【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における工作機械業界は、受注総額が9,884億円と、11年ぶりの1兆円割れとなり、新型コロナウイルス感染症による需要減退の影響を大きく受けております。うち、内需は3,259億円とこちらも前年同期を大きく下回りました。一方外需は6,625億円と前年同期をわずかに上回りましたが、これは、中国において、新型コロナウイルスからの早期の立ち直りが見られたことによるものです。このような経済環境下、当社は事業の継続とお客様、お取引先様、従業員及び家族の健康・安全を最優先に考え、出張制限やテレワーク等の新型コロナウイルス感染症対策を行った上で、事業活動を行っております。当社においても新型コロナウイルス感染症の感染拡大による設備投資の減少等の影響を受けておりますが、金型関連研削盤の主力製品である「SPG-X」「UJG-35i」や切削工具研削盤の主力製品である「GIG-202」「APX-105」などを中心に、積極的な受注販売活動を行っております。新型コロナウイルスの影響下における新たな取り組みとして、リモートによる立会い、実習、テストなどを実施するほか、2020年9月からはお客様からの要望があれば直接訪問し、日々の加工や保全、機械操作など、様々な相談に応じる「スマイルキャンペーン」を展開しております。また、生産改善活動として、多能工化に向けた集中トレーニング、生産工程のデジタル化の推進、各種5S活動などにも取り組んでおります。新機種等の研究開発にも継続して取り組んでおり、2020年11月にオンラインで開催されました展示会「JIMTOF2020」に、APX-F50、GIG-202、iPG-X、UJG-35iの4機種を出展いたしました。
海外展開につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限されている状況ではありますが、各地域において、今後の需要拡大のための各施策を行っております。特に欧米地域においてはシェア拡大の余地が大きいことから、アメリカノースカロライナ支店の拡張や現地での当社製品の展示、ドイツHAAS社との販売提携契約の継続等により、販売促進を図っております。また、台湾の連結子会社である和井田友嘉精機有限公司を活用した生産販売体制の強化にも引き続き取り組んでおります。この結果、 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
①財政状態 (資産)総資産は、前連結会計年度末に比べ89百万円増加し、10,634百万円となりました。これは、主として現金及び預金が134百万円、商品及び製品が173百万円、未収還付法人税等が175百万円増加し、受取手形及び売掛金が109百万円、仕掛品が254百万円減少したことなどによります。
(負債)負債は、前連結会計年度末に比べ19百万円減少し、2,394百万円となりました。これは、主として長期借入金が819百万円増加し、支払手形及び買掛金が206百万円、役員賞与引当金が108百万円、未払法人税等が275百万円減少したことなどによります。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ108百万円増加し、8,239百万円となりました。これは、主として利益剰余金が29百万円、その他有価証券評価差額金が53百万円増加したことなどによります。
②経営成績新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により工作機械業界全体の需要が低迷していることから、当連結会計年度の売上高は4,206百万円(前年同期比46.5%減)と、前年同期を大きく下回りました。また、営業利益は286百万円(前年同期比83.5%減)、経常利益は325百万円(前年同期比81.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は222百万円(前年同期比80.8%減)と、利益面でも前年同期を大きく下回る結果となりました。 品目別に業績を示すと、次のとおりであります。
(金型関連研削盤)中国向けの販売は増加したものの、国内及び中国を除くアジア向けの販売は減少し、売上高は1,533百万円(前年同期比34.0%減)となりました。金型関連研削盤の売上高は当社グル―プの総売上高の36.4%を占めております。
(切削工具関連研削盤)中国及び欧米等の地域向けの販売は増加したものの、国内及び中国を除くアジア向けの販売は減少し、売上高は1,718百万円(前年同期比60.9%減)となりました。切削工具関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の40.9%を占めております。(その他の機械)NCプロッター(作図機)等の機械については、売上高は55百万円(前年同期比26.6%減)となりました。その他の機械の売上高は、当社グループの総売上高の1.3%を占めております。 (アフターサービス)アフターサービス(有償修理)及びメンテナンス部品については、売上高は898百万円(前年同期比15.7%減)となりました。アフターサービスにおける売上高は、当社グループの総売上高の21.4%を占めております。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ134百万円増加し、4,692百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、311百万円(前年同期は1,793百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益325百万円を計上したほか、収入の主な内訳は、減価償却費243百万円、売上債権の減少額128百万円等であり、支出の主な内訳は、役員賞与引当金の減少額108百万円、仕入債務の減少額206百万円、法人税等の支払額527百万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、108百万円(前年同期は183百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出76百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、563百万円(前年同期は545百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入1,100百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出283百万円、配当金の支払額192百万円等であります。
(生産、受注及び販売の状況)当社グループは工作機械の製造・販売業の単一セグメントでありますので、セグメント情報は記載しておりません。以下は当連結会計年度における品目別の状況を記載しております。
(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
生産高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
1,714,189
74.4
切削工具関連研削盤
1,803,880
41.1
その他の機械
66,408
93.5
アフターサービス
898,577
84.3
合計
4,483,057
57.2
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
1,920,758
116.9
920,893
172.6
切削工具関連研削盤
1,214,847
44.3
269,050
34.8
その他の機械
84,790
160.7
34,560
628.4
アフターサービス
898,577
84.3
―
―
合計
4,118,973
74.8
1,224,503
93.3
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
販売高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
1,533,555
66.0
切削工具関連研削盤
1,718,695
39.1
その他の機械
55,730
73.4
アフターサービス
898,577
84.3
合計
4,206,558
53.5
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)当連結会計年度の経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。なお、将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
(1) 財政状態の分析当連結会計年度末における財政状態は、「(業績等の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」のとおりであります。当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末時点で76.8%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。来期以降も、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、研究開発や設備への投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 経営成績の分析当連結会計年度の経営成績は、2020年5月11日に発表した期初計画におきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や、中国経済の構造問題、米中貿易摩擦の影響等による景況悪化の影響を大きく受けることが予想されたことから、第2四半期連結累計期間において、売上高1,930百万円、営業損失90百万円、経常損失88百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失86百万円の業績予想数値を開示しておりました。しかし、お客様のご協力のもと営業活動や製品の納入検収、アフターサービス等において想定以上にリモート対応が進んだことや、生産性向上による原価低減の取り組み、厳格な予算管理による販管費の抑制等の効果等により、第2四半期連結累計期間の売上高は2,123百万円、営業利益は127百万円、経常利益は133百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は89百万円と、期初予想を上回る結果となりました。下半期についても、引き続き新型コロナウイルス感染症による工作機械業界全体の需要低迷の影響を受けたものの、上記の各種取り組みの継続や、中国をはじめとする一部地域において需要の立ち直りが見られたことなどから、2020年10月30日に発表した修正計画に近い結果となりました。当社グループは「経常利益率」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。当連結会計年度の経常利益率は7.7%と、前連結会計年度の経常利益率22.3%を大きく下回る結果となりましたが、新型コロナウイルス感染症による業界全体の需要低迷の影響下において、一定の経常利益率を確保することができました。
2022年3月期も、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものと見込まれており、当社グループにおきましてもその影響を受けることが予想されますが、グローバル展開の継続、既存製品の品質向上、生産工程の見直し及び新製品の開発等に取り組むことで売上高及び利益を確保し、高水準の経常利益率を維持できるよう努めてまいります。なお、2022年3月期の業績の見通しにつきましては、連結売上高6,702百万円、連結営業利益974百万円、連結経常利益1,004百万円、親会社株主に帰属する当期純利益704百万円を見込んでおります。
(受注状況)
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度後半に顕在化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞の影響により、低い受注残高でのスタートとなりました。また、当連結会計年度においても新型コロナウイルス感染症の影響が継続したことや、切削工具研削盤市場において設備投資サイクルの端境期に当たったことなどから受注高は前年を下回る結果となりました。来期も新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものと見込まれておりますが、世界的なワクチン接種等により世界経済が回復方向に進むものと期待されております。金型関連研削盤においては、中国での旺盛な需要を背景に受注が拡大しており、東アジアや国内も緩やかな回復基調にあります。切削工具研削盤市場においては、2021年に入り設備投資に向けた動きが強まっており、一定の受注が期待できる状況となっております。こうした状況から、来期の受注高は当連結会計年度を上回ると見込んでおります。当連結会計年度及び前連結会計年度に係る受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
前連結会計年度(自2019年4月1日至2020年3月31日)
当連結会計年度(自2020年4月1日至2021年3月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
1,643,316
69.4
533,690
43.9
1,920,758
116.9
920,893
172.6
切削工具関連研削盤
2,741,790
57.7
772,898
31.9
1,214,847
44.3
269,050
34.8
その他の機械
52,750
25.7
5,500
19.2
84,790
160.7
34,560
628.4
アフターサービス
1,065,915
92.9
―
―
898,577
84.3
―
―
合計
5,503,771
65.0
1,312,088
35.8
4,118,973
74.8
1,224,503
93.3
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(販売状況) 当連結会計年度におきましては、中国及び欧米等の地域向けの販売が増加したものの、国内及びその他アジア地域向けの向けの販売が減少いたしました。当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により海外出張等が制限される状況ではありますが、現地支店や代理店等を活用し、受注獲得や販売確保に努めてまいります。特に欧米地域においてはシェア拡大の余地が大きいことから、アメリカノースカロライナ支店の拡張や現地での当社製品の展示、ドイツHAAS社との販売提携契約、展示会への積極的な出展等により販売促進を図ってまいります。当連結会計年度及び前連結会計年度に係る販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
地域
前連結会計年度(自2019年4月1日至2020年3月31日)
当連結会計年度(自2020年4月1日至2021年3月31日)
売上高(千円)
前年同期比(%)
売上高(千円)
前年同期比(%)
日本
5,364,520
122.1
1,976,067
36.8
中国
843,183
38.6
1,125,765
133.5
アジア地域(中国を除く)
1,476,473
134.0
854,938
57.9
その他の地域
173,880
16.1
249,785
143.7
合計
7,858,059
89.7
4,206,558
53.5
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 国または地域の区分は、地理的近接度によっております。
3 各区分に属する主な国または地域は以下のとおりです。
中国……………………………中国
アジア地域(中国を除く)……台湾、韓国、東南アジア地域、南アジア地域等
その他の地域…………………米国、ヨーロッパ地域、アフリカ地域
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュフローの状況の分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。なお、当連結会計年度は機械装置及びソフトウェア等への設備投資として、固定資産に対して108百万円の支出を行っておりますが、その資金の調達源は主に自己資金となっております。来期以降も設備投資等を行ってまいりますが、その資金の調達源を自己資金とした場合においても、現状、キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。
資金の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、当社グループの業績に応じた配当を安定的かつ継続的に行うことを基本方針としております。なお、内部留保金の使途につきましては、将来に向けたコア技術の研究開発、既存分野の新製品開発、生産性向上と納期短縮を目的とした設備投資、販路拡大のための海外市場展開等将来の成長につながる戦略投資や、財務体質の強化等に充当してまいります。当社グループにおいては、工作機械業界の特性である景気変動リスクに備えた上で、企業価値向上を目的とした戦略的投資を行うために必要な水準の現預金を保有しており、取締役会等において手元現預金の水準について定期的な確認を行っております。また、担当部門において資本コストの算定及び定期的な見直しを行っており、その情報を取締役会で共有しております。各年度の設備投資は自己資金の範囲を考慮し、強固な財務基盤を維持し、必要なキャッシュフローを確保したうえで適切な成長投資を実施してまいります。 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は4,692百万円、営業活動によるキャッシュフローは△311百万円となっておりますが、来期も景気変動リスクに対応する現預金の水準についての確認を継続的に実施し、その上で、必要に応じた戦略的投資を行ってまいります。また、継続的に株主への還元を行ってまいります。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化することが見込まれておりますが、業績に与える影響を最小限に抑えるべく各種施策を講じ、企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループにおきましては、2021年3月期末時点において新型コロナウイルス感染症の感染拡大による企業の設備投資の減少等の影響を受けております。つきましては、その影響が少なくとも年内は続くと仮定し会計上の見積りを行っております。 なお、当社グループが連結財務諸表の作成において、会計上の見積りに用いた仮定及び基準のうち重要なものは以下のとおりであります。
(貸倒引当金)債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討して回収不能見込額を計上しております。
(役員賞与引当金) 役員賞与の支給に備えるため、当連結会計年度末における支給見込額に基づき計上しております。
(繰延税金資産)将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。なお、当該課税所得を見積るに当たって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)事業用資産については原則として、当社は事業単位ごとに、連結子会社は各社を一つの単位としてグルーピングを行い、遊休資産及び賃貸不動産については個別物件ごとにグルーピングを行った上で、減損の兆候の把握及び減損損失の認識と測定を行っております。
