【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、各国において新型コロナウイルスの行動制限が緩和され経済の回復が進みました。一方、急速な需要の回復やコロナ禍でのロックダウン等にともない、原材料・エネルギー価格の高騰、部品の供給不足、物流の停滞等、サプライチェーンの問題が拡大しました。世界各国でインフレが加速し、欧米を中心に景気の減速感が強まるなど、不透明感の高い状況が続きました。
当社グループの主要取引先である自動車業界においては、堅調な需要を背景に大幅な増産も期待されましたが、世界的な半導体不足等の影響を受け、前年から引き続き減産調整が頻発しました。当社グループにおきましても、日本、北米地域における自動車の減産調整、中国ロックダウンによるサプライチェーンの停止、原材料・エネルギー価格の高騰、円安による輸入部品のコストアップ等の影響を受けましたが、生産変動に柔軟に対応し、世界各地域のお客様への安定供給を確実に果たしながら、徹底した費用の抑制と中長期も見据えた収益構造改革にも注力いたしました。
また、2022年4月1日に群馬県の株式会社大嶋電機製作所を買収し、自動車用バックミラー及びランプの製造販売を行う子会社:株式会社村上開明堂東日本として稼働を開始いたしました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(日本)
半導体部品不足等に起因する自動車メーカーの減産影響を受けたものの、第1四半期より株式会社村上開明堂東日本を子会社化したことにより自動車用バックミラー等の販売が増加し、売上高は前連結会計年度に比べて9,348百万円(26.0%)増加し、45,298百万円となりました。営業利益は、材料費比率の上昇、電力料、物流費の増加等の影響により1,563百万円となり、前連結会計年度に比べて302百万円(16.2%)の減少となりました。
(アジア)
中国・タイ・インドネシアにおいて、自動車用バックミラーの販売数量が増加し、売上高は前連結会計年度に比べて6,035百万円(27.9%)増加し、27,683百万円となりました。営業利益は、中国拠点でのロックダウン影響による輸送費増加等の影響を受けたものの、アセアン拠点の収益が好調に推移したことにより3,127百万円となり、前連結会計年度に比べて612百万円(24.4%)の増加となりました。
(北米)
米国及びメキシコにおける半導体部品不足等に起因する自動車メーカーの減産の影響により、自動車用バックミラーの販売数量は減少したものの、為替換算の影響等により、売上高は前連結会計年度に比べて1,663百万円(10.4%)増加し、17,660百万円となりました。営業利益は、材料価格や物流費の高騰等の影響がありましたが、為替換算の影響等により329百万円となり、前連結会計年度に比べて65百万円(24.6%)の増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は90,643百万円となり、前連結会計年度に比べて17,047百万円(23.2%)の増加となりました。
また、営業利益は5,584百万円となり、前連結会計年度に比べて720百万円(14.8%)の増加、経常利益は6,419百万円となり、前連結会計年度に比べて696百万円(12.2%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は5,370百万円となり、前連結会計年度に比べて1,504百万円(38.9%)の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して3,894百万円増加し、当連結会計年度末には37,632百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、7,771百万円(前連結会計年度は6,033百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益7,875百万円、減価償却費3,873百万円、売上債権の増加1,749百万円、仕入債務の増加1,903百万円、棚卸資産の増加1,563百万円、法人税等の支払額1,765百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、2,623百万円(前連結会計年度は2,622百万円の減少)となりました。これは、主に定期預金の預入による支出2,754百万円、定期預金の払戻による収入2,071百万円、有形固定資産の取得による支出2,842百万円、有形固定資産の売却による収入562百万円、投資有価証券の売却による収入276百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、2,264百万円(前連結会計年度は2,218百万円の減少)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出572百万円、配当金の支払額904百万円、非支配株主への配当金の支払額767百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
日本
44,386
25.8
アジア
28,049
26.1
北米
17,700
10.5
報告セグメント計
90,136
22.6
その他
-
-
合計
90,136
22.6
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社は見込生産を行っているため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
日本
45,298
26.0
アジア
27,683
27.9
北米
17,660
10.4
報告セグメント計
90,643
23.2
その他
-
-
合計
90,643
23.2
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
トヨタ自動車㈱
21,208
28.8
21,811
24.1
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、会計基準につきましては日本基準を適用しております。
なお、採用している重要な会計方針及び見積りに関しましては、「第5 経理の状況」にて記載のとおりであります。また、当社グループは、一定の仮定に基づき、将来の事業計画を策定したうえで、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の評価等を行っております。詳細情報につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(追加情報)」にて記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
資産、負債、純資産の状況
当連結会計年度末における資産の残高は、100,359百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,160百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が4,647百万円増加、受取手形及び売掛金が2,798百万円増加、原材料及び貯蔵品が1,589百万円増加、有形固定資産が518百万円増加したことなどによるものであります。
負債の残高は、21,332百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,155百万円増加いたしました。これは、主に支払手形及び買掛金が2,316百万円増加、電子記録債務が483百万円増加、繰延税金負債が135百万円減少、退職給付に係る負債が392百万円増加したことなどによるものであります。
純資産の残高は、79,027百万円となり前連結会計年度末に比べて7,004百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が4,463百万円増加、純資産の控除項目である自己株式が532百万円減少、為替換算調整勘定が2,775百万円増加したことなどによるものであります。
2)経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、半導体部品不足等に起因する自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、第1四半期から株式会社村上開明堂東日本を子会社化したことにより自動車用バックミラー等の販売が増加したことや為替換算の影響等により、売上高は90,643百万円となり、前連結会計年度に比べて17,047百万円の増収となりました。
営業利益は、日本における円安による輸入部品の価格上昇や、中国におけるロックダウン対応のための輸送費の増加等があったものの、売上高の増加により5,584百万円となり、前連結会計年度に比べて720百万円の増益となりました。経常利益は6,419百万円となり、前連結会計年度に比べて696百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社村上開明堂東日本の子会社化に伴う特別利益の計上等により5,370百万円となり、前連結会計年度に比べて1,504百万円の増益となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2022年8月8日に公表いたしました業績予想(以下「業績予想」という。)との分析は以下のとおりです。
当連結会計年度の売上高は、半導体部品不足等に起因する自動車メーカーの減産影響を受けたものの、当第4四半期会計期間以降は増産基調となり、販売数量が増加したことにより、業績予想に対しては4,643百万円(5.4%)の増加となりました。
営業利益は、売上高の増加により、業績予想と比べて584百万円(11.7%)の増加となりました。経常利益は業績予想と比べて519百万円(8.8%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は業績予想と比べて770百万円(16.7%)の増加となりました。
なお、ミラーシステム事業は近年、自動車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を図っております。当連結会計年度は、連結売上高に占める海外向け売上高が51.4%と海外拠点の重要性が高く、今後も安定した売上高確保の為に設備投資が増加することが予想されます。日本においては、新分野・新製品に対する研究開発関連費用も増加する傾向にあり、これらは当社グループの連結業績に重要な影響を与える要因と考えております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ミラーシステム事業とオプトロニクス事業により構成される製造業に関わる原材料購入費及び製造経費、一般管理費等があります。また、設備資金需要としては各事業における生産性向上のための合理化改善、並びに品質管理、新製品対応の生産準備等を目的とした設備投資等があります。
当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
なお、配当政策等に関しましては、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」にてご確認ください。
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