【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の当社グループ(当社及び連結子会社)の業績は、主力とするビルサッシを中心とした建材事業分野においては、新設住宅着工戸数は引き続きマンション等において増加傾向にあるものの、持ち家の減少が続くなど、依然として先行き不透明な状況となっております。また、各事業分野において、原材料費、諸資材価格及び燃料費等の高騰が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと見込まれます。
この結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ53億4千7百万円増加し、886億6千3百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ76億8千4百万円増加し、729億3千5百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億3千7百万円減少し、157億2千7百万円となりました。
b.経営成績
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高701億2千9百万円(前年同四半期比10.6%増)、営業損失20億9千3百万円(前年同四半期は営業損失11億5千6百万円)、経常損失20億2千5百万円(前年同四半期は経常損失9億5千9百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失23億2千1百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失12億2千6百万円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
〔建材〕
建材事業においては、ビル建材事業における期内売上工事の利益率良化やリニューアル事業に注力したことなどにより、売上高は502億6千2百万円(前年同四半期比11.4%増)と増収になりましたが、継続している諸資材価格の高騰などの影響を抑えきれずセグメント損失9億1千1百万円(前年同四半期はセグメント損失3億6百万円)と減益になりました。
〔形材外販〕
形材外販事業においては、アルミ地金市況に連動した販売価格上昇などにより、売上高は161億1千5百万円(前年同四半期比11.5%増)と増収になりましたが、継続している諸資材価格の高騰などの影響によりセグメント損失5億5千5百万円(前年同四半期はセグメント損失3億6千1百万円)と減益になりました。
[環境]
環境事業においては、薬剤販売は持ち直しの傾向となるも、プラント事業では半導体などの需給逼迫による工期変更等の影響を受け、売上高は17億5千3百万円(前年同四半期比12.5%減)、セグメント利益8千1百万円(前年同四半期はセグメント利益1億8千4百万円)と減収減益になりました。
[物流事業]
物流事業においては、建材関係の物流が堅調に推移したものの、燃料費等の高止まりによる影響などにより、売上高は18億1百万円(前年同四半期比11.1%増)の増収、セグメント利益については2億5千9百万円(前年同四半期はセグメント利益2億6千1百万円)の利益を確保しました。
[その他]
その他事業には、不動産業等があり、売上高は1億9千6百万円(前年同四半期比1.4%増)、セグメント利益1億8百万円(前年同四半期はセグメント利益9千4百万円)と微増になりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億6千4百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日本国内の景気動向、建設会社の建設工事受注残高や住宅着工戸数の変動等があります。また、当社グループは、アルミ地金を主たる原材料とする事業(建材事業、形材外販事業)が売上高の大半を占めております。このアルミ地金価格は、市況(為替相場およびロンドン金属取引所(LME)の価格相場)の変動により影響を受けることから、今後も市況が上昇する局面では、原材料費の上昇が押さえきれず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務基盤の構築を目指しながら、企業価値向上を図るため、収益や成長ができる事業への資源を集中する戦略(事業ポートフォリオ戦略)を推進し、グループの経営資源の最適配分することを財務戦略の基本としております。
経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。手元現預金および多様な資金調達の活用により、成長のための投資、株主還元の充実を図ってまいります。
資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品の購入、外注加工費、人件費等の営業活動資金と、持続的な成長のために商品競争力を高める研究開発投資や、生産性向上を図る設備投資を実施する投資活動資金となっております。
資金調達
当社グループの事業活動の維持および拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を調達し有効に活用しております。設備投資は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを基本としておりますが、多様な資金調達手段を活用し、金融機関からの借入やリースによる固定資産購入等を行っております。
(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(7)経営成績の季節的変動について
当社グループは、建材事業、特にビルサッシの売上比率が高く、このビルサッシの売上は、通常の営業形態として、第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間に完成する工事の割合が大きいため、各四半期連結会計期間の業績に季節的変動があります。