【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界経済がロシアによるウクライナ侵攻の長期化に起因して資源価格や穀物価格の高止まり状態が続き、急激なインフレの高進等に見舞われていることから、その先行きには不透明感が増しつつあり、これを受けて国内でも海外経済の減速懸念が強まりつつありますが、現状においては、底堅い設備投資需要や資材の供給制約の緩和等による生産活動の回復傾向も窺える一方で、円安基調や生産コストの上昇等を反映した物価高騰が消費意欲の減退等を招き、企業収益を下押しする懸念も強く、今後の景気動向については、依然として予断を許さない環境下にあります。
当社グループが中核事業とする建設業界の受注環境は、公共投資は国土強靭化に向け相応の投資が継続されていることから概ね堅調に推移しているものの、民間設備投資はコロナ禍等の反動で投資意欲に一服感が見られ、政策金利の上昇基調とも相俟って引合い案件の減少に繋がることが懸念されます。
加えて収益環境もウクライナ侵攻や急速な円安等を受けた建設資材価格の高騰、人件費の上昇等が収益の圧迫要因になる可能性が強く、当業界を取り巻く事業環境は、総じて楽観視できない状況が続いています。
このような環境下にあって、当社グループの連結業績は、売上高につきましては27,366百万円(前年同四半期比4.7%減)となりました。損益面では、営業利益894百万円(前年同四半期比32.2%減)、経常利益980百万円(前年同四半期比28.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益729百万円(前年同四半期比50.3%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間末の総資産は、受取手形・完成工事未収入金等が減少しましたが、現金預金、不動産事業支出金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ2,838百万円増の30,318百万円となりました。負債は、短期借入金が減少しましたが、支払手形・工事未払金、未成工事受入金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ2,246百万円増の17,629百万円となりました。
なお、純資産は前連結会計年度末に比べ591百万円増の12,688百万円となり、自己資本比率は41.9%となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
(建築事業)
完成工事高は21,079百万円(前年同四半期比3.9%減)、営業利益は1,421百万円(前年同四半期比12.2%減)となりました。
(土木事業)
完成工事高は6,115百万円(前年同四半期比7.2%減)、営業利益は481百万円(前年同四半期比28.5%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は170百万円(前年同四半期比4.9%減)、営業利益は47百万円(前年同四半期比10.8%増)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は25百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害、新型コロナウイルス感染症の長期化や再拡大等があります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要
当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。その他に社員寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達を行っています。金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況であります。また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。