【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が制限され、企業収益や雇用環境は大幅に悪化いたしました。1度目の緊急事態宣言解除後は経済活動が段階的に再開され、政府の経済対策も背景に改善の兆しが見受けられたものの、その後再び感染症が拡大し、緊急事態宣言が再発出されるなど非常に厳しい経済状況が継続しております。
不動産金融事業が属する不動産業界におきましては、金融機関の慎重な融資姿勢が継続しておりますが、コロナ終息後を見据えて積極的な投資への動きも出てきています。当社グループにおいては、東京都江東区新木場に所在する物流倉庫、北海道虻田郡倶知安町(ニセコ)に所在するホテル開発用地及び東京都中央区入船のオフィスビルの不動産信託受益権の取得と売却を行いました。一方、第4四半期連結会計期間に予定しておりました大型の取引が当連結会計年度末日までに完了しなかったため、不動産金融事業の売上高及び営業利益は前連結会計年度と比較して大きく下回る結果となりました。なお、当該大型取引については、2021年4月27日に公表した「京都東山SIX SENSESホテル開発プロジェクトにおける不動産信託受益権譲渡に関するお知らせ」にて進捗を開示しております。
ホテル運営事業が属するホテル業界におきましては、1度目の緊急事態宣言解除後に実施された「GO TO トラベル」により宿泊客数は大きく回復いたしましたが、緊急事態宣言の再発出により、再び厳しい事業環境になっております。当社グループにおいては、2020年11月28日にオープンした「京都悠洛ホテル二条城別邸Mギャラリー」(京都市中京区市之町180-1)及び前期に開業した「京都悠洛ホテルMギャラリー」(京都市東山区三条通大橋東入大橋町84)が秋の観光シーズンで好調な業績を確保しましたが、年が明けて2度目の緊急事態宣言の発出により運営ホテルの全館を臨時休業にするなど、通期では非常に厳しい年度となりました。このような状況下ではありましたが、2021年3月16日に開業いたしました「フォションホテル京都」(京都市下京区河原町通松原下ル難波町406)におきましては、「FAUCHON Meets Kyoto. Feel Paris.」を食で表現したメニューをお楽しみいただけるレストランとティーサロン、また、パリ直輸入のマカロンや紅茶を数多く取り揃えたショップで予想を上回るご好評をいただくなど2022年3月期の業績への貢献が見込まれております。また、大阪・キタの社交場として親しまれた堂島ホテルの地で関西初進出となる「アロフト大阪堂島」(大阪市北区堂島浜2丁目1-31)も、まもなくの開業に向けた準備を進めております。
これらの結果、当連結会計年度においては、売上高5,309,731千円(前期比59.8%減)、営業損失690,704千円(前期は2,708,359千円の営業利益)、経常損失827,845千円(前期は3,732,641千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失1,059,822千円(前期は2,426,930千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績におきましては、不動産金融事業の売上高は4,583,567千円(前期比50.0%減)、営業利益は195,077千円(前期比94.1%減)となり、ホテル運営事業の売上高は985,307千円(前期比79.5%減)、営業損失585,530千円(前期は268,078千円の営業損失)となりました。
なお、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,183,183千円減少し、2,104,891千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の減少は、3,724,424千円(前年同期は8,916,529千円の資金の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失1,384,743千円を計上したこと及び開発中であったホテルが竣工したこと等により販売用不動産が4,959,327千円増加し、仕掛販売用不動産が2,364,049千円減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、315,542千円(前年同期は1,980,898千円の資金の減少)となりました。これは主に投資有価証券の償還と取得が純額で270,000千円の支出になったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の増加は、1,856,782千円(前年同期は12,806,137千円の資金の増加)となりました。これは主に金融機関からの借入に伴い長期借入れによる収入が2,253,000千円増加したことによります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
不動産金融事業
4,578,423
△45.6
ホテル運営事業
731,307
△84.8
合計
5,309,731
△59.8
(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。不動産金融事業において当連結会計年度中に取引完了を企図しておりました大型の取引が、当連結会計年度末日までに完了しなかったこと及び、ホテル運営事業においても新型コロナウイルス感染症によるホテルの臨時休業等により大きく減少致しました。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
合同会社WHA3
7,303,700
55.2
-
-
合同会社強羅
2,814,924
21.3
-
-
大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人
-
-
2,302,646
43.4
合同会社ヒラフ
-
-
1,600,000
30.1
ミノルホールディングス株式会社
-
-
551,634
10.4
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は当社グループ(当社及び連結子会社)の財務諸表に基づいて分析した内容です。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、重要な会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②財政状態の分析
(資産)
総資産については、前連結会計年度末に比べ、861,882千円増加となりました。これは主に、京都悠洛ホテル二条城別邸Mギャラリーが竣工したこと等により、販売用不動産が4,959,327千円増加し仕掛販売用不動産が振替により2,364,049千円減少したこと及び現金及び預金が2,176,933千円減少したことによります。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ、1,912,869千円増加となりました。これは主に上記販売用不動産の建設等のために借入金が1,891,479千円増加したことによります。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末に比べ、1,050,987千円減少となりました。これは主に、当期純損失を1,030,819千円計上したことによります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては2(事業等のリスク)に記載しております。
(4)経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産金融事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金、ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金等であります。
不動産金融事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金の調達は、自己資金や他の投資家との共同投資に加え、金融機関等からの借入による資金調達を行っております。
ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金は、自己資金をベースに必要に応じて金融機関等からの借入による資金調達を行っております。
(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年3月期から2024年3月までの「中期経営計画2024」を公表いたしました。
「中期経営計画2024」では、以下の経営指標を掲げております。
経営指標
2022年3月期
計画
2023年3月期
計画
2024年3月期
計画
売上高(百万円)
12,500
15,000
20,000
経常利益(百万円)
5,500
6,500
7,500
EBITDA(百万円)(注)
6,500
7,500
8,500
(注)経常利益(利払前)+減価償却費
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