【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、前連結会計年度より国際会計基準(以下、「IFRS」という。」を任意適用しております。これにより前第1四半期連結累計期間の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における売上収益は38,993百万円(前年同期比6.7%増)となりました。この増収は主に、機電・IT、建設、製造の各領域で在籍人数が伸長し、稼働率も好調に推移したことによります。利益面では、採用費が増加したものの、単価の改善や稼働率の上昇に加えて、前期に発生したPPA償却費などの一時費用が剥落し、全体として収益が改善しました。この結果、事業利益は3,021百万円(前年同期比44.7%増)、営業利益は3,337百万円(前年同期比27.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,122百万円(前年同期比37.1%増)となりました。
※事業利益は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を減算したもので、「その他の収益」や「その他の費用」に計上される特別項目(雇用調整助成金や減損損失等)による影響を除いたものを示している当社独自の利益指標です。
セグメント別の業績の概要は、次のとおりです。なお、セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を適用しております。
[機電・IT領域](ITや機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)
当第1四半期連結累計期間においては、製造業の景況感回復を受け、積極的な採用投資を前連結会計年度の後半から再開した結果、在籍人数が順調に伸長し、稼働率も概ね95%を越える水準で安定的に推移しました。利益面では、ミドル人材へのシフトなどによる単価の改善と、稼働率の小幅な上昇により、採用費の大きな増加を吸収して利益率がやや改善しました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は19,006百万円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益は2,030百万円(前年同期比24.1%増)となりました。
[建設領域](建設業界への施工管理者やCADオペレーターの派遣事業)
当第1四半期連結累計期間においては、前連結会計年度から取り組んだ採用チャネルの強化改善や社員定着施策の結果、在籍人数が増加し、また建設業界の旺盛な人材需要を受けて稼働率も高い水準で推移しました。さらに前連結会計年度に計上していたPPAによる無形資産の償却費や株式報酬費用の剥落もあり、利益が改善しました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は9,537百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は1,591百万円(前年同期比71.2%増)となりました。
[製造領域](顧客企業の製造工程等における請負・受託・派遣の事業)
当第1四半期連結累計期間においては、前連結会計年度に引続き営業エリア内の人材需要を、業種や大口顧客に偏らず幅広く開拓すると同時に、単価交渉等による収益性の維持改善に努めました。その結果、特に素材や電機・精密での稼働人数が増加し、また派遣・請負いずれも原価率は改善傾向で推移しました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は2,607百万円(前年同期比14.1%増)、セグメント利益は145百万円(前年同期比32.0%増)となりました。
[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)
当第1四半期連結累計期間においては、英国ではコロナ収束後に人材需要が回復しましたが、ブレグジッドが完了し欧州からの労働力調達が制約された事から、人材市場で供給不足が発生し、派遣事業の売上が減少しました。利益面では、顧客の人材を囲い込む動きから利益率の高い紹介事業が好調に推移しましたが、前連結会計年度に計上していたMTrecの子会社株式売却益が剥落しました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は7,550百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は173百万円(前年同期比59.2%減)となりました。
[その他]
報告セグメントに含まれない領域として、株式会社SAMURAIがオンラインプログラミング学習サービスを、当社グループの特例子会社である株式会社ビーネックスウィズが障がい者雇用によるグループ内各種サービスを行っております。
当第1四半期連結累計期間においては、オンラインプログラミング学習サービスは収益性重視に転換したため売上収益が減少しましたが、グループ内各種サービスについてはコロナ影響の低下により一定の回復が見られました。
この結果、当セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は、内部取引を含めて447百万円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益は34百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて993百万円増加(1.0%増)し、97,515百万円となりました。主たる変動項目は、流動資産のその他の流動資産の増加1,490百万円、繰延税金資産の減少334百万円及び使用権資産の減少212百万円等によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,257百万円増加(3.8%増)し、34,433百万円となりました。主たる変動項目は、流動負債の社債及び借入金の増加1,701百万円、流動負債のその他の金融負債の増加1,258百万円、未払法人所得税の減少860百万円及び営業債務及びその他の債務の減少743百万円であります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末に比べて263百万円減少(0.4%減)し、63,081百万円となりました。主たる変動項目は、親会社の所有者に帰属する四半期利益2,122百万円の計上及び配当金の支払2,481百万円による利益剰余金の減少355百万円等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ57百万円増加し、12,462百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,270百万円の収入(前年同期は118百万円の支出)となりました。主な要因は、税引前四半期利益の計上による収入3,320百万円及び営業活動によるキャッシュ・フローのその他の増加2,133百万円等が、法人所得税の支払額2,936百万円等を上回ったことであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、92百万円の支出(前年同期は440百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出81百万円、無形資産の取得による支出66百万円及び投資活動によるキャッシュ・フローのその他の収入58百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,092百万円の支出(前年同期は5,644百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、配当金の支払額2,490百万円、リース負債の返済による支出1,043百万円及び短期借入金の純増加額1,786百万円等であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
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