【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における工作機械業界は、受注総額が1兆995億円、うち内需が4,466億円、外需が6,529億円と、内外需ともに前年同期を大きく下回る受注となりました。これは、米中貿易摩擦による先行きの不透明感が需要を下押ししたほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞が大きく影響しております。このような経済環境下、当社は、金型関連研削盤の主力製品であるSPGシリーズ、切削工具関連研削盤の主力製品であるAPXシリーズを中心に、各分野の製品について積極的な受注・販売活動を行ってまいりました。10月にはプロファイル研削盤の新製品である「SPG-X」を市場投入しており、今後もより多くのお客様のニーズにお応えできるよう研究開発に取り組んでまいります。なお、日刊工業新聞社主催の機械工業デザイン賞において、ジグ研削盤の新製品である「UJG-35i」が、日本商工会議所会頭賞を受賞いたしました。海外展開につきましては、前期に開設したアメリカノースカロライナ支店を拠点とし、米国における市場開拓やサービスの拡大を図るなど、北米市場へのグローバル展開を継続して進めております。欧州地域においては、引き続きドイツのHAAS社との販売提携契約を継続するほか、9月にドイツで開催された展示会「EMO Hannover 2019」にAPX-105を出展するなど、欧州の切削工具メーカーへの販売拡大に取り組んでおります。アジア地域においても、今後さらに需要が見込まれる中国、台湾、韓国等への販売拡大を図るほか、台湾の連結子会社である和井田友嘉精機股份有限公司を活用した生産体制の強化に引き続き取り組んでおります。この結果、 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
①財政状態(資産) 総資産は、前連結会計年度末に比べ213百万円増加し、10,544百万円となりました。これは、主として現金及び預金が1,061百万円、仕掛品が133百万円、原材料及び貯蔵品が140百万円増加し、受取手形及び売掛金が959百万円減少したことなどによります。
(負債) 負債は、前連結会計年度末に比べ595百万円減少し、2,413百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が281百万円、未払法人税等が131百万円、長期借入金が127百万円減少したことなどによります。
(純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ808百万円増加し、8,131百万円となりました。これは、主として利益剰余金が835百万円増加したことなどによります。
②経営成績当社の主な市場の1つである中国経済の鈍化や、米中貿易摩擦による設備投資需要減、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞等の影響により、当連結会計年度の売上高は7,858百万円(前年同期比10.3%減)と、前年同期を下回りました。また、営業利益は1,730百万円(前年同期比12.3%減)、経常利益は1,751百万円(前年同期比11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,156百万円(前年同期比20.3%減)と、利益面でも前年同期を下回る結果となりました。 品目別に業績を示すと、次のとおりであります。
(金型関連研削盤) 国内向けの販売は増加したものの、中国を中心とした海外向けの販売が減少し、売上高は2,325百万円(前年同期比7.5%減)となりました。金型関連研削盤の売上高は当社グル―プの総売上高の29.6%を占めております。
(切削工具関連研削盤)国内及び中国を除くアジア地域向けの販売は増加したものの、中国及び欧米等の地域向けの販売が減少し、売上高は4,391百万円(前年同期比10.0%減)となりました。切削工具関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の55.9%を占めております。
(その他の機械) NCプロッター(作図機)、HAAS社製品等の機械については、売上高は75百万円(前年同期比65.5%減)となりました。その他の機械の売上高は、当社グループの総売上高の1.0%を占めております。
(アフターサービス) アフターサービス(有償修理)及びメンテナンス部品については、売上高は1,065百万円(前年同期比7.1%減)となりました。アフターサービスにおける売上高は、当社グループの総売上高の13.6%を占めております。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,061百万円増加し、4,557百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、1,793百万円(前年同期は1,407百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益1,714百万円を計上したほか、収入の主な内訳は、減価償却費242百万円、売上債権の減少額974百万円等であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額290百万円、仕入債務の減少額281百万円、法人税等の支払額699百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、183百万円(前年同期は65百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出179百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、545百万円(前年同期は561百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入150百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出180百万円、長期借入金の返済による支出165百万円、配当金の支払額321百万円等であります。
(生産、受注及び販売の状況)当社グループは工作機械の製造・販売業の単一セグメントでありますので、セグメント情報は記載しておりません。以下は当連結会計年度における品目別の状況を記載しております。
(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
生産高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
2,302,811
93.0
切削工具関連研削盤
4,391,078
90.9
その他の機械
71,054
33.1
アフターサービス
1,065,915
92.9
合計
7,830,859
90.4
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
1,643,316
69.4
533,690
43.9
切削工具関連研削盤
2,741,790
57.7
772,898
31.9
その他の機械
52,750
25.7
5,500
19.2
アフターサービス
1,065,915
92.9
―
―
合計
5,503,771
65.0
1,312,088
35.8
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
販売高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
2,325,116
92.5
切削工具関連研削盤
4,391,078
90.0
その他の機械
75,950
34.5
アフターサービス
1,065,915
92.9
合計
7,858,059
89.7
(注) 1 金額は、販売価格によっております。2
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)当連結会計年度の経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。なお、将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
(1) 財政状態の分析当連結会計年度末における財政状態は、「(業績等の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」のとおりであります。当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末時点で76.5%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。来期以降も、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、研究開発や設備への投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 経営成績の分析当連結会計年度の経営成績は、期初の段階で多くの受注残を抱えていたことから、上半期の業績は米中貿易摩擦の影響を受けながらも堅調に推移しました。期初の見通しでは米中貿易摩擦の長期化による影響が下半期から顕在化すると予想しており、ほぼ想定通りの展開となりました。期末にかけて新型コロナウイルス感染症による影響を受けたことが期初業績予想を下回った要因となっており、当連結会計年度の売上高は7,858百万円(前年同期比10.3%減)と、前年同期を下回りました。また、営業利益は1,730百万円(前年同期比12.3%減)、経常利益は1,751百万円(前年同期比11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,156百万円(前年同期比20.3%減)と、利益面でも前年同期を下回る結果となりました。当社グループは「経常利益率」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。当連結会計年度の経常利益率は22.3%と、期初予想値である21.2%を1.1ポイント上回る高水準の結果となりました。これは、主に前連結会計年度までの企業の積極的な設備投資を背景とした旺盛な工作機械需要により当連結会計年度も高水準の売上高を計上したことに加え、機械一台ごとの厳格な原価管理や各種業務の積極的な改善等によるコスト削減の取り組みによるものであります。前連結会計年度の経常利益率と比較すると0.3ポイント低下しておりますが、これは、研究開発への継続的投資等により、販管費率が前連結会計年度より高まったことによるものです。
2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により企業の設備投資が大きく減少していることから、特に上半期を中心に、受注・販売ともに厳しい状況になると見込んでおります。しかし、国内や中国をはじめとするアジア地域からは、5G関連やレンズ金型関連といった今後市場拡大が期待できる分野からの引合をいただいていることから、下半期にかけては一定の売上高及び利益を計上できるものと想定しており、連結売上高4,612百万円、連結営業利益36百万円、連結経常利益40百万円、親会社株式に帰属する当期純利益30百万円を見込んでおります。今後も、グローバル展開の継続、既存製品の品質向上、生産工程の見直し及び新製品の開発等に取り組むことで売上高及び利益を確保し、高水準の経常利益率を維持できるよう努めてまいります。
(受注状況)当連結会計年度におきましては、前連結会計年度までの旺盛な工作機械需要により、高い受注残高を抱えた状態でのスタートとなりました。しかし、中国経済の減速や米中貿易摩擦による不透明感が需要を下押ししたほか、年度後半に顕在化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞により、受注高は前連結会計年度を下回りました。来期も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、厳しい受注環境になることが見込まれております。しかし、金型関連研削盤については、スマートフォンのカメラの多眼化等によるレンズ金型の需要拡大、5G化による精密コネクタや電子部品向けの需要拡大が想定されることから、その潜在需要の取り込みを積極的に進めてまいります。切削工具関連研削盤については、2020年3月期までに国内外で積極的な設備投資が行われてきた関係で、2021年3月期は投資サイクルの谷間となることや、最終需要先である自動車業界や航空機業界が新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることから需要拡大は困難であると見込まれておりますが、加工の高度化に対応したハイエンドモデルを軸に、需要の掘り起こしに努めてまいります。当連結会計年度及び前連結会計年度に係る受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目
前連結会計年度(自2018年4月1日至2019年3月31日)
当連結会計年度(自2019年4月1日至2020年3月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
金型関連研削盤
2,369,420
78.9
1,215,490
89.3
1,643,316
69.4
533,690
43.9
切削工具関連研削盤
4,750,627
99.6
2,422,186
94.9
2,741,790
57.7
772,898
31.9
その他の機械
205,000
229.6
28,700
65.2
52,750
25.7
5,500
19.2
アフターサービス
1,146,922
109.0
―
―
1,065,915
92.9
―
―
合計
8,471,969
95.0
3,666,376
92.7
5,503,771
65.0
1,312,088
35.8
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(販売状況) 当連結会計年度におきましては、主に国内向けの販売が増加したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等により、中国向け及びその他の地域(欧米等)向けの販売が減少いたしました。当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により海外出張等が制限される状況ではありますが、現地支店や代理店等を活用し、受注獲得や販売確保に努めてまいります。特に欧米地域においてはシェア拡大の余地が大きいことから、アメリカノースカロライナ支店の拡張や現地での当社製品の展示、ドイツHAAS社との販売提携契約、展示会への積極的な出展等により販売促進を図ってまいります。当連結会計年度及び前連結会計年度に係る販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
地域
前連結会計年度(自2018年4月1日至2019年3月31日)
当連結会計年度(自2019年4月1日至2020年3月31日)
売上高(千円)
前年同期比(%)
売上高(千円)
前年同期比(%)
日本
4,394,059
126.8
5,364,520
122.1
中国
2,183,607
175.3
843,183
38.6
アジア地域(中国を除く)
1,102,067
127.8
1,476,473
134.0
その他の地域
1,081,729
471.4
173,880
16.1
合計
8,761,462
151.0
7,858,059
89.7
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 国または地域の区分は、地理的近接度によっております。
3 各区分に属する主な国または地域は以下のとおりです。
中国……………………………中国
アジア地域(中国を除く)……台湾、韓国、東南アジア地域、南アジア地域等
その他の地域…………………米国、ヨーロッパ地域、アフリカ地域
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュフローの状況の分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。なお、当連結会計年度は機械装置、リース資産及び工具器具備品等に対して総額263百万円の設備投資を行っておりますが、その資金の調達源は主に自己資金となっております。来期以降も設備投資等を行ってまいりますが、その資金の調達源を自己資金とした場合においても、現状、キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。
資金の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、当社グループの業績に応じた配当を安定的かつ継続的に行うことを基本方針としております。なお、内部留保金の使途につきましては、将来に向けたコア技術の研究開発、既存分野の新製品開発、生産性向上と納期短縮を目的とした設備投資、販路拡大のための海外市場展開等将来の成長につながる戦略投資や、財務体質の強化等に充当してまいります。当社グループにおいては、工作機械業界の特性である景気変動リスクに備えた上で、企業価値向上を目的とした戦略的投資を行うために必要な水準の現預金を保有しており、取締役会等において手元現預金の水準について定期的な確認を行っております。また、担当部門において資本コストの算定及び定期的な見直しを行っており、その情報を取締役会で共有しております。各年度の設備投資は自己資金の範囲を考慮し、強固な財務基盤を維持し、必要なキャッシュフローを確保したうえで適切な成長投資を実施してまいります。 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は4,557百万円、営業活動によるキャッシュフローは1,793百万円となっておりますが、来期も景気変動リスクに対応する現預金の水準についての確認を継続的に実施し、その上で、必要に応じた戦略的投資を行ってまいります。また、継続的に株主への還元を行ってまいります。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化することが見込まれておりますが、業績に与える影響を最小限に抑えるべく各種施策を講じ、企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループにおきましては、2020年3月期末時点において新型コロナウイルス感染症の感染拡大による企業の設備投資の減少等の影響を受けております。つきましては、その影響が少なくとも年内は続くと仮定し会計上の見積りを行っております。 なお、当社グループが連結財務諸表の作成において、会計上の見積りに用いた仮定及び基準のうち重要なものは以下のとおりであります。
(貸倒引当金)債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討して回収不能見込額を計上しております。
(役員賞与引当金) 役員賞与の支給に備えるため、当連結会計年度末における支給見込額に基づき計上しております。
(繰延税金資産) 将来の利益計画に基づいて課税所得を見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。なお、当該課税所得を見積もるに当たって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
事業用資産については原則として、当社は事業単位ごとに、連結子会社は各社を一つの単位としてグルーピングを行い、遊休資産及び賃貸不動産については個別物件ごとにグルーピングを行った上で、減損の兆候の把握及び減損損失の認識と測定を行っております。
