【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間の世界経済・日本経済は、ロシアによるウクライナ侵攻、原材料や原油価格の上昇、半導体をはじめとする電子部品や材料等のひっ迫、輸送価格の上昇や配船の遅延、電気料金の値上げなど厳しい状況が続いています。また、急激な円安ドル高の進行など、先行きは不透明で予断を許さない状況となっています。このような状況の中、当社グループはカメラ用部品など需要が回復した製品の増産対応を進めたほか、ドキュメントスキャナーは商談が活発化してきた政府・金融向けを中心に積極的な拡販活動を展開し、売上は堅調に推移しました。その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は692億7百万円(前年同期比15.1%増)、連結経常利益は50億66百万円(前年同期比19.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は39億78百万円(前年同期比21.1%増)となりました。なお、宇宙関連分野におきましては、2020年10月に打ち上げた当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-IIB(シーイー・サット・ツービー)」と、打上げから5年が経過した「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」の実証実験を順調に進めており、地上の高精細画像を日々撮影しております。また、衛星本体や撮影画像、内製コンポーネントの受注も進めております。スペースワン株式会社では、和歌山県串本町で日本初の民間企業が所有するロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」を建設し、小型ロケット打上サービスの開始を目指し、準備を進めております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(コンポーネント)コンポーネントセグメントにおきましては、デジタルカメラ関係は、当第3四半期連結累計期間も前連結会計年度に引き続きミラーレスカメラの売上が好調に推移しており、これにより当社が製造しているシャッターユニット・絞りユニット等のカメラ部品の生産数が大幅に回復し、前年同期と比べ売上が増加しました。レーザープリンター・複合機向けのレーザースキャナーユニットは、テレワーク等のワークスタイルの変化によりパーソナル向けを中心に受注が増加したほか、オフィス向け複合機の需要も回復しつつあり、前年同期と比べ売上が増加しました。なお、ベトナム子会社において生産を行っているプリンター部品は、プリンター本体増産により部品の生産数も増え、売上が増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は396億59百万円(前年同期比22.6%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響により、営業利益は38億19百万円(前年同期比6.3%減)となりました。
(電子情報機器)電子情報機器セグメントにおきましては、ドキュメントスキャナーは、米州・中国・東南アジア地域・韓国向け売上が前年同期を上回り、その他の地域と合わせた全体の売上も前年同期と比べて増加しました。ハンディターミナル関係では、業務用情報端末の新製品「GT-50シリーズ」の販売が好調に推移し、ハンディターミナル本体の売上が前年同期を上回りましたが、モバイルプリンターの販売が前年同期を下回り、前年同期と比べ全体の売上は減少しました。レーザープリンター関係では、レーザープリンター本体やオプション等の生産を進め、前年同期と比べ売上は増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は220億2百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は29億10百万円(前年同期比12.8%増)となりました。なお、当セグメントにおいて、日本国内と欧州向けに、プリントされた写真をデジタル化する用途に対応したフォトスキャナー「RS40」を発売しました。また、可動式のスポットライトを搭載し、アルミ削り出しボディを使用した小型Bluetoothスピーカー「albos Light & Speaker」の受注・生産を開始し、当期中の販売開始に向け準備を進めております。(その他)その他のセグメントにおきましては、情報関連事業は、各企業のシステムへの投資が縮小や延期となっておりましたが、情報セキュリティ対策ソフト「SML」においてテレワークや働き方の可視化に向けた分析パッケージの開発、提案を進めたほか、学校向け教務管理システム「SCHOOL AID(スクールエイド)」、顧客情報管理システム(CRM)等の受注活動を積極的に展開し、前年同期と比べ売上は増加しました。環境機器事業では、歯科用ミリングマシン「MD-500」ならびに前連結会計年度に発売した新製品「MD-500S」の販売台数を伸ばしました。医療関連機器では、血圧計や滅菌カートリッジの販売は増加したものの、一部製品の減産の影響を受け、前年同期と比べ売上が減少しました。また、スペースワン株式会社では、小型ロケット打上げサービス開始に向けて準備を進めているため、前年同期と比べ費用が増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は75億44百万円(前年同期比3.3%減)、19億35百万円の営業損失(前年同期は13億88百万円の営業損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,291億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億54百万円増加しました。流動資産は823億41百万円となり、6億41百万円増加しました。固定資産は467億82百万円となり、22億13百万円増加しました。うち有形固定資産は408億38百万円となり、17億77百万円増加しました。当第3四半期連結会計期間末の負債は228億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億78百万円減少しました。流動負債は184億36百万円となり、3億48百万円減少しました。固定負債は44億55百万円となり、1億30百万円減少しました。当第3四半期連結会計期間末の純資産は1,062億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億33百万円増加しました。
(2)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3,777百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。