【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界経済が長期化するロシアのウクライナ武力侵攻、中国の不動産不況の深刻化等による国内景気の悪化、米欧先進国の金融引締め政策による内需の停滞等を受け、総じて成長鈍化に見舞われる中、国内経済は外国人訪日客がコロナ禍前の水準までほぼ回復したこと、個人消費も物価高による下押しはあるものの、賃金上昇や各種の消費喚起策を追い風に回復基調にあること等から四半期連続の成長となり、実質GDPは概ねコロナ禍前の水準まで持ち直しています。また、今後の景気動向は、輸出面においては米欧経済の減速が懸念材料ではあるものの、DX化・脱炭素化等の中長期的視点に立った設備投資が着実に増加し、引き続きインバウンド消費の回復も見込まれることなどから底堅く推移するものと思われます。
当社グループが中核事業としている建設業界の受注環境は、公共投資については発注時期の遅れは見られるものの確実に実施されており、民間投資も企業の堅調な設備投資意欲に支えられ、大型倉庫等の物流施設・半導体関連工場等の新設需要を中心に一定水準の引き合いが維持されています。一方、収益環境は、高止まりを続ける建設資材価格、流通コスト・労務費の上昇等が既に下押し要因になっているうえ、今後は働き方改革の完全実施に伴う諸経費の増加等もマイナス要因に加わるため今後の業績動向は予断を許しません。
このような環境下にあって、当社グループの連結業績は売上高につきましては20,372百万円(前年同四半期比20.7%増)となりました。損益面では、営業利益1,139百万円(前年同四半期比127.7%増)、経常利益1,169百万円(前年同四半期比103.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益844百万円(前年同四半期比91.3%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、不動産事業支出金が増加しましたが、現金預金、受取手形・完成工事未収入金等が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ6,468百万円減の25,929百万円となりました。負債は、支払手形・工事未払金、未成工事受入金が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ7,270百万円減の12,250百万円となりました。
なお、純資産は前連結会計年度末に比べ801百万円増の13,678百万円となり、自己資本比率は52.8%となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(建築事業)
完成工事高は13,771百万円(前年同四半期比5.3%増)、営業利益は793百万円(前年同四半期比16.2%減)となりました。
(土木事業)
完成工事高は3,887百万円(前年同四半期比4.8%増)、営業利益は230百万円(前年同四半期比11.4%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は2,713百万円(前年同四半期は88百万円の売上高)、営業利益は880百万円(前年同四半期は25百万円の営業利益)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の四半期末残高は7,733百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は623百万円(前年同四半期は1,793百万円の獲得)となりました。これは主に不動産事業支出金が増加し、仕入債務、未成工事受入金、未払消費税等が減少しましたが、税金等調整前四半期純利益の増加及び売上債権、販売用不動産の減少等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,269百万円(前年同四半期は139百万円の獲得)となりました。これは主に投資不動産の取得等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は156百万円(前年同四半期は981百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は16百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害、新型コロナウイルス感染症の長期化や再拡大等があります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要
当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。その他に社員寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達を行っています。金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況です。また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。