【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社は2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を策定いたしました。経営方針として「事業
ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針に沿った「成長事業の加速化」
「研究開発の拡充」「既存事業の収益性改善」「ESG経営の高度化」「事業インフラの再構築」という5つの戦略を推進しています。
これらに加えて2023年5月には経営環境の変化に柔軟に対応することで、中期経営計画「Challenge2024」の
達成をより確実とすることを目的にローリング方式にて中期経営計画の見直しを行い、当社のROEおよびPERの
向上を目指した具体的な施策を追加した中期経営計画「ローリングプラン2023」を新たに策定しています。
(1)経営成績に関する説明
①経営成績について
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進みつつある状況下で、電子材料分野とシリコンウェーハ分野はいまだ世界的な半導体需要
低迷の影響等を受けておりますが、その他の事業分野についてはいずれも好調に推移しました。また、業務改善や原価低減が進み適正価格の維持につきましてお客さまから一定のご理解を得ることができました。
(単位:百万円)
前第2四半期
当第2四半期
差 異
増減率
連結売上高
17,586
17,672
+86
+0.5%
連結営業利益
1,104
1,384
+279
+25.3%
連結経常利益
1,287
1,564
+277
+21.6%
親会社株主に帰属する四半期純利益
951
1,173
+222
+23.4%
②セグメント別の状況
第1四半期連結会計期間より事業ポートフォリオに基づく事業領域ごとの経営管理への移行に伴い、各事業領域の投資効率、収益性などを明確にすることを目的に各事業セグメントの担当役員を委嘱し、役員の執行業務、責任範囲の明確化を図りました。経営判断や予算策定を行う管理区分の見直しに伴い、報告セグメントを従来の
「化学品事業」「ボトリング事業」「産業用部材事業」「エンジニアリングサービス事業」の4区分から、「化学品事業」「ボトリング事業」「金属加工事業」「エンジニアリングサービス事業」の4区分に変更しています。
なお前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しています。
主な製品・サービスの状況は下記のとおりです。
「化学品事業部門」
化薬分野 =増収増益
・産業用爆薬は、石灰砕石需要の減少に加えて原材料価格の高騰などにより、減収減益。
・自動車用緊急保安炎筒は、自動車生産の増加に伴い需要が増え、増収増益。
・高速道路用信号焔管は、新型コロナウイルス感染症に起因する人流抑制が緩和されたことで需要が増加し、
増収増益。
・煙火関連は、販売品目の構成見直しにより減収するも、花火大会の増加などで収益は増加し、増益。
受託評価分野 =増収増益
・危険性評価試験、電池試験ともに電池開発の活況が継続し、増収増益。
化成品分野 =増収増益
・塩素酸ナトリウムは、紙パルプ漂白用途の需要に対して安定した供給を進め、増収増益。
・過塩素酸アンモニウム(ロケット・防衛用推進薬原料)は、防衛用途の需要が増え、増収増益。
・電極は、顧客在庫調整およびスポット受注減により減収するも、高付加価値製品の販売が増えたことにより、
増益。
・過塩素酸は、国内外の需要増加により増収するも、原材料価格の高騰などにより、減益。
電子材料分野 =減収減益
・電子材料関連製品、機能材料関連製品ともに、アジア圏をはじめとする海外需要の低迷が継続し、国内需要も
顧客在庫調整などがあり、減収減益。性能向上品や環境規制対応品などの製品開発・営業活動に引き続き注力
していく。
セラミック材料分野 =減収減益
・新規拡販やシェア拡大を推進するも、国内砥石・研磨布紙メーカーの需要低迷により、減収減益。
シリコンウェーハ分野 =減収減益
・世界的な半導体需要の低迷を受け、主要顧客の需要の落ち込みにより、減収減益。高平坦度ウェーハをはじめと
する高付加価値製品の用途拡大、小口径ウェーハ市場の新規開拓とシェア拡大、既存製品群の生産性向上と
いった活動に引き続き注力していく。
「ボトリング事業部門」
・ペットボトル飲料が個人消費とインバウンド需要の高まりにより、順調に推移。加えて、適正価格の維持および
コスト改善の取り組みにより、増収増益。
「金属加工事業部門」
・耐熱炉内用金物は、安定的成長と採算性重視を目的とした前期の関連子会社売却、販売品目の構成見直しにより
減収するも、適正価格の維持や強みある商品へのリソース集中等の推進により、増益。
・各種金属スプリングおよびプレス品は、自動車・建設機械関連需要とも好調により増収するも、原材料価格の
高騰などの影響により利益は横ばい。
「エンジニアリングサービス事業部門」
・建築・設備工事は、大型工事案件および収益性の高い案件が得られず、減収減益。
・塗料販売・塗装工事は、市場環境の好調により、増収増益。
・構造設計は、収益性の高い案件の増加により、増収増益。
これらの結果下記のとおりとなりました。
(単位:百万円)
区 分
連 結 売 上 高
連 結 営 業 利 益
前第2四半期
当第2四半期
前第2四半期
当第2四半期
化学品
10,073
9,936
774
790
ボトリング
2,248
2,463
△71
119
金属加工
3,672
3,678
210
276
エンジニアリング
サービス
1,879
1,866
264
309
小 計
17,874
17,944
1,178
1,495
その他・消去
△288
△271
△73
△111
計
17,586
17,672
1,104
1,384
(2)財政状態の状況
総資産は531億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億5千3百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が4億2千6百万円減少、有形固定資産が2億9千1百万円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が16億2千7百万円増加、投資有価証券が6億2千5百万円増加、棚卸資産が2億3千4百万円増加したことなどによるものです。
負債は186億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億2千3百万円増加いたしました。これは、有利子負債が5億1千7百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が9億7千3百万円増加したことなどによるものです。
純資産は345億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金が6億9千3百万円増加、その他有価証券評価差額金が4億5千8百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.8%から64.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、33億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億4千7百万円の純収入(前年同期は6億4千2百万円の純収入)となりました。これは、主に収入として税金等調整前四半期純利益16億6千4百万円、減価償却費8億4千5百万円、仕入債務の増加9億1千8百万円、支出として売上債権及び契約資産の増加16億3千3百万円、棚卸資産の増加2億3千3百万円、法人税等の支払額8億2千万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億6千6百万円の純支出(前年同期は4千3百万円の純支出)となりました。これは、主に固定資産の取得による支出5億6千6百万円、投資有価証券の売却による収入1億6千9百万円、その他に含まれる利息及び配当金の受取額1億4千3百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11億1千6百万円の純支出(前年同期は7億7千万円の純収入)となりました。これは、借入金の減少額4億7千万円、配当金の支払額4億7千7百万円等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億3百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。