【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~9月30日)の世界経済は、地域ごとの差異はあるものの、全般的に成長の鈍化が見られました。先行きについても、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、イスラエル・パレスチナ地域の武力衝突、持続的な物価上昇などを背景に、不透明感が増していると言えます。一方で、自動車市場は、半導体供給の問題が解消し始める中で、OEM各社の生産状況は比較的安定して推移しています。
この状況下、当社グループは自動車市場の電動化の加速をチャンスと捉え、事業成長を目指す施策を進めています。特に、2輪EV向けでアジアやアフリカの新興国市場においては、EV駆動ユニットの受注活動を強化しています。その中でも、世界最大の2輪車市場であるインドにおいて、Delta Electronics, Inc.及び豊田通商株式会社との合弁による新会社の設立に合意し、現地でのEV駆動ユニットの製造・販売を進めてまいります。
また、新規事業領域として、インダストリー、エネルギーソリューション、ウェルビーイングの3分野での展開を進めています。
インダストリー領域においては、AIを活用した外観検査ソリューションの提供を拡充し、売上の拡大を実現しています。更に、搬送の自動化ソリューションに関しても、ニデックドライブテクノロジー株式会社からAMR(自動搬送ロボット)事業を譲り受け、新たなシナジーの創出を開始しています。
エネルギーソリューション部門では、蓄電デバイス「ハイブリッドスーパーキャパシタ」が国際的な試験・認証機関であるUL Solutionから「UL810A」の認証を取得しました。さらに、データセンター向け「無停電電源システム」の開発を進め、特に米国市場における展開を強化しています。
当社グループは、ムサシ100年ビジョン「Go Far Beyond!枠を壊し冒険へ出かけよう!」を基盤に、環境変化を先取りし、人・しくみ・事業の変革とカーボンニュートラルの実現を目指し、施策の加速を図ってまいります。
このような状況において、当第2四半期連結累計期間における連結売上高は169,561百万円(前年同期比19.5%増)となりました。利益面では、連結営業利益は6,708百万円(同360.3%増)となりました。連結経常利益は6,682百万円(同144.2%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,588百万円(同782.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(日本)
半導体不足等による減産からの回復、材料費高騰分の売価反映などもあり、売上高は19,901百万円(前年同期比16.2%増)、セグメント利益は1,865百万円(前年同期は413百万円の損失)となりました。
(米州)
客先需要の拡大、材料費高騰分の売価反映や円安の影響などもあり、売上高は47,913百万円(同53.0%増)、セグメント利益は1,831百万円(同140百万円の損失)となりました。
(アジア)
材料費高騰分の売価反映や円安の影響などもあり、売上高は36,498百万円(同8.0%増)、セグメント利益は2,541百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
(中国)
上海ロックダウンおよびゼロコロナ政策廃止後の急速な感染拡大による減産からの回復はあったものの、日系の自動車販売低迷により、売上高は16,629百万円(同2.6%減)、セグメント利益は560百万円(同0.5%減)となりました。
(欧州)
物価上昇は継続しているものの、材料費高騰分の売価反映や円安の影響もあり、売上高は48,618百万円(同14.3%増)、セグメント損失は9百万円(前年同期は1,074百万円の損失)となりました。
一方、財政状態は次のとおりです。
総資産は、前期末に比べて15,459百万円増加し、284,738百万円となりました。
流動資産は、前期末に比べて5,246百万円増加し、137,405百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金、原材料及び貯蔵品等の増加によるものです。
固定資産は、前期末に比べて10,212百万円増加し、147,332百万円となりました。主な要因は、機械装置及び運搬具、投資有価証券の増加によるものです。
負債は、前期末に比べて557百万円減少し、154,288百万円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の減少によるものです。
非支配株主持分を含めた純資産は、前期末に比べて16,017百万円増加し、130,450百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間において、営業活動の結果得られた資金は13,603百万円となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前四半期純利益や、減価償却費等です。資金の減少の主な要因は、棚卸資産の増加や、仕入債務の減少等です。
投資活動の結果使用した資金は7,366百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出等です。
財務活動の結果使用した資金は12,122百万円となりました。主な要因は、借入金の返済等です。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、23,158百万円となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、2,908百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間における当社グループの生産、受注および販売実績の内容については、「(1) 財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
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