末における当社グループ財政状態は次のとおりです。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて、6.9%増加し1,380億1千8百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて、9.5%増加し899億3千9百万円となりました。これは、主として受取手形、売掛金及び契約資産が55億9千3百万円、現金及び預金が32億7千1百万円がそれぞれ増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、2.3%増加し480億7千8百万円となりました。これは、主として投資有価証券が8億9千2百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて、15.5%減少し382億6千7百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて17.5%減少し328億6千9百万円となりました。これは、主として1年内償還予定の新株予約権付社債が87億3千3百万円減少し、支払手形及び買掛金が18億1千7百万円増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、0.3%減少し53億9千8百万円となりました。これは、主として退職給付に係る負債が6千7百万円、その他固定負債が3千9百万円それぞれ減少したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて、18.9%増加し997億5千万円となりました。これは主として、自己株式が58億4千8百万円減少したことによります。
(キャッシュ・フローの状況)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、22億7千1百万円増加し392億8千8百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、59億2千2百万円の収入(前年同四半期は72億7千7百万円の収入)となりました。これは主に、増加要因として税金等調整前四半期純利益が107億3千万円、減価償却費が18億4千万円、減少要因として売上債権及び契約資産の増加額が34億6千7百万円、法人税等の支払額が26億7千4百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億5百万円の支出(前年同四半期は23億2千2百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が21億3百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、13億3千9百万円の支出(前年同四半期は7億9千5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が10億4千9百万円であったことによるものです。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は12億3千6百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。